概要
動物報恩譚物語の一つで、見るなのタブーの典型として知られる。
「何か良いことをすると、必ず自分に良いことが返ってくる」という教訓交えの話であると考えられているが、実際は「動物を助ける優しさを持ちながらも、唯一の約束さえ守れない愚かな人間」の複雑な心理を表しているという説もある。
一般的に知られる鶴の恩返しは、戯曲作家の木下順二が発表した「夕鶴」という物語が原作になっている。
この話では、鶴を助けたのが青年「与ひょう」、鶴には「つう」という名前が与えられ、鶴の正体を暴くための配役が加わるといった違いがある。
ストーリー
ある寒い雪の日、おじいさんが町に薪を売りに出かけると、猟師の罠にかかって苦しんでいる鶴を見つけ、かわいそうに思ったおじいさんは罠から逃がしてやった。
するとその夜、道に迷ったので一晩泊めて欲しいと美しい娘が夫婦の家へやって来た。
夫婦は快く迎え入れ、娘はどこにも行く宛がないというので、それならわしらと一緒に暮らそうと、娘は夫婦の家で暮らすことになった。
その後孝行して夫婦を助けていた娘だったが、ある日部屋にこもり、しばらくするととても美しい布を織って出てきた。おじいさんはこれを町に持っていくと、その美しさがたちまち評判となり布は高く売れるようになった。そして娘が作る布のおかげで、夫婦は裕福になった。
しかし、「絶対に中を覗かないで下さい」と夫婦に言い渡して部屋にこもる娘が、三日三晩不眠不休で布を織ることで日に日にやつれていくので、夫婦は心配してついに機織りしている娘を覗いてしまう。
するとそこには、一羽の鶴が自分の体から羽を抜いて布に織り込んでいた。
娘は夫婦に気がつくと、命を助けていただいた恩返しに来ましたが、もうお別れですと告げ空へ飛び去っていった。
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関連項目
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