鬼畜王ランスとは、ランスシリーズのIFストーリーであるPCゲームである。
アリスソフトの「フリー配布宣言」により無料での入手が可能なソフト。
対応はWindows9X系及びNT系であり、VISTAや7や8にも対応しているが、
インストーラーが9x系用とNT系用で異なっており標準で起動するインストーラーはあくまで9x系用のため要注意。
ちなみにあくまでNT系以降のOSへの対応は、開発環境がNTであったから出来ただけのオマケ要素なのである。
発売当初は、ランスシリーズの世界観(および、まだまだ出番が先になりそうなキャラ達)の顔見せ総集編お祭りソフト的位置づけであったが、その後の設定やデザインの変更もあって、現在ではランスシリーズ本編には含まれず、あくまでIF設定による外伝という扱いになっている。
(ただし鬼畜王が初出であるキャラのルーベランがランス・クエストで正史シリーズで初登場した際の様に、鬼畜王ランスでの内容が小ネタとして飛び出すことはある)
概要
鬼畜王ランスは、96年11月に発売された鬼畜戦士ランスを主人公とするエロゲ「ランスシリーズ」の外伝でもある地域制圧型SLGであり後年アリスソフトの代名詞となった地域制圧型SLGの元祖でもある。
後の戦国ランスと共にランスシリーズの認知度を大きく高めたシリーズの代表作。
Windows95発売から間もなく移植版のRanceIVと共にWindows対応第一作として発売された本作は、発売から数年にわたってエロゲ雑誌の人気ランキングに残り続けたという日本のエロゲ史に残る傑作の一つであり、そのイベント数の膨大さはまさに史上空前であり、「全てのイベントの完全なデバッグが不可能であった」という逸話が有る程。
現在においても、これを超える規模のイベント数のソフトはそうは存在しないと考えられる。
通常これだけ古いとグラフィック的に古くささを感じることも多いが、イベントCGを除けばドット絵中心ながら現在でも十分通用する内容となっている。
さらに、その発売時期に関わらず9X系とNT系の両対応(ただしNT系でのインストールはオマケな為、多少面倒)であり、数年前からアリスソフトの「フリー配布宣言」により、無料で入手可能であることや、(インストールで多少特殊な操作こそ必要なものの)現行OSでもエミュレーター等を使う事無くプレイ出来ることもあって、是非一度はプレイしておくべきソフトと言える。
ちなみに上記の無料配布は主にCD-ROMイメージをtorrentで配布している事が多い。
伝説
本作は名作と呼ばれると同時に数々の伝説を持つエロゲである。ここではその伝説の一端を紹介する。
- OPが流れる前に物語が終了するという『盗賊王エンド』や、創造神に挑む『創造神ルート』作中時間で数十年を要する『魔王ケイブリスルート』、果てはランス自身が魔王となる『魔王エンド』等が存在。
- 販売開始から10年近くにわたって定価で市販されて尚売れ続け、販売終了後にはフリー配布宣言で無料化。
- 発売終了まで数年にわたってエロゲ雑誌でランキングに残り続ける。
(他にそんな記録を残したのはFate/staynight位しか存在しないが、そちらは長期間にわたり、各種ファンサービス的公式展開があり続けたからランキングに残るほどだったのに対して、鬼畜王はむしろランキングから消えるまでシリーズそのものが断絶しており全く公式展開も、当時のアリスソフトでは定番であった廉価版発売すら、計画が中止になるレベルで途絶していた。) - ランダムイベントのあまりの多さに完全な形でのデバッグが不可能であり、ランダムイベントに関してはデバッグ無しで販売された。
- やりこみゲーにしてハマリゲーであるため、多くの受験生や大学生を落第or留年地獄に落とした。
- 本作の完成度が高すぎた事や開発用仮プロジェクト名がランスVだったことで、開発部長のTADA氏がスランプとなり、3回もランスVの開発に失敗し、10年近くにわたってシリーズが中断した。
- 二次創作で一般にランスシリーズのSSと言えば鬼畜王版の内容のSSというぐらいに高い知名度を誇り、発売から約10年を経た2000年代半ばの5D発売による正史によるIV以降のストーリー開始まで、鬼畜王ランス系のSS投稿サイトが機能していた。(鬼畜王モノSS自体は、鬼畜王級ヒット作となった『戦国ランス』発売まで新作が結構な数存在した。)
あらすじ
毎度のことで金が尽きて山賊退治の依頼を受けたランスであったが、気の向くままに山賊を支配下に置き、周辺の都市を奴隷のシイルの反対を押し切り、盗賊団の長となって荒らし回っていた。
そう言うことをしていれば、当然国に目を付けられるワケで、派遣されたヘルマン帝国の討伐軍に壊滅させられ、シイル達も敵に捕縛。命からがら逃げ出したランスは、リーザスの忍者見当かなみに拾われ、ランスに思いを寄せるリーザス女王リアの元に運ばれる。
目覚めた後もヘルマンに対する不満を漏らすランスに、リアは「私と結婚してくれたらもれなくリーザスが付いてくる」とそそのかし、ランスはリーザス王として即位することに。
かくして夢はでっかく世界征服とばかりに、ランスの覇道が始まる。
登場キャラ
基本的には『ランスシリーズ主要キャラ』の項目にあるソレと同一であるが、本作発表後の正史作品である5D以降の登場キャラに関しては、キャラクターデザインを含めて一部ないし全面的に設定が異なる。
一例
- 魔人ハウゼル&サイゼル姉妹を初め多くの正史でまだ未登場であったキャラのデザイン
- マジック・ザ・ガンジーとパステル・カラーのデザイン及び性格が、正史ではそれぞれの母親のモノとして流用された。
- 織田信長の外見及び背景設定
- 美樹&健太郎の性格が正史ではリトルプリンセスのモノに。
- リセット・カラーの外見&精神年齢&誕生年
- ランスと山本五十六の息子の名前
- レベッカ・コプリの性格とフクマンプレート関連の設定
また、本作中のランスの行動はいささか目に余る物も多いが、SLGと言うことで選択肢には「いくらランスでもその選択はしない」という物も数多く紛れ込んでおり、公式でもその事が(スタッフ対談などで)アナウンスされたこともある位な為、本作はランスの性格を知るという目的には向いていない。
シリーズ前期の性格を知るのに理想的なのはシイルの危機でマジになったランスが描かれたIV+シイル不在のときのランスを描いた4.x
まあ、5D以降のシリーズ後期ではランス自身の性格のキャラ付けも時代に合わせてかなり代わった感は有るが。
インストール手順
本作はアリスソフトフリー配布宣言によって自由に無料配布可能となっているが、現行のNT系OSでは起動までが多少厄介なのでここで手順を説明する。
- Bitcomet等のtorrentソフトでアリスソフトアーカイブズ
等の配布サイトからCDROMイメージをDLする。
- あらかじめ仮想ディスクソフトをインストールしておいてソレでDLしたCD-ROM内のイメージファイルを読み込む。
昨今は本作がきちんと収まる700MBの記録が可能なCD-Rも多いので、CD-Rに焼くのも可。
- CD-ROMイメージを読み込んだ際に自動プレイがONになっていると自動でインストーラーが立ち上がるが、そちらは標準版である9X系OS専用インストーラーなので一回閉じて、マイコンピューターから[ 鬼畜王ランス]のCD-ROMが入っているドライブを選択して右クリックして開き、中の『SETUPNT.EXE』をダブルクリックして、NT系OS用インストーラーを起動させ、インストーラーダイアログから『ゲームの登録』を選択する。
- スタートメニューの「アリスソフト>鬼畜王ランス」からゲームスタート。開始画面がきちんと映り、音楽が鳴っていればインストールは成功。画面が真っ黒であったり音楽が鳴らない場合は間違って9x系用の標準インストーラーでインストールしている為、標準インストーラーで一度アンインストールしてから再インストールする必要がある。
また、実際にCD-Rに焼いてインストールした場合は、インストールに使用したのと同じ光学ドライブに鬼畜王ランスのCDをセットしておかないと、インストールに成功していても上記と同様の症状が出る。
(というかそれが当時のPCゲーのBGMの主流方式であったCD-DAというものである)
- プレイに際してであるが、古いゲームなのでウィンドウ表示だと画面サイズが小さいのだが、ワイド及びフルHDモニタを使用している場合、全画面だと縦横の比率が狂うので、ゲームのウィンドウの上部にある「設定(S)」から「画面サイズ」を選択し、そこにある中から選択すると、画面が小さすぎたり縦横比が狂うこと事もなく、快適にプレイが可能となる。
また、CD-ROM内にはゲームバランスを弄った版のシナリオファイルやら色々なオマケも入っているので、readme.txt等を参照してみるのもイイと思われる。
おまけ:有志制作パッチ
VISTA以降のOSではPCの構成によってはエンディングにおいてBGMのループが止まるケースも有るが、それらの不都合と元からのバグを修正するパッチが有志によって作成されて配布されている。
(最新OSへの対応の為の改造はフリー配布宣言上OKだったはずなので)
気になる場合はその導入も考慮するのが良いかも知れない。
また、アリスソフトの公式のサポートにおいては、System3.6への差し替えによる同問題の対応方法が紹介されているので、ソチラもチェックしてみるのが良いと思われる。
またVISTAや7以降のOSで音楽がうまく鳴らない問題に関しては_immm.dllを使った方法でも解決可能な模様。
ブラウザ上でのプレイ
有志のサイト『鬼畜王 on Web』を使用することでブラウザから実行できるようになった。
これにより、スマートフォン等からの実行も可能となったが、
画面サイズ等の関係上、パソコンからのプレイを推奨したい。
リメイクについて
ランス・クエスト マグナムパーフェクトガイドブックのインタビュー記事で、
シナリオライターのヨイドレ・ドラゴン氏と、原画担当の織氏が、ランス10完成後に「真鬼畜王ランス」を作りたいと述べている。
正式発表されている訳ではないため、今後どうなるかは不明。
関連動画
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関連コミュニティ
関連項目
外部リンク
- アリスソフト
- アリスソフトアーカイブズ
(上記フリー配布宣言作配布場所)
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