黒板消しとは、学校でよく使われる、黒板の字や図などを消す道具である。
概要
その名の通り、黒板を拭いてそこにチョークで書いてある文字や図などを”消す”道具である。
決して、いたずらとして教室の扉に挟んで、先生の頭に落としてはいけない。
ホワイトボードの字を消す場合、『ホワイトボードクリーナー(白板消し)』が使われる。
材質は普通は上層がプラスチックで、布の取っ手があり(中にはないものもある)、中がスポンジに覆われ、外側を布で包んでいる。ホワイトボードクリーナーの場合、スポンジ状でメラミンなどの材質を使っている。
ラーフル
鹿児島県や宮崎県などでは『ラーフル』という。鹿児島県民が上京した際に『ラーフル取って』と言った場合、驚かずに素直に黒板消しを渡す必要がある。
この「ラーフル」という言葉については、国立鹿児島工業高等専門学校の職員だった「上村忠昌」という人物が調査して文書にまとめている。これは2014年現在、鹿児島県の小学校教師が運営するウェブサイト「ふるさと情報室」内で、html化されて紹介されている。
→ 「ラーフル」考
このhtml文書内には日付が記載されていないためいつごろの調査なのか不明だが、Internet Archiveの保存記録を見ると少なくとも2001年7月11日には既に存在したページのようだ。
この文書は興味深い内容が多いので一読の価値あり。「明治時代の大阪の小学校でラーフルと言う言葉が既に使われている」、「現在でもメーカーのカタログでは黒板消しの事を「ラーフル」と呼称しているケースが多い(※2018年現在も、Amazonで「ラーフル」で検索すると多数の商品がヒットする)」、「過去にラフルという名称を黒板消しの商標として登録しようとした会社があったが、ラーフルは一般名詞だという異議申し立てがあり却下された」などなどの一生使えるラーフル知識がモリモリ身に付く。
最終的に上村忠昌氏は、オランダ語「rafel」が語源で幕末の頃に伝わったのではないか、との推測に至っている(この文書内では「rafel」の発音については詳細な記載はないが、発音記号などを見ると少なくとも現代のオランダ語ではまさしく「ラーフル」と発音するようだ)。その結論に至った理由についても文書を参照されたい。
黒板ふきクリーナー
黒板消しは使うとチョークの粉で汚れていく。そのため頻繁に粉を落とす必要がある。2つの黒板消しを持ってお互いを叩き合わせる、棒で黒板消しを叩く、黒板消しを持って屋外の壁などに打ち付ける、等の方法で粉を落とす場合もあるが、まずもって自分も周りも粉だらけになる。黒板消しを壁に投げつけるという乱暴な方法なら自分は汚れないかもしれないが、黒板消しが破損する可能性がある。
そのため、黒板消しの粉を落とすための専用の器具、その名も「黒板ふきクリーナー」を使うことが推奨される。吸引するスリットが上に付いた台のようなもので、黒板消しをこのクリーナーの上に乗せて前後に何度も通すとスリットから粉が吸引されるしくみである。
「ん?『黒板ふきクリーナー』じゃなくて『黒板消しクリーナー』じゃねえの?」と思うじゃん?実は、各メーカーの商品紹介ページを見ると「黒板ふきクリーナー」として販売されていることが多いのだ。もちろん「黒板消しクリーナー」「ラーフルクリーナー」としているメーカーもあるが。
ここで上記の「「ラーフル」考」に戻る。この文書内で上村氏は黒板消しメーカーのカタログ多数を見比べているのだが、多くのメーカーで「ラーフル」の他に「黒板ふき(または、黒板拭き)」という名称も併用していた。そして「黒板消し」は何と一社のみ。つまり「黒板消し」よりも「黒板ふき」が圧倒的多数だったらしい。
メーカーが「黒板消し」という名前をあまり使っていないので、自然とクリーナーも「黒板ふきクリーナー」という名称になることが多い、ということだろう。
関連項目
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