鳥嶋和彦とは、漫画雑誌編集者である。集英社専務取締役、白泉社代表取締役社長・会長を経てブシロード社外取締役を歴任。
概要
1952年、新潟県小千谷市に生まれる。
1976年、慶應義塾大学を卒業し集英社に入社。
2004年、集英社常勤取締役。
2008年、小学館集英社プロダクション取締役。
2009年、集英社常務取締役。
2010年、集英社専務取締役。
2015年、白泉社代表取締役社長。
2018年、白泉社代表取締役社長。
2021年、白泉社顧問に就任。
2022年、白泉社顧問を退任し、ブシロード社外取締役に就任。(現任)
週刊少年ジャンプの名物編集者。
鳥山明の担当として、『Dr.スランプ』や『DRAGON BALL』を立ち上げたことで知られる。
1996年~2001年には同誌の編集長を務め、この時代には『ONE PIECE』『NARUTO』などを開始させている。編集長退任後は週刊少年ジャンプ編集部、月刊少年ジャンプ、Vジャンプ等を統括する第5編集部の部長に就任し発行人を務めていた。その後ジャンプ編集部時代からのIP活用の辣腕さを見込まれ取締役や小学館集英社プロダクション取締役に就任。集英社専務取締役を最後に集英社を退社し、関連会社の白泉社の立て直しを任務と見込まれ白泉社代表取締役社長に就任。編集者や漫画家に面談を重ねたという。
数々の名漫画(代表:Dr.スランプ、ドラゴンボールetc)、名RPG(代表:ドラゴンクエスト、クロノトリガー)の立役者ではあるのだが、鬼の編集者としても有名で、意に沿わない内容であれば、容赦なく「ボツ!」の一言で書き直しをさせるという、ジャンプ漫画家の恐怖の代名詞的な存在だった。また、Vジャンプを立ち上げた人物でもあり、Vジャンプの初代編集長に就任している。
そのインパクトの強さ故か、『Dr.スランプ』のDr.マシリトを筆頭に彼をモデルにしたキャラクターも多数登場している。
概ね悪役で憎らしい性格なのはなぜだろうか。なお鳥嶋本人はラブコメ好きらしく、担当した漫画にもラブコメ要素を出そうとしていた。
ゲーム好きでブームやヒット商品を見抜く分析、先見性の鋭さや後述の桂正和と鳥山明への魔改造を見ると、集英社専務・白泉社社長にまで出世したのも当然と言えるだろう。
関連商品についても原作内容に沿っているか作品価値を落とさないか厳しくチェックしておりその逸話がインタビュー等で語られている。(なお実写映画のドラゴンボールEvolutionは製作に巨額の出資が出来なかったため脚本に関与できなかったという反省も語られている)
2023年7月には漫画技術指南やノウハウを詰め込んだ『Dr.マシリト最強漫画術』(発売は集英社)を執筆し、鳥山明も協力している。
桂正和と鳥山明
ヒーロー物から恋愛物(電影少女、I'S)へ路線変更させて人気作家になった桂正和はジャンプの読者にとっては有名な話であろう。
鳥山明の場合はより深く鳥嶋が関わっており、Dr.スランプとドラゴンボールの大ヒットに多大な貢献をしている。『Dr.スランプ』では、当初則巻千兵衛が主役として描かれる予定であったが、鳥嶋の強い意向により女の子タイプのロボットのアラレを主人公とする漫画へと変更した。当時の少年向けギャグ漫画と言えば男性キャラが主人公であるのが当たり前の時代であり、当時としてはパッと見「少女漫画?」とも受け取られかねないような「冒険」とも言える決断であったが、本作品の大ヒットにより今では当たり前のように存在する「かわいい女の子キャラが主人公の少年向けギャグ漫画」の嚆矢となった。
ドラゴンボールの場合も同様であり、多数の指示を出していたらしい。
鳥嶋がモデルやネタになったキャラクターの一覧
- Dr.マシリト
『Dr.スランプ』に登場する悪役。詳しくはDr.マシリトを参照。 - ピッコロ大魔王
「ドラゴンボール」の初めての大ボス。
鳥山本人は直接のモデルは(鳥嶋からのアドバイスにより)ローマ皇帝ネロ(暴君ネロ)としているが、無意識に鳥嶋をモデルにしていたかもしれないと述べている。 - トリシマン
『ラッキーマン』に登場した宇宙の取締役。
また、バクマンでもこのキャラをモデルにしたであろう取締マンというキャラが会話の中に登場している。 - 嶋鳥和彦
『幕張』に登場した、幕南高校の柔道部員→野球部員。 - マトリフ
『ダイの大冒険』に登場した、かつて勇者アバンの仲間として戦いに参加した大魔導士。顔とネーミングは、鳥嶋をモデルとしている。 - キングボンビー
『桃太郎電鉄』でおなじみの凶悪キャラクター。
さくまあきら氏のコメントで、容赦の無い性格のモデルが鳥嶋であることが語られている。 - マユナシ
『犬マユゲでいこう』に登場。
本作品では鳥嶋をモデルにしたキャラクターではなく、初代Vジャンプ編集長であった鳥嶋本人として登場している。眉毛が薄いことからマユナシと呼ばれている。
また、本作品では彼が『ドラゴンボール』に登場したピッコロ大魔王のモデルでもあるとされ、ビームや魔貫光殺砲を放っているシーンもある。 - 魔死利戸毒多(ましりと どくた)
『そしてボクは外道マンになる』に登場した平松伸二の担当編集。
半フィクションなので誇張などは入るが、平松に対する厳しいダメ出し等を行う一方で「ドーベルマン刑事」のテコ入れ策として新たなヒロインを提案したり、平松自身へ人生のアドバイスを送るなど厳しさと優しさを持ち合わせている。
関連動画
関連項目
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