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HARAKIRIとは、ゲームアーツ社が1990年に発売したPC-8801専用パソコンゲームである。
外国人視点で勘違いした日本の戦国時代をコンセプトにして生み出されたゲームらしい。
概要
内容は、信長の野望などと同じく、プレイヤーは大名を選択し天下統一を目指す国取りシミュレーションゲームである。しかし中身を覗いてみると、このゲームのカオスっぷりが分かる。
まず登場人物がおかしい。織田信長や武田信玄らは普通だが、源頼朝や足利尊氏など時代考証を無視しまくりな上、挙句の果てにショー・コスギ氏が大名として登場するという意味不明っぷりである。もちろん大名だけでなく、家臣その他の中にも明らかにおかしな人物が犇いている。また基本的に大名を相手にするわけだが、ゲームが進んでいくとフビライ率いる元寇やペリー率いる黒船が突然襲来してくる。他にも兵科に相撲レスラーが居たり、南蛮兵がどうみてもファンタジーな戦士にしか見えなかったり、合戦の一騎打ちが相撲であったり、なんだかもうしっちゃかめっちゃかである。
とにかくここではツッコミきれない程のバカゲーではあるが、システム自体の出来は良く、よほど時代考証に口うるさい人でない限り、気軽に楽しめるゲームかもしれない。またPC-8801専用であるにも関わらず、グラフィックのクオリティが非常に高い。
HARAKIRIシステム
「恥」パラメータ
このゲームの最大の特徴は、タイトルの通り切腹システムである。このシステムのせいで、クリアするまでに何名の武将が切腹するのやら。
各武将の能力に「恥」という変わったパラメータがあり、これが高くなると武将は「これ以上の恥には耐えられぬ！」と言い残し切腹してしまう。「恥」は武将を合戦で活躍させたりすると下がり、逆に部隊を壊滅されると上がってしまう。どんなに優秀な武将でも「恥」が溜まってしまうと切腹するので、プレイヤーにとって「恥」は常に気配らなければならないパラメータである。
また、合戦以外にも工作活動で敵国武将の「恥」をかかせることができる。他のゲームでは敵国の優秀かつ忠誠心の高い武将には散々苦しめられた思い出があると思われるが、このシステムを利用して「恥」を敵武将に溜めさせることで相手は勝手に切腹する為、このシステムを使いこなすことがクリアへの道といっても過言ではない・・・かも。調略して寝返らせる方が効率が良いのはナイショだ。
切腹を命じる
切腹は「恥」が溜まった武将が自発的に行う以外に、プレイヤーが命じる事もできる。対象は自国の武将と、合戦で捕らえた敵武将である。特に自国の武将に対してだが、このゲームは一大名につき20名しか家臣を持つ事ができず、しかも解雇コマンドが存在しない。従って、優秀な武将を引き入れる為には、故意に不要な味方武将に切腹を命じる(実質抹殺)以外に方法がない。史実ではたとえ跡継ぎ(豊臣秀頼とか)であろうと能力が低ければ、HARAKIRIの世界では武将の採用枠を空ける為の犠牲になる運命にあるのだ。
ちなみにこのゲームの武将の死因は、切腹と寿命(ただし大名のみ)だけ。合戦や一騎討ちに負けても討ち死にという概念はない。
主な登場人物
大名(ダイミョー)
| 大老井伊 | 大名の中では唯一、今は亡き将軍ヨシムネの直臣。将軍が殺害され事態の収拾を図ったが失敗。ストーリー上、重要人物なのだが、領地が分散している上、家臣も軟弱者ばかりであり、CPU一任では程なく滅ぼされる運命にある。何気に領地の数はトップなので、プレイヤーの場合は収入の多さを武器として立ち回ることになる。 | |
| 源頼朝 | 鎌倉幕府の初代征夷大将軍。当たり前だが本来戦国大名ではない。領地は義経終焉の地という事なのか東北一帯にある。全体の能力は平均的といった感じ。末弟の義経が非常に優秀だが、忠誠が低いのでプレイヤーの場合は要注意。家臣に北条時宗がいたりする。 | |
| 平清盛 | 源氏のライバル。もちろんだが本来戦国大名ではない。領地は平家滅亡の地という事なのか長門にある(無駄にこういう所に忠実なのがHARAKIRIの魅力)。家臣が平家一族しかいないが、明らかに平将門が浮いている。将門は非常に強く、平家の生命線である。 | |
| 伊達政宗 | 独眼竜。HARAKIRIの世界でも、能力は安定している。 | |
| 上杉謙信 | 軍神謙信公もその家臣達も最強クラスの性能を誇る。欠点は、城攻めが得意な武将が少ない事。たぶん野戦での力押しがメインになりやすい。 | |
| 武田信玄 | かの有名な武田騎馬軍団に準じて、家臣の兵科は騎馬隊が多い。しかしHARAKIRIの騎馬は非常にコストがかかる為、確実に財政難に悩まされる。 | |
| 三船徳川 | 徳川家康in三船敏郎。天下の徳川家康と世界のミフネが両方備わり最強に見える。 | |
| 織田信長 | ご存知日本一有名な戦国武将。しかし猿と金柑頭がすでに独立しているし徳川との同盟も無い為、戦力が弱体化している。HARAKIRIの世界では、結構扱いが酷い。ちなみに注目すべきなのは家臣の平手政秀であり、彼は「恥」が初期段階で非常に高く、ゲーム開始直後に即切腹する事が普通にある。 | |
| 明智光秀 | 早くも信長に謀反(?)を起こしている。しかし家臣に恵まれず、ガチで三日天下になりかねない状況。 | |
| 豊臣秀吉 | まだ信長が生きているのに独立している、のちの太閤殿下。史実の天下人である為か、勢力の中でもトップクラスの強さを誇る。秀吉自身優秀であり、家臣にとても恵まれている。初心者プレイヤーおすすめの大名。 | |
| 石田三成 | 秀吉がいるのにちゃっかり独立している、豊臣五奉行の一人。三成自身が使えない。史実では政務を担う吏僚派の一角として有名だが、このゲームでは内政系のパラメータが存在しないので、悲しくもただの無能者になり下がってしまった。 | |
| 毛利元就 | 元就も強いが、家臣達も 相撲レスラー筆頭の吉川元春を筆頭に皆優秀である。ちなみに注目すべきなのは家臣の清水宗治であり、彼は「恥」が初期段階で非常に高く、ゲーム開始直後に即切腹する事が普通にある。だがこちらは織田方の同類と違い優秀なので、プレイヤーなら避けておきたい。 | |
| 足利尊氏 | 室町幕府の初代征夷大将軍。ちなみに尊氏から義昭まで一族総出演である。家臣にはそこそこ優秀なメンツが揃っている。何故か領地が四国にあるがHARAKIRIだからしょうがない。 | |
| 北条氏康 | 何故か領地が九州。天下の小田原城を失ったが、一同が城守に長けており、鉄壁の守備力を誇る。 | |
| 島津義弘 | 鬼島津。やはり家臣達の兵科は鉄砲隊が多い。地の利も良いので一気に攻められる。 | |
| S．小杉 | ショー・コスギ、本名は小杉正一。かの有名な映画アクション俳優である。HARAKIRI最大のツッコミどころ。製作者の意図が分からない、たしかに海外では超有名らしいが・・・。完全に全勢力で一番浮いた存在である。忍者俳優だからか、家臣の兵科は比較的レアな忍者隊が多い。その家臣達も六角一族、天草四郎、五右衛門など、カオスすぎる面々。能力自体は悪くなく、特に南蛮兵を率いる天草四郎が優れている為、天下統一はそれほど厳しくない。ニコニコ動画のプレイ動画では、ある意味大人気(?)大名。 |
第三勢力
| 一向顕如 | 日本を武士主権の国でなく、農民主権の国「ジョード」とするべく立ち上がった顕如率いる革命軍。要するに一向一揆。ここの連中の兵科は、特殊な「農民」となっている。農民は全兵科中最弱だがコストが最安値の為、数で攻められる恐れがある。 | |
| フビライ | 元寇、すなわちモンゴル軍。アジア最強の軍隊で、兵の大半が騎馬隊でしかも日本の騎馬隊より強く恐ろしい存在。史実でも日本を窮地に追いやっただけの事はあり、乱入されるとかなりの脅威となる。 | |
| ペリー | 亜米利加第七東印度艦隊提督ペリー率いる、黒船による日本侵略勢力。兵の大半が鉄砲隊でしかも日本の鉄砲隊より強い。この勢力が乱入される前に天下統一が目前でなければ、確実に詰む。 |
その他の人物
勢力以外で大きく関わってくる重要でもない人物。
| ミカド | 日本の天皇陛下。不定期イベントで登場し、各大名に対して突然貢物を求め、最も貢物の額が多かった大名の望みを叶えてくれる。花見の開催を命じてくる事もある。 神風とか地震とかを自ら引き起こせる。さすが現人神。ある意味、HARAKIRI最強の人物。 | |
| アソノ | かつて将軍に次ぐ権力を持っていた有力大名。故人。将軍開催の花見に参列する為、エドのキンカクジに向かう途中、忍者に襲われミカドから預かった茶ノ湯の道具を壊されてしまう。将軍からは「茶ノ湯の道具一つ預かる事のできない田舎大名(ダイミョー)め！」と罵され、全国から来た大名の前で大恥をかき、これに耐えられず切腹してしまう。その後、アソノの家臣47名が主の仇討ちとして将軍ヨシムネを討った。将軍亡き後、時代は群雄が覇を競い合う乱世へと突入する事となる。(詳しくはマニュアル等で) | |
| ヨシムネ | HARAKIRIの世界の元将軍。故人。長い間、日本の平和を固持してきたが、アソノを陥れた事が原因で、アソノの家臣達に抹殺される。 |
関連動画
関連項目
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