麻枝准とは、key所属のシナリオライター、作詞家、作曲家、音楽プロデューサー、小説家である。
概要
1975年1月3日生まれ。三重県伊勢市出身。本名は表記違いで前田純。通称「だーまえ」。血液型O型。
優秀なシナリオライターであり作曲家としても名高い類稀なる人物である。自身を「ゲーム屋」と呼び、面白いゲームを作ることに拘りがある。
好物は納豆(カレーやカップヌードルのカレー味にもかける)、松屋のカレー牛(カレー牛を考案した人を尊敬している)、ケンタッキー・フライドチキン、ジャイアントコーン、油そば、皿うどん、天下一品のこってりなどと本人がいうが、かなりの偏食家でありハマると毎日同じものを食べ続ける。
京アニ版『kanon』のオーディオコメンタリーでは、沢渡真琴シナリオが自分の中で特別なものであり、今後これ以上のシナリオは書けないのではないだろうか、自分のゲームで泣くシナリオライターが他に居るのかはわからないが、家でドリームキャスト版『kanon』を遊んで真琴シナリオで号泣したと語りつつも、作品に関係のない皿うどんの話を延々と続け、話題が本編に移ったと見せかけて「じゃあ、皿うどんの話に戻ります」というほどハマっていた。皿うどんはパリパリの麺がお菓子感覚で好きで、餡とよく混ぜて麺をふやかして食べる人には強い反感を抱いた。正月の間中、コンビニの唐揚げ弁当を食べ続けた逸話もある。
ところがアニメ『神様になった日』の制作に入ってからは、アニプレックスから高級で健康的な食事を提供されている模様。自分以外の者と一緒に食事を摂ることは年に1度あるか無いかという。お腹が弱く下痢が持病だと述べている。
ユーザーの作品に対する反応を何よりも楽しみにし、電子掲示板に貼り付いてF5を連打していたり、SNSでエゴサーチをしていることを広言するが、本人にしか伺い知れぬ理由で自身のアカウントを消し、消息不明になることは度々ある。アニプレックスの鳥羽洋典からはTwitterには向いていないと助言されている。
麻枝は我社のトップクリエーターで、次世代を切り開く存在だと認識しております。同時に実に厄介な人間で、思い込みが激しかったり落ち込んだり癇癪を起こしたりもする。まぁ世話がかかります(笑)。でも、それはひとえに彼の感受性の高さによるもので、だからこそ繊細で深いキャラクターを生むことができる。普通の人だったら、ただ目の前を通り過ぎていくだけのものからも人生を感じたり、家族を感じたりもする。同時に苦悩の高さも倍化されていて、それには同情するばかりです~(略)~。
略歴
小学生のころ、口の腫れ物で長期通院のため退屈をしていると、それを察した母親から通院のたびに一冊、ゲームブックを渡されて夢中になる。特に『暗黒城の魔術師 』『ドラゴンの洞窟 』が面白かったと述べている。そのうち自分でもゲームブックを書くようになり、友達に遊んで貰って楽しむようになった。その頃『マイコンBASIC』誌を読みながらプログラミングを学び、兄のパソコンを借りて簡単なゲームを作るようになる。やがて麻枝がハマったB'zやTM NETWORKに影響を受け独学でパソコンに音を打ち込んで作曲もするようになった。そして小学6年生のとき『マイコンBASIC』誌の連載コーナーで、栗本薫のファンタジー小説『グイン・サーガ』を知りファンタジーにどっぷりハマり夢中になった。
三重高等学校から中京大学心理学科に進学すると、大学の友人の吉田信彦と音楽ユニットを組み、2枚のフルアルバムとベスト盤を制作することになる。パソコンでの打ち込みが得意だったので、「ピコピコの麻枝」としてある程度名が通るようになっていた。部活はバスケットボール部に所属し、オタク趣味にはさほど詳しいわけでもなくアニメなどには疎かった。また小説を書いて『ザ・スニーカー』誌のコンテストや誌上トライアルコーナーに投稿し続けるも佳作止まりであった。卒業論文の共同執筆者から影響を受けテクノ を聞き始める。
麻枝は作曲には自信があり、仕事はゲーム音楽家を志したが、憧れていた日本ファルコムやカプコンなど数社の選考を受けるも、音楽理論にはまるで無知であったため全て不採用となった。就職先が決まらないまま夏休みを迎え、このままでは望まない仕事に就かざろう得ないことに危機感をいだき、急遽シナリオライター志望に転向することを決意。しかし、一般ゲームの会社は、ライターでも就職は難しそうなのでアダルトゲーム制作会社を狙い、母親に就職に繋がることをやっているのかと訝しまれながら、隠れてエロシナリオを書いていた。
美少女ゲーム業界最大手のアリスソフトに合格を貰ったが、大手では即戦力として使われ競争には生き残れないと感じ、あえて社員として育ててくれそうに感じた、当時マイナーなメーカーであったscoopに就職するも、開発環境への不満と社風に合わないことを感じ『カオスクィーン遼子 STORY#1 二宮美依編』(『お嬢様を狙え!! Get Lady!!』も手伝ったと思われる)で担当シナリオを仕上げると、僅か2ヶ月で退職。その後、当時scoopよりもさらにマイナーなソフトハウスであったネクストンに入社。ネクストンでは同社のブランド、タクティクスで『MOON.』『ONE ~輝く季節へ~』の企画・原案・脚本を担当。高い評価を得た。
しかし『ONE~輝く季節へ~』の制作時、半年以内でゲームを完成させるという社の方針を破ってしまい、スタッフたちは苦境に立たされる。彼らの上司は納期を守らせるためにシナリオと原画の間に介入してくるようになったのだが、麻枝はこのままでは自由にゲームを作ることが出来ないと感じ、理想の開発環境を求めて共にゲームの開発に携わった久弥直樹、樋上いたる、みらくる☆みきぽん、しのり~、折戸伸治ら5人を引き連れタクテクスを退職、自分たちを雇ってくれる会社を探し、やがて以前ビジュアルアーツの社員であった樋上いたるの紹介で、ビジュアルアーツに入社しKeyを立ち上げた。
Keyに活動を移してからも大ヒット作を世に送り続け、ゲームクリエーターとしてとその名を高める事となる。
keyの処女作『kanon』を作り終えたあとは、ビジュアルアーツ内で自身の新ブランドの立ち上げを試みるも、ちょうどその頃、久弥がkeyから脱退の意向を表明し、馬場社長からこのままではkeyからシナリオライターが誰も居なくなってしまうため、せめて後進を育ててから移籍してくれという説得があり、keyスタッフたちの間で麻枝と久弥のどちらの残留を望むかが話し合われたが、スタッフたちは麻枝を選び、久弥はkeyを去ることになり、麻枝はブランドの第二作目の完成までkeyに一時的に残留することになった。こうして制作されたのが『AIR』であった。
麻枝は『AIR』に続くkeyの第三作目となる企画には、一切口を挟まないつもりであったが、他から出される企画に不甲斐ないものを感じ、個性的で人によっては入りにくい作品となった『AIR』よりも、多くのkeyファンに受け入れられるエンターテイメント作を目指し『CLANNAD』の制作を開始する。だが同作の制作は非常に難航し、key開発チーム内での人間関係の悪化や発売延期が繰り返される事態となった。2004年『CLANNAD』の開発中、麻枝はファンタジー漫画『ヒビキノマホウ』(画:依澄れい)の原作を担当。これには疲れ切った心を癒やされる。
『CLANNAD』は4年近くの開発期間を経て2004年4月28日PC版が発売された。同作は圧倒的な人気を得て感動系ビジュアルノベルゲームの金字塔となった。
次の企画『リトルバスターズ!』は、新人のシナリオライター都乃河勇人の育成も兼ねて企画された。『CLANNAD』よりもさらに娯楽性を追求し、面白さで上回る作品を目指した。麻枝は自分はどうも萌キャラを作るのは苦手だとわかったとして、萌の専門家たちの協力を仰ぎ、自らは主人公とメインヒロイン、幼馴染の二人のシナリオに注力し、自分のキャラと他のライターの担当するヒロインが絡むときに、それを調整するという旨を雑誌『メカビ』Vol.2でのインタビューで述べていた。
麻枝は同時に『CLANNAD』の開発終了後の空いた時間に、個人的な趣向を全面的に反映させた作品である『智代アフター〜It's a Wonderful Life〜』を手掛ける。同作は2005年11月25日にPC版が発売された。これが麻枝が自身で声優のデレクションを行った初の作品となり。全年齢対象であった前作『CLANNAD』では描けず不満のあったアダルトシーンを盛り込み、それ単体でも十分商品レベルとなるようなシュミレーションRPGが付いた意欲作であった。同作の反響と麻枝の反応は、下記の項目に詳しい。
2007年7月27日に『リトルバスターズ!』が発売。翌年その18禁版作である『リトルバスターズ!エクスタシー』が発売された。
この『リトルバスターズ!エクスタシー』でシナリオライターとしては一区切りとした上で、『Rewrite』では、QC(クオリティ・コントロール/制作監督)と、音楽のみを担当した。これからは後進のシナリオライターを育て、Keyを裏方として支えていく旨を表明し、京都アニメーション版『kanon』のオーディオコメンタリーでは、ゲーム制作において最も難しいのはQCである。企画者はシナリオを書いてはいけないとまで語っていた。
だがこれらの発言が、ファンの間で麻枝のライター引退との喧伝がされたことに驚き、次は誰かに任せますくらいの気持ちで語ったつもりであり、ゲームのシナリオライターとしても引退したつもりは無い旨を本人は語っている。
2010年、『Angel Beats!』で初のアニメの原作・脚本に挑戦した。この作品は麻枝准のシナリオをアニメで完全再現することをテーマに作られた。
2010年11月に京都大学で行われた講演会では『Angel Beats!』のゲーム化を宣言した。だが完成までの開発期間は5年という概算が出たことで、馬場社長の提案により分割で発売されることになり、2016年、ゲーム『Angel Beats! -1st beat-』発売。全6作で完結するシリーズでの発売としたが、プロジェクトは凍結状態となりコミック『Angel Beats! Heaven's Door』11巻の後書きで、『2nd』の発売の目処が全く立っていないことを公表。「思いはそのコミック(『Angel Beats! -The Last Operation-』)に託す」と述べた。
2015年、自身のオリジナルアニメとして第二作目となる『Charlotte』を発表。
2016年、かねてから体調不良を訴えていたが、2月29日にTwitter(旧アカウントは削除済み)で入院する旨をツイート。難病の特発性拡張型心筋症を患っており、その後、第一種身体障害者心臓機能障害一級となったことを公表するとともに、心臓移植が不可避の状態にあることを明らかにした。同時に、元来のうつ病の影響で、仕事以外への関心が薄いため、仕事に復帰することが望ましいと診断されたことも語った。胸の手術によって肺活量が落ちてしまい、シンガーソングライターとしてステージで歌う夢も絶たれた。 その後も自身の状態を精神病のデパート、自律神経が狂いまくっていると述べ、健康状態はけっして良くないことを明らかにしている。
入院の前から熊木杏里からオファーがありオリジナルアルバムの制作を開始、入退院を挟みながら完成させ、2017年7月、『Long Long Love Song』を発売する。
同年『Rewrite』から久しぶりとなる大型作品『Summer Pockets』では原案と音楽を担当。サウンドユニット「Satsubatsu Kids」を結成。コミックマーケット93にてアルバム『Hikikomori Songs』を発表、2018年5月に一般流通盤『Hikikomori Songs』を発売する。
2019年11月28日に原作・メインシナリオを手掛ける完全新作となるゲーム(スマートフォン・ゲームのRPG)『Heaven Burns Red』が発表された。
2020年10月10日より放送のアニメ『神様になった日』で原作・脚本を担当した。
2021年3月23日、講談社より初の単行本小説となる『猫狩族の長』が発売予定とあったが、これは出版社のお漏らし事故であったのか、後日消されてしまった。が、4月13日、keyより正式に発表され、5月17日という発売日が明らかとなった。それと同時に公式サイトもオープンしている。
シナリオライターとして
シナリオで泣かせるという事に注目しており、久弥直樹と共に『ONE 〜輝く季節へ〜』など、泣きゲーといわれる作品を生み出し、後のADVに大きな影響を与えた。
泣き要素として、麻枝が手掛けたシナリオには必ずと言っていいほど死が題材とされる。とはいえキャラを安易に死なせてしまうことに関しては、本人も気にしている様子である。主要人物がはじめから死亡しているという手法も使っている。
しかし麻枝自身は人を泣かすことよりも、笑わすことを得意としているという旨を過去何度となく語っている。
シナリオライターとしてゲームを作りたいってのは別にそういう感動できるとかいうゲームじゃなく、なんか面白いゲーム、エンターテイメント性の高いゲームっていうのをこう作りたくて、
結構こう、業界に入ってきた人間なんで。
ビジュアルアーツ社長の馬場は、麻枝は本来幻想的なファンタジー世界を描くことを得意としており、人を萌えさせるキャクターをつくることは苦手としていた旨を語っていた。麻枝はその逆にリアルスティックな表現を得意とし、キャラクターを立てて萌えさせる久弥のシナリオを研究することで、これを取り入れた。
麻枝に「keyとは何か?」「keyとは自分にとって何か?」と問うと「泣けること」「キリストにとっての十字架」と答えている。泣けるゲームを作り続けるという重い十字架を、久弥から託されたと感じている旨も語っているが、逆に久弥は麻枝が居なければ泣きゲーは無かった旨のことを述べている。
keyらしさには他にも余人のわからぬこだわりがあるらしく、『AIR』のSUMMERA編の初稿において登場人物が人を殺すシーンがあった際、それはkeyらしくないと却下した。なのでヴァイオレンスシーンや大量殺人などの残酷な描写も目立つ『Rewrite』においては、メインライターの田中ロミオのシナリオに異議をとなえ、田中の意向を押し通した都乃河勇人には苦々しい思いがあったことを語っている。
テーマとして「人と人との絆」を取り上げる事が多い。特に家族愛については最初期の作品から描かれている。その反面、いわゆる美少女ゲームと呼ばれる作品であっても、性的描写に重点を置く事は殆どない。
過酷な現実の中でも負けずに何が何でも立ち向かい、生きていかねばならないというポリシーがあり、作品にも反映されている。『ONE 〜輝く季節へ〜』において、トラウマを抱えた主人公が、やがて消えゆく先として「永遠の世界」という設定を置いたが、それも永遠などではなく1年足らずで終わり、後年の『リトルバスターズ!』でも現実逃避は永遠に続かないことを描いている。
小説家の村上春樹から強い影響を受けたと広言しており、特に高校生の頃『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んだことによりその後人生が変わり、自身の作風にも大きな影響を与えたと語っている。
美少女ゲームは蛭田昌人や菅野ひろゆきの作品を好んで遊んでいた。高橋龍也のシナリオによるLeafの『雫』『痕』『To Heart』を研究したという。一般ゲームはRPGを遊ぶことを非常に好んでおり、自分でもRPGを作ってみたいと長年の間希望していた。『MOON.』『智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜』では本編のおまけでRPGを制作している。
創作の傾向としては『リトルバスターズ!』で主人公の直枝理樹にも言わせているように、全く関係のないものを組み合わせてみようというものがある。要するに理不尽さ、ナンセンスさの追求である。それがギャグ方面に向かうと唐突かつハイテンションな展開となり、シリアス方面に向かうと怒涛の急展開による感動シーンとなる。意外性を出すためなら、全く話の伏線を張らないということすら平気で行う。当然、読む人を選び、特に『智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜』での急展開はこれぞ麻枝の真骨頂と崇めた者と、唐突で無茶苦茶であると、こき下ろした者の真っ二つにわかれた。『AIR』でも従来のkeyユーザーを突き放す作品を意図したが、こちらは多くに受け入れられた。
麻枝いわく、自身のシナリオは泣かせるスイッチがひとつだけだと、作動しなかったときが怖いので伏線をいくつも用意しておく、『Kanon』の真琴シナリオなどがそうであるように、質より量で攻めるイメージで、悲しいシーンを長くすることでユーザーに感情移入してもらうようにしている旨も語っている。
『智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜』でのこき下ろしは、麻枝はユーザーから批判されることはあえて承知で、ストレートに家族愛と上記にあるポリシーに沿ったストーリーを描き、また作品の尺が短か過ぎたためプレイヤーの多くが感情移入出来ず、バッドエンドとも思われる結末に激しい非難が殺到したものであったものと思われる。あまりにも悪評が蔓延したため同作は大量に売れ残り、一時、中古でも買取は拒否され、新品がワゴンセールで1000円以下で販売される事態となった。
麻枝はこの失敗にショックを受け2ヶ月間の休職に追い込まれたが、CS化に際し同作が加筆修正され一般的な評価が高まったことで、概ね満足したようである。
キャラ造形においては、モデルにしたキャラと全く別のキャラを作ってしまうことも知られている。アスカ・ラングレーから沢渡真琴を作り、セーラーマーズから川澄舞を作り、藤林杏のようなツンデレを作ろうとして棗鈴や朱鷺戸沙耶ができてしまい、天城雪子からゆりっぺを作り、両儀式から天使ちゃんを作るという、いずれも、どんな工程を踏めばそんなものができてしまうのかと、ファンは理解に苦しむものがあるという。
またシナリオライターとして久弥の事を大変尊敬しており、『kanon』や『Angel Beats!』に関する雑誌やテレビのインタビューでも度々、久弥について語っている。「自分にとって神・天才的存在」とまで発言しており、久弥がkeyを退職して数年経った後も「自分は一生keyのファンには認められない。彼を超える事は一生できない」とプレッシャーを抱えながら努力と勉強の毎日だったらしい。元々keyというブランドは久弥と樋上いたるにファンが付いたブランドだと感じていたが、逃げることなくkeyでゲーム制作に打ち込み長年プレッシャーと戦い続けていた。
『CLANNAD』を発表してからはようやくファンからの感想などにより自信が付き、「やっとkeyの一員として認められた気がした」と語っている。今においても麻枝にとって久弥は自分を凌ぐ天才的存在らしく、常に背中を追っかけているらしい。本人いわく久弥は自分にとっての「ソウルメイト」とのこと。久弥を自分のことを高めてくれるスピリチュアルな存在に感じている。ちなみに久弥も麻枝のことを大いに尊敬している。
これらのことは【麻枝准研究所「神様になった日」特設サイト】の記事、【「Soul Searching Journey」第1回 麻枝准・久弥直樹 同時インタビュー「彼らが見つけた“尊敬”のかたち」】に詳しく語られている。
作詞家・作曲家として
Key作品の主題歌やBGMの作詞・作曲を数多く手掛けている。
音楽は略歴にもあるとおりTM NETWORKやB'zなどを原点として聴き始め、趣味としてBASICで打ち込みなどを行う。大学時代には友人の中川泰誠(愛称:中川くん)とTM NETWORKのフォロワーバンド、「KIMELLA(キメラ)」を結成。中川をボーカルとして、自らはコーラス、作詞、作曲、編曲を担当、TM NETWORKテイストなアルバムを制作した。同じく大学時代の友人、吉田とも音楽ユニット「Sailing Ships」を結成しアルバムを制作した。
プロのサウンドクリエイターとしての麻枝は、Tacticsの『MOON.』の制作の時に、YET11に音楽もやってみたいと頼んだことに始まる。これには折戸伸治の協力もあった。
麻枝の楽曲は、「コードを作ってから適当にメロディを置いていく」という独特の作曲法(作曲中はギターやキーボードには触らない)により、頻繁に変拍子が使われ、メロディーでは広い範囲の音を使う、音楽理論からやや外れたメロディーラインを持つという特徴がある。そのために、ボーカル曲の場合、歌うのが難しいと言われてしまう事も多い。また、コード進行も麻枝節、麻枝リフレインとよばれ、聴く人に独特の郷愁感を与えるといわれる(麻枝本人は、ALchemyのサビに表れるような「Am→F→G→C」の黄金コードではないかとしているが、諸説あり)。
開発中シナリオに没入するための音楽の重要さも強調しており、エピックハウス、トランス、ロックはたまたロキノン系など聴くジャンルを問わず、起きている時間はずっと音楽を聞いて過ごすという。麻枝の生み出す作品の数々にその片鱗が見られる。
また作詞は、曲が良くなければ聴いてもらえないと述べ、曲が完成してから歌詞を考えるという。大江千里、遊佐未森などにも強く影響を受け、また彼独自の指向として、歌詞にしばしば「強さ」という単語を使うのも特長として挙げられる。坂本真綾の大のファンであるともいう。
BTの『Flaming June』をこよなく愛し、かつてあった麻枝のHPにその名を冠していた。『ONE~輝く季節へ~』の「永遠の世界」はここから来たと述べている。
有名な楽曲
- Last regrets『kanon』:作詞・作曲
- 鳥の詩『AIR』:作詞
- 青空『AIR』:作詞・作曲
- 渚『CLANNAD』:作曲
- 小さなてのひら『CLANNAD』:作詞・作曲
- 時を刻む唄『CLANNAD AFTER STORY』:作詞・作曲
- Light colors 『智代アフター ~It's a Wonderful Life~』:作詞
- Little Busters! 『リトルバスターズ!』:作詞・作曲
- Saya's Song 『リトルバスターズ!エクスタシー』:作詞・作曲
- My Soul,Your Beats! 『Angel Beats!』:作詞・作曲
- 一番の宝物 『Angel Beats!』:作詞・作曲
- karma 『dearly』:作詞:作曲
- 旅 『Rewrite』:作曲
- 渡りの詩 『Rewrite』:作詞・作曲
- CANOE 『Rewrite』:作詞・作曲
- Bravely You 『Charlotte(アニメ)』: 作詞・作曲
- Beat of the Night 『アイドルマスター シンデレラガールズ』:作詞・作曲
関連動画
関連コミュニティ
関連サイト
- keyオフィシャルHP
- Satsubatsu Kids [殺伐キッズ] - 麻枝准オフィシャルサイト
- 麻枝准研究室「神様になった日」特設サイト
- ErogameScape -エロゲー批評空間 (クリエーター麻枝准)
- leaf,key掲示板(5chの外郭掲示板pinkちゃんねるの掲示板 鍵っ子の巣窟 注意:18歳未満進入禁止)
関連項目
- シナリオライターの一覧
- Key
- ビジュアルアーツ
- 折戸伸治
- 久弥直樹
- 樋上いたる
- YET11
- Na-Ga
- 感じるマンゴー(麻枝のことを「感じるマンゴーさん」とも称する)
- 鹿せんべい(久弥をコントロールし、すのこを買いに行かせるキーアイテム)
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