魔装機神とは
- スーパーロボット大戦シリーズに登場するロボットの種別。
- SFCソフト『スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』を始めとしたシリーズのこと。スーパーロボット大戦からのスピンオフ作品であり、1が主軸となる。
- 2を含む魔装機神に関する世界観や物語の総称でもある。
魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL のWikipediaはこちらから
概要
魔装機神はスーパーロボット大戦シリーズに登場する4体のオリジナルロボットである。
これらは架空のロボットアニメ『魔装機神サイバスター』から登場しているというコンセプトで参戦しており、
主人公マサキ・アンドーが搭乗するのが風の魔装機神サイバスターである。
『第2次スーパーロボット大戦』から初期シリーズで活躍。現在でもOGシリーズに参戦している。
初期のスーパーロボット大戦シリーズが『第4次スーパーロボット大戦』で一旦完結を迎えた後、
製作・販売されたゲームが『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』である(主な略称はLOE、以下LOEと呼称する)。
「魔装機神」を冠する作品は複数あるが、単純に「魔装機神」や「魔装」と言う場合、
主に「LOE」を中心としたウインキーソフト制作の「スーパーロボット大戦」に登場するサイバスターとラ・ギアスの物語とその世界観のことを指す。
ラ・ギアスの魔装機神
ラングラン王国の開発した16体のオリジナル魔装機(正魔装機)の内、特に高い力を持った4機のことを指す。
他の魔装機とは違って魔装機神は高位の精霊と契約を結んでおり、Aクラス魔装機ともいう。
魔装機神は自意識を持っており、「正しい心」を持った人間を自身の操者(パイロットのこと)を選ぶ。
4機ともファミリアを使った攻撃や、MAP兵器を所持しているのが特徴。また、機体名とは別に『真名』を持つが、魔法攻撃を防ぐために未だ誰にも明かされていない。
- 風の魔装機神サイバスター (操者:マサキ・アンドー)
- 『第2次スーパーロボット大戦』から登場。主人公マサキの搭乗機で風の精霊サイフィスと契約している。
高い機動力と運動性を持ち、巡航形態のサイバードに変形すると益々スピードアップする。
サイバスターの代名詞ともいえる広範囲で移動後も使用可能なサイフラッシュをはじめとして多彩な武装や必殺技を持つ。作品によって強さはまちまちだが、補給と回避に気をつければ縦横無尽に戦場を駆け回って活躍できる。
設定的には変形、ゲート操作、サイフラッシュなどの他の魔装機神にはない機能を持ち、高い潜在能力を秘めた特別な機体でもある。
操者であるマサキは極度の方向音痴なので、サイバスターの機動力で地球を何周もしてしまったりする。 - 水の魔装機神ガッデス (操者:テュッティ・ノールバック)
- 『スーパーロボット大戦EX』から登場。
他の3機にパワーや機動性で劣るが、水の精霊ガッドの加護であらゆる地形に適応可能。
中距離戦が得意で主に支援役として活躍する。支援役と言いつつも火力は他の魔装機とは段違いの性能を誇るので、十分な攻撃力はある。『LOE』では修理装置も使用可能。 - 火の魔装機神グランヴェール (操者:ホワン・ヤンロン)
- 『スーパーロボット大戦EX』から登場。火力に特化した機体だが、装甲が薄いのが弱点。ゲーム中、最初に必殺技を習得する魔装機神。□デムとか言うなよ! 絶対だぞ!
- 地の魔装機神ザムジード (操者:リカルド・シルベイラ、ミオ・サスガ)
- 『スーパーロボット大戦EX』から登場。リカルドの死後はミオがザムジードに選ばれて2代目の操者として活躍した他、シュテドニアス軍に奪取された時はロドニー・ジェスハがゲアスの術で強制的にザムジードを従わせて操縦した。
高い防御力と再生能力を誇るが、魔装機はリアル系寄り・回避重視のステータス調整をされやすいので、ザムジードは中途半端になってしまうことも。それでもフル改造して前線に投入するコアなファンは『EX』の頃から少なくなかった。愛か、愛なのか。
魔装機神、展開と騒動
『第2次スーパーロボット大戦』(FC)~『第4次スーパーロボット大戦』(SFC)
まだスーパーロボット大戦が今ほどのネームバリューを持つ前、『第2次スーパーロボット大戦』において、バンプレストオリジナルの架空アニメ枠として『魔装機神サイバスター』が参戦した。…とは言え、『第2次』ではその背景はほとんど語られず「マサキがシュウを追っている」ぐらいの情報量であった。
『第3次』にも引き続き参戦・展開するものの、「『何故』シュウを追っているのか」という点は漠然としたままであった(一応、シュウがラ・ギアスで極めて危険視されている存在ということまでは把握できる)。
この部分が初めて深く描かれたのが『スーパーロボット大戦EX』である。舞台はラ・ギアス。この作品ではラ・ギアスで起こっていた騒乱に地上人が巻き込まれる形で展開。マサキ視点・リューネ視点で戦乱の終息を目指し、『第3次』で散ったはずのシュウも蘇生し、独自の目的のために行動を起こす。『魔装機神サイバスター』という作品についての掘り下げが行われることになり、今まで明かされなかった細かい設定も公開された。
続く『第4次』ではどちらかといえばマサキよりもシュウにスポットが当たったストーリーになっている。
また、これと前後して同じバンプレストから発売された『ヒーロー戦記 プロジェクトオリュンポス』に、マサキとシュウの2人がゲスト出演している。シナリオ途中で一時的にパーティに加わるほか、ある手順を踏むと最終ダンジョンに隠しキャラとして登場することもある。
『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』(SFC)
1996年発売。スーパーロボット大戦初のリアル等身のグラフィックとなっているのが特徴。システム面ではパイロット技能が本格的に戦闘に影響を与えるようになっている、武器を改造することでランクアップして新たな武装に変化するなどの後の作品にも継承される要素に加え、斜め見下ろし型で高低差が反映されるマップ、向きの概念、ZOC、「プラーナ」の存在など、この作品独自の要素も数多くある。舞台は『EX』と同じく地底世界ラ・ギアス。ストーリーは二部構成になっている。
第1章 地上から召喚された少年マサキ・アンドーがサイバスターの操者に選ばれて成長し、仇敵シュウ・シラカワを追いかけて地上に舞い戻るまでを描く。『EX』では既にマサキと知り合っているキャラクターとの最初の出会いや、ラ・ギアス事件では姿を現さなかったキャラクター達も登場する。「マサキが何故シュウを追っているのか」「ザムジードの前任操者リカルドについて」「マサキがプレシアと義兄妹になった流れ」など、これまで断片的にしか情報がなかった部分もメインストーリーとして明確に描写されている。
第2章 地上での戦いを終えたマサキ達がラ・ギアスの動乱を収める戦いを描く。シナリオの分岐が多く、一部も含めたフラグ立てによってキャラクターの加入非加入や生死、ストーリー展開が大きく変化する。味方キャラクター達の殆どが必殺技を新たに編み出すが、分岐によってそれが変化したり修行する機会がなかったりする。
展開期
1999年の『スーパーロボット大戦 コンプリートボックス』を最後に、スーパーロボット大戦は一旦ウィンキーソフトの手を離れてバンプレスト主導で新展開をしていくこととなったが、その中で魔装機神は独自の展開を見せることになる。
『スーパーロボット大戦α/α外伝』(PS)
2000年に新シリーズとして産声を上げた今作品にも「魔装機神」は参戦した。が、過去作品で完成している設定とは別の、いわゆる「α設定」での参戦だったために、SFC版のファンからは不満の声が上がることもあった。
……と、語られる際は設定上のアラを指摘されることが多いが、注視するとベースとなる旧『第2次』・『第3次』と比較した場合、実は魔装機神勢のポジションはほとんどズレていない。シュウが関係しているDCが今作では表面上味方勢力だという点が多大に影響しているのではないかと思われる。
その後の『第2次α』『第3次α』には参戦していない。この件に関しては、『α外伝』の時点である程度のストーリーが消化できており、旧『第4次』におけるシュウの役回りもストーリー上不要だったためではないかと思われる。……とはいえ、流石に急な降板だったと言わざるを得ない。
アニメ『魔装機神サイバスター』
通称アニバスター。テレビ東京系で1999年に放送されたロボットアニメ。
風の魔装機神サイバスターや異世界ラ・ギアスだけを受けついだ全くのオリジナルの世界観で描かれた作品である。原作からあまりに乖離した内容や、作画崩壊も著しかったこともあって既存のスーパーロボット大戦ファンにはあまり評判が良くない。
黒歴史扱いされることもある。
主題歌「戦士よ、起ち上がれ!」は名曲としてアニソンマニアに知られている他
エンディングテーマは矢井田瞳がSEE SEEという名義で歌っているなど音楽面では以外と話題がある。
ラジオドラマ『魔装機神サイバスター』
やはり既存の世界観とはあまり関係のない作品。時代は21世紀より後で、世界は荒廃している。ニッポン放送のラジオ番組「アニガメパラダイス」内で流れており、CD化はされていない。まともな声優はナレーションの白石冬美だけで他の出演者は声優というよりはその卵達である。
低予算で作られていたと当時の番組スタッフのサイトで暴露されている。
『真・魔装機神 PANZER WARFARE』(PS)
1999年にプレイステーションで発売されたゲームソフト。世界観を一新しており、異世界ア・ゼルスを舞台としている。
菊池たけし作品。既存の魔装機神ともリンクした設定がある。詳細は真・魔装機神の項で。
『スーパーロボット大戦Z』にもカットインで少しだけ登場している。
『聖霊機ライブレード』(PS/DC)
こちらはウィンキーソフト開発のゲームソフト。2000年発売。元々は『LOE』の続編として企画されており、システムや世界観も似通っている。
続編である『ライブレード2』『ディスタンス オブ ディザイア』がウィンキーのHPで告知されていたが、未だに続報はない。2014年5月13日にはブラウザゲーム版の情報が告知されたが、2016年にウィンキーソフトが倒産したため続編共々実現は絶望的。
バンプレストとウィンキーソフトの確執疑惑
機体を受け継いだ『真・魔装機神』に世界観を受け継いだ『ライブレード』と、どちらも断片的に魔装機神をベースに持つ両者が近い時期に現れたことと、当時はバンプレストとウィンキーソフトの提携が解消されていたことなどから、版権の分裂状態にあるのではないかという憶測が生まれ、主流化していった。なお、この件に関して公式の見解としては寺田プロデューサーが「続編が出せないのは版権のせいじゃない」と、やや遠まわしに否定している。
オリジナルジェネレーション(OG)シリーズ
GBA発、スーパーロボット大戦シリーズのオリジナルキャラクターのみで構成したシリーズ。『OG1』は2002年に発売された。その中にはもちろんサイバスターの姿もあった。旧シリーズの『第2次』『第3次』部分に当たるストーリーが描かれたが、魔装機神に関連するストーリーはビアンとの決着、リューネとの出会い程度で本筋とは言い難かった。なお、『LOE』に登場していた「トーマス」というキャラクターが『OG1』に登場している(『LOE』で彼本人がDCに所属していたことを仄めかす発言をしており、それを知るファンへ向けてのサービスだと思われていた)。
その後『OG1』『OG2』はPS2に移植されることになる。その続編として2007年に発売された『OG外伝』ではシュウの行動がクローズアップされるようになり、旧『第3次』の隠しステージの再現まで行われた。それ以前に、『OG2』シナリオの中で以降の続編での旧『第4次』の敵勢力の襲来が確定的になっており、「トーマスの登場やシュウを倒させるイベントを用意してきたのは『魔装機神』復活の前触れではないか」という憶測も生まれた。
そして2012年発売の『第2次OG』では、前半はラ・ギアスが舞台になり(旧『EX』、及び『LOE』の「地上人召喚事件」「メモリアル・ディ」)、後半は旧『第4次』の敵勢力との対決がある等、『LOE』以前の旧シリーズのストーリーはほぼ完結している(謎はまだ残っているが・・・)。ちなみに『魔装機神』もOGシリーズの外伝として組み込まれたため、ストーリーは後述する『LOE』リメイク版から逆算する形になっている。
『OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』(DSリメイク版)
2010年5月27日、ニンテンドーDSソフトとして発売された。
OGサーガ(外伝作品)として、原作者である阪田雅彦氏監修の元に制作。基本的にはSFC版『LOE』のリメイクであるが、主な変更点として
- 戦闘画面の魔装機神が3Dモデルで描かれたほか、必殺技にはムービーが使用されているなど、戦闘の臨場感が増した
- 敵ステータス・戦闘計算式などはほとんど変わっていないが、2回行動や特技を覚えるタイミングが遅くなっており難易度の変化はマイルドに抑えられている
- 2画面になったことでゲーム内の情報が見やすくなる、戦闘カットや途中セーブなどのインターフェイスの改善
- 会話パートでは、イベントに応じて一枚絵が挿入されるようになった
- ↑に合わせて、「オプション」の項にCG閲覧と用語集が追加されている
- 時代に合わせた各キャラクターの設定の変化(ミオのファミリア、アハマドの設定など)
- 旧『第○次』準拠だった設定がOGシリーズ準拠に(デュラクシールのデザイン、DC戦争の設定など)なり、また旧『EX』で描かれた「地上人召喚事件」はOGシリーズを中心に起こったこととされた
- ↑に合わせて、「メモリアル・デイ」の描写も変更され、回想シーンでOGシリーズのキャラから一人ゲストで登場している
- 会話パートがいくつか追加されている(プレシアの母親について、シュウの母親についてなど)
などの違いがある。なお、旧『EX』『第4次』に当たる部分は上記の通り『第2次OG』にて展開された。
まさかの出張(『Another Century's Episode:R』)
リメイク版『魔装機神』においては、大小様々なシナリオの追加や変更部分があったのだが、その中に「メモリアル・デイ」のシナリオで、マサキの口から「(『EX』部分の開始の前に)寄り道をした」と語られる場面があった。
旧作の時系列に当てはめた場合、本来はインスペクター戦争の後はすぐにラ・ギアスでの戦いに移行する。そのため、この追加設定はサイバスターの他作品へのゲスト参戦の伏線ではないかと噂されていたのだが、2010年8月発売の『Another Century's Episode:R』に、プレイヤーキャラとして他のOG系のロボと共にサイバスターとマサキが登場した。
『OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD』(PSP)
15年ぶりの新作、『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD』(以下『ROE』)が発表された。機種はPSPで、2012年1月12日に発売。前作『LOE』と同様、制作はウインキーソフト、脚本は阪田雅彦が担当している。
なお、初回限定版として、リメイク版『LOE』のPSP移植版が同梱された『魔装機神Ⅰ&Ⅱ』も発売された。こちらではDS版の『LOE』を元にグラフィックなどがブラッシュアップされ、また今まで声のついていなかった前作キャラにボイスを搭載したものとなる。
『OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE』(PSP/PS3)
『ROE』が発売されて1年と7カ月が過ぎた頃、『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE』(以下『POJ』)が発表された。機種はPS3とPSvitaで、2013年8月22日に発売。『LOE』と『ROE』同様、制作はウインキーソフト、脚本は阪田雅彦が担当している。
なお、初回封入特典として、TVアニメ「スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター」版「ヴァルシオーネ」が使用可能になるプロダクトコードが同梱、完全新規の専用アニメーションになっているだけでなく、本来「ヴァルシオーネR」が使う武器も使用可能なオリジナル要素も追加されている。また、発売記念として『LOE』と『ROE』のダウンロード版が販売された。
『OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END』(PS3)
『POJ』が発売されて僅か1年足らずで『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END』(以下『COE』)が発表された。機種はPS3で、2014年8月28日に発売。本作は魔装機神シリーズ最終作となる。
なお、数量限定特典として、『POJ』と今作に登場するロボットの戦闘シーンを見る事ができる(『COE』の分は味方が本編で使用した武器から閲覧が可能となる)。
時系列
魔装機神の時系列は大筋でスーパーロボット大戦シリーズとリンクしていた。「旧シリーズ(第4次)以降、魔装機神の参戦が限定的になっていた背景には本家シリーズとの時系列リンクが問題になっていた」と寺田プロデューサーから語られている(版権問題が囁かれていたが、これは上記の通り否定されている)。
旧シリーズ
LOE第1章→第2次→第3次→EX→第4次/F→LOE第2章
αシリーズ
(LOE第1章)→α(旧第2次・第3次相当*)→α外伝(旧第3次・EX相当*)→?(以降音沙汰なし)
*DC版『α』において追加されたルートで旧『第3次』のある場面を再現したシナリオがある。
また『α外伝』においても旧『EX』での内容を一部再現した物がある(ザムジードのパイロットなど)
OGシリーズ
新約LOE第1章→OGs(旧第2次・第3次相当)→OG外伝(第3次相当)→ACE:R(ゲスト参戦?)→第2次OG(EX・第4次相当)+OGダークプリズン→新約LOE第2章→魔装機神ⅡROE→魔装機神ⅢPOJ→魔装機神F COE(完結)
関連動画
関連項目
- サイバスター
- ガッデス
- グランヴェール
- ザムジード
- グランゾン
- ゼルヴォイド
- ヴァルシオーネ
- スーパーロボット大戦
- アハマドさん
- プレシア
- サフィーネ・グレイス
- サキト・アサギ
- 晨明旅団
- ラ・ギアス7大超兵器
- 偽装機神(ファン製作のMAD)
外部サイト
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