マ・カ・イ・ゾ・ウ
魔改造とは、単なる改造ではない。そこに、人の愛と夢とロマンと若干の無謀さが入ったものである。
概要
言葉の初出は漫画「プラモ狂四郎」(4巻、南郷快山との初対決)からであり、作中で模型同士が合体して人型になったりと、スケールモデルにアニメモデルの性能を持たせる事を「魔改造」と呼んだ。実は合体したかのように見せて別の物にこっそりと入れ替えるトリックだった。
それが転じて、模型以外に実機の改造まで含めて、通常有り得ない様な改造を施すことを魔改造と呼ぶようになったのである。
ニコ動では実に広範な「有り得ないほど改造された物」を指して使われているが、それ以前は匿名の掲示板で美少女フィギュアの服や水着をヤスリ掛けし、全裸にして細部まで造形を加えたり、塗装して再現するなどの改造(技法自体はネットで広まる以前から一部の雑誌であったという。)や先に述べた模型の改造を指してそう呼んでいた。(ニコ動民ではない人とのやりとりでは注意が必要かもしれない。)なお、タミヤ主催の「人形改造コンテスト」の過去の入賞作の写真などを見ると分かるが、原型(「ミリタリーミニチュア」というシリーズ名からわかる通り軍人のモデルばかりである)を全くとどめないまでに(この場合エロとは関係なく)フィギュアを改造する、という行為は古くからおこなわれている。
ニコ動におけるいわゆる「魔改造」は、実に多様である。模型やフィギュアの改造はもちろん、車や二輪(大衆車にスポーツ車のエンジン載せ換えや、本来の原型に留まらない改造や、外見は普通だが中身がまったく別の物)や鉄道、既存の機械に狂気を感じさせる驚くべきような改造をする事である。mugenなどゲームのキャラ、ゲームそれ自体の改造に加え、宇宙戦艦ヤマトに施される真田技師長による謎の改造などが含まれる。
現実社会においては、かなり古い兵器や、敵国から鹵獲した兵器を現代の運用が可能なように原型が思い出せないほどの改造を施しちゃっているイスラエル国防軍(IDF)のケースが代表的。
中東戦争でアラブ諸国軍が大量に遺棄、あるいは鹵獲したT-54/55戦車の砲塔とっぱらって(場合によってはエンジンまで載せ替えて)兵員輸送車にしてしまったアチザリット、英国から購入したセンチュリオン戦車の砲塔取っ払って、密閉室の戦闘室を乗せ、対戦車ロケット対策にERA(爆発反応装甲)付けて、もはや原型も思い出すのが困難なナグマホン、M48/M60戦車をこれでもかと改造したマガフなどのケースがある。英国面とは一味違う「そこまでやるか」感が漂うのがIDF兵器の醍醐味といえるだろう。
ガワ(外面)が変わらないのに中身が全然違う魔改造のケースもある。代表的な事例は航空自衛隊のF-4EJファントム。F-2導入をめぐるすったもんだの余波なのか、大体のF-4運用空軍はF-16を購入するはずなのだが、日本は中身の改装に取り掛かる。結果的にF-4EJ改となって初期型F-16と変わらない電子兵装(アヴィオニクス)、データリンク能力、対艦攻撃能力を手に入れた。(まぁ、導入時にあれこれ機能取っ払ったのもあって元に戻したようなもの、という意見もありますが)。
船の世界では、乗客や荷物の搭載量を増やすために船を改造するケースが多々ある。特にクルーズ船などでは船体を真っ二つにぶった切って、その間にユニットを増設する、もしくは上部にユニットを増設するなど。ただし、船はバランスを崩して増設すると重心が高くなって転覆する危険性が高くなることから慎重に行わなければならないにも関わらず、計算もへったくりもなく無秩序に行うケースが後を絶たない。その結果、改造を要因の一つとした海難事故が多発している。(アル・サラム・ボッカチオ98やドニャ・パス、セウォル号など) この場合は悪い意味での魔改造だといえる。
日本国内のインターネットそのものについてもWIDEプロジェクトによる魔改造が頻繁に入っている。WIDEプロジェクト自身が学術団体であるために政府公認のように思われてることが多いが、実質はまず改造を試してうまくいったらそのまま国内のインターネットにそのまま転用するという形をとっており、上記におけるガワ(外面)が変わらないのに中身がいつの間にか差し替わっているという意味での魔改造に該当する。
共通しているのは、どれも“通常では考え付かない”ような改造であると同時に、その発想と技術がなかなか真似出来ないものであるという点だ。
関連動画
関連項目
- 模型
- フィギュア
- 魔復元
- BGM:魔改造のマーチ
- 魔改造のテーマ
- ニコニコ珍車リンク
- 日本語
- 古いF1マシンを大切に末永く使いましょう計画
- DMV
- SUPER GT(JAF-GT規格の車両)
- 改造
- 魔改造の夜
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