しかし のろわれていて はずせなかった!
魔剣とは、魔的な力を秘めた刀剣につけられる総称、あるいは別名である。
概要
通常の刀剣と異なり、魔法や悪魔など魔的存在の力を付与した剣を指して魔剣と呼ぶ。対照的な存在として、神聖な加護を受けた聖剣が存在する。考え方や立場や宗教観念が異なる場合によっては、一本の剣が聖剣と呼ばれたり魔剣と呼ばれたりするので、完全に対の存在というわけではない。
単に魔法の力を封じただけの魔剣であれば、威力の向上やなんらかの属性(火、風など)の付与などの恩恵をうける、通常の刀剣よりもワンランク上の武器として扱える。問題なのは、悪魔の力を借りたり、何者かに呪いをかけられた魔剣は、凄まじい威力と引き換えに、それを振るうものにも時に代償を支払わせることがある、ということである。代償とは剣の持ち主の生命力であったり、もっとも愛する者の命であったり、あるいは血塗られた宿命であったりする。
日本刀の場合、魔刀や魔剣とはあまり云わず、妖刀とよばれるシロモノがこれに該当する。
また、剣術において、通常の立ち回りと大きく異なるような術理を魔剣と呼ぶことがある。一般に知られておらず、いずれも尋常でない剣さばきによって、相手に対処法を与えずに勝つことを目的とする。その性質上、門戸は広く開かれておらず、少人数によって秘密裏に訓練・継承するしかなく、他派に研究されないために他流試合も禁ずることがあるため、えてして外道の剣術とされやすい。
魔剣あれこれ
- スルトの剣〈レーヴァテイン?)
- 北欧神話の巨人スルトがラグナロクと呼ばれる最終戦争で用いた武器。光り輝く炎の剣でありあるいは剣の形をした炎。これを投げたことによって世界樹までもが燃え、その上に成る全ての世界が滅び去り、神話の時代を終わらせた。日本ではこの魔剣の名前をレーヴァテイン(レーバテイン)と呼ぶことも多いが、これには諸説ある。詳しくはレーヴァテインの記事を参照のこと。
- ストームブリンガー
- マイケル・ムアコック著作の小説『エルリック・サーガ』に登場する呪われた剣。『混沌』を『法』によって鍛えた刃は、非常に鋭い切れ味を持ち、神すら切り裂くこの黒き両刃の大剣。殺した相手の生命力を奪い、持ち主エルリックに与えるが、常に飢えた自意識を持つこの剣はエルリックの身内にすら次々と悲劇をもたらした。そして最後には…。俗にいうブラッドソードやインテリジェンスソードの中でも特に凶暴凶悪であり、なるべく装備したくない魔剣。なお、捨ててもいつの間にか戻ってくる、有り難くない機能付き。呪われた剣のテンプレート的存在でもあり、多くの後続作品に影響を与えた。
- 村正
- 日本国の刀工であり、彼の一門の鋳造した日本刀や槍の名でもある。これを所持する徳川家が、折にふれてはこの刀や、同じく村正の槍で、刃傷沙汰や介錯などを起こしたことから、災いを呼び寄せるとして『村正』の名前自体が忌むべきものとして扱われ、村正の名は妖刀と化した。幕末に一転、倒幕の旗印として、倒幕派の中に村正の所在を探す者まで現れ、にせ村正が出回ったりしたという。蜘蛛に変型するカラクリの如き村正も存在するらしいが、やっぱり呪われてる。
- 膝丸(蜘蛛切丸)
- 源家に代々伝わる名刀。罪人の膝を切って試し切りをしたことからこの名が付いた。源頼光が蓮台野に赴いた際に、妖怪の土蜘蛛を討伐したという伝説から『蜘蛛切丸』と名を改め、源為義に継承された後は毎晩のように吠えたけったという怪談から『吠丸』とまた名を変えた。その後のこの刀は何人かの手を経て源義経のもとに渡り、源家ゆかりの名刀を喜んだ義経は、この刀の名を熊野の山にちなみ『薄緑』と呼んだ。名前がころころ変わるが日本の刀にはよくあることである。あるマンガでは何故か蜘蛛そのものに形態変化したりするがよくあること。
- 昼の月
- ニトロプラス作のADVゲーム『刃鳴散らす』登場する架空の剣術。体重移動と戦機の選別に重きを置く兵法綾瀬刈流より生じた鬼子。戦闘におけるあらゆる状況を想定し、そのすべてに超克を期す慮外の暴挙を基本理念とする変幻の抜刀術。その剣がいつ抜き放たれるとも見えない、人の予測を許さぬことから天の怪奇を冠したこの名が付いた。
- ゲハバーン
- コンパイルハート作のRPG「超次元ゲイムネプテューヌmk2」とそのリメイク作に登場する架空の魔剣。ゲーム業界、ハードウェア@2ch掲示板の略称「ゲハ」+アーサー王伝説のカリ「バーン」が名前の由来。絶大な力を持ち、ゲイムギョウ界を滅ぼす犯罪神をも打ち倒す力を持っている。しかしこの魔剣に真価を発揮させるには、女神の命を捧げる必要がある。女神は本シリーズにおける主要人物兼ヒロインであり、ゲハバーンを覚醒させるために彼女らを殺害していくルートはシリーズ最悪のバッドエンドと呼ばれている。
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