名古屋市営地下鉄鶴舞線とは、上小田井駅~赤池駅を結ぶ名古屋市交通局の地下鉄路線である。
上小田井駅からは名鉄犬山線、赤池駅からは名鉄豊田線と相互直通運転を行っている。
概要
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名鉄線との相互直通を前提として建設された路線なので、線路や車両の仕様を名鉄のものに合うように設計されており、鶴舞線を走る車両にはすべてM式ATS(直通先で使用)を搭載している。
犬山線は犬山駅までの21.4km、豊田線は豊田市駅までの16.6kmを相互直通運転している。
上小田井駅のみ高架駅となっており、庄内緑地公園駅から赤池駅は地下駅となっている。また、赤池駅は日進市に位置しており、名古屋市営地下鉄で唯一の名古屋市以外にある駅である。
上小田井駅は管轄が名鉄となっていることも一因し、他の名古屋市営地下鉄の駅とは設備が異なる点が多い。
ほぼすべての駅が壁が黄色のタイル張りになっているのが特徴。
接近メロディの曲名は赤池方面:「サンライト」、上小田井方面:「ファンタジー」である。
路線データ
運用
深夜の最終列車を除き、基本的に線内は通して運行される。平日は毎時8本,休日は毎時6本の割合で、平日朝ラッシュ時は最大で毎時15本程度となっている。
運転間隔は、平日朝ラッシュ時で4分、夕ラッシュ時で5分、昼間時で7.5分となっている。
名鉄豊田線直通
平日、休日ともにだいたい毎時4本の割合で直通列車の豊田市行きが運転され、朝夕に本数が若干増減する。普通列車(各駅停車)のみの運行である。
名鉄豊田線内のみの運用は現在なく、豊田市駅からの列車はすべて鶴舞線直通で上小田井駅までは運転され、逆に豊田市駅へ向かう列車は鶴舞線からの直通列車である。
なお、厳密には名鉄豊田線とは赤池駅~梅坪駅の区間であり、梅坪駅~豊田市駅は名鉄三河線の区間となっているが、案内では「名鉄豊田線直通」のように統一されている。
名鉄犬山線直通
直通開始当初は毎時4本の割合で直通列車が存在していたが、ダイヤ改正を重ねる毎に規模が縮小され、現在は平日昼間で毎時1本の岩倉行き(休日は2本)があるのみである。ただし平日朝ラッシュ時には上小田井駅から急行に変わる直通列車(犬山行きと岩倉行き)が若干本設定されていて、こちらは近年増便される傾向にある。
しかしながら犬山線直通列車の待遇はあまり良いものではなく、「『普通列車岩倉行き(鶴舞線経由)』が『普通列車岩倉行き(名古屋経由)』より後に発車する」ダイヤが設定されており、乗客が上小田井駅で普通岩倉行きから普通岩倉行きに乗り換えるという光景も見受けられる。
車両
鶴舞線を走る車両は1993年に名鉄犬山線との直通を開始する際にそれまで4両編成だった車両の6連化が行われた。そのために現在の前から3,4両目の中間車両に大きな特徴が見られる車両が多い。
名古屋市交通局の車両
- 3050形
1993年の犬山線直通開始と同時に登場したGTO-VVVFインバータ制御車。桜通線6000形の先行試作車を元に設計された。当初から6両編成で登場したが、6連化に際して余剰となった3000形が中間車に組み込まれた混成編成(3159H)が過去に存在した。 - N3000形
2011年に登場したIGBT-VVVFインバータ制御の新型車両。2012年3月16日に営業運転を開始。交通局車初のフルカラーLED方向幕と、桜通線6050形と同様のLCD案内装置「ハッチービジョン」が設置された。
2016年現在、7編成が在籍する。1次車のN3101Hは日立製作所製A-trainのアルミ車体、2次車N3102Hは日本車輌製のステンレス車体で、前者は後者に比べて車体が白みがかって見える。また、1次車と2次車では先頭部分の構造が若干異なる。
名古屋鉄道の車両
- 100系(200系)
名鉄豊田線との直通運転用の車両として登場。名鉄ではおなじみの赤い電車。18m3扉車が一般な名鉄にとっては珍しい20m4扉車である。製造が長期に渡ったために登場した時期によって制御方式が異なり、抵抗制御、界磁添加励磁制御、VVVFインバータ制御の3種が存在する。
4両編成の時代に登場した抵抗制御車(111F~115F)と界磁添加励磁制御車(116F、211F~214F)は1993年の6連化のときに新造されたVVVFインバータ制御の中間車を含んでいる。6連化以後に登場した1編成(215F)はVVVFインバータ制御のみの編成である。
交通局が老朽化しつつある車両を新型車に置き換える一方で、名鉄は車両を延命工事することでこの問題に対処することとなった。そのうち111F~115Fの5編成は既に工事を終えて運用に就いている。 制御装置変更(抵抗→IGBT-VVVF)、ドアチャイム設置(何故かJR東海のものと同じ音)、つり革の更新(円形→三角型)、LED照明(111Fのみ)の設置など、足回りのみならず内装にも手が加えられた。ところが、111Fの3,4両目(6連化の際の新造車)は足回りを含め殆ど手が加えられず、ドアチャイムも鳴らなければつり革も更新されなかった。
また、名鉄電車の方向幕は殆どがゴシック体ベースの新しいものに更新されているのに対し、本系列は旧来のものを今も使い続けている。
過去の車両
- 3000形
1977年の鶴舞線開業の時から2023年2月9日のラストランまで、およそ半世紀近くもの間鶴舞線を走り続けた、交通局最後の非VVVF車。制御方式は電機子チョッパ制御。
当初は4両編成だったが、後に6連化を行ったとき、中間車を製造をせずに既存の4両を2両に分割してそのまま中間車に組み込んだため、各編成の中間車には先頭車だった時代の運転席が今も残されている。このとき、3000形が2両余剰となったが廃車にならず、6連化と同時に登場した新型車の3050形の中間車に組み込まれた。
老朽化のためN3000形による置き換えが進み、2023年2月9日の3114編成ラストランをもって営業運転から離脱。
駅一覧
駅番号 | 駅名 | 営業キロ | 【】乗り換え、○主な周辺施設、備考 | 所在地 | |
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T01 | 上小田井駅 かみおたい KAMI OTAI |
0.0 | 【名古屋鉄道】犬山線(IY03)(直通列車あり) 【東海交通事業】城北線(04:小田井駅) ○MOZOワンダーシティ |
名 古 屋 市 |
西区 |
T02 | 庄内緑地公園駅 しょうないりょくちこうえん Shonai Ryokuchi Koen |
1.4 | ○庄内緑地 | ||
T03 | 庄内通駅 しょうないどおり Shonai-dori |
2.7 | ○イオンタウン | ||
T04 | 浄心駅 じょうしん Joshin |
4.1 | ○野田塾 | ||
T05 | 浅間町駅 せんげんちょう Sengen-cho |
4.9 | ○名古屋城 ○愛知平和記念館 | ||
T06 | 丸の内駅 まるのうち Marunouchi |
6.3 | 【名古屋市営地下鉄】桜通線(S04) ○名古屋商科大学 大学院 |
中区 | |
T07 | 伏見駅 ふしみ Fushimi |
7.0 | 【名古屋市営地下鉄】東山線(H09) ○御園座 ○伏見ミリオン座 ○名古屋市科学館 ○電気文化会館 ○名古屋市美術館 ○三井住友海上しらかわホール |
||
T08 | 大須観音駅 おおすかんのん Osu Kannon |
7.8 | ○大須観音 ○大須商店街 | ||
T09 | 上前津駅 かみまえづ Kamimaezu |
8.8 | 【名古屋市営地下鉄】名城線(M03) (名港線直通列車含む) ○OSU301 ○第1アメ横ビル ○万松寺 |
||
T10 | 鶴舞駅 つるまい Tsurumai |
9.7 | 【東海旅客鉄道】中央本線 ○鶴舞公園 ○名古屋市公会堂 ○鶴舞中央図書館 ○名古屋大学 鶴舞キャンパス |
||
T11 | 荒畑駅 あらはた Arahata |
11.0 | 昭和区 | ||
T12 | 御器所駅 ごきそ Gokiso |
11.9 | 【名古屋市営地下鉄】桜通線(S10) ○昭和区役所 ○西友 |
||
T13 | 川名駅 かわな Kawana |
13.1 | |||
T14 | いりなか駅 Irinaka |
14.1 | ○南山大学 名古屋キャンパス ○喫茶マウンテン | ||
T15 | 八事駅 やごと Yagoto |
15.0 | 【名古屋市営地下鉄】名城線(M20) ○名城大学 八事キャンパス ○八事霊園 ○味仙 ○イオン八事店 |
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T16 | 塩釜口駅 しおがまぐち Shiogamaguchi |
16.4 | ○名城大学 天白キャンパス ○洋食工房パセリ | 天白区 | |
T17 | 植田駅 うえだ Ueda |
17.6 | |||
T18 | 原駅 はら Hara |
18.4 | |||
T19 | 平針駅 ひらばり Hirabari |
19.3 | ○平針運転免許試験場 ○名古屋市農業センター ○店麺多房あいうえお |
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T20 | 赤池駅 あかいけ Akaike |
20.4 | 【名古屋鉄道】豊田線(TT07)(直通列車あり) ○名古屋市交通局 日進工場 ○プライムツリー赤池 |
日進市 |
丸の内駅には鶴舞線と桜通線を結ぶ連絡線がある。主に桜通線の車両が大規模なメンテナンスを受けるときに日進工場まで回送するために使われている。また、かつて交通局のイベントでこの連絡線を利用して、3050形が桜通線の丸の内駅ホームに入線したことがある。
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関連動画
関連項目
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