ONE PIECE FILM GOLDとは、2016年7月23日(土)に公開されたアニメーション映画である。120分カラー。
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原作者監修のONE PIECE FILMシリーズ第三弾。パート3にして上映時間が初めて2時間に達した。FILMシリーズとしては初めて夏休み興行となった作品でもある(前2作は冬休み正月興行だった)。
前作『ONE PIECE FILM Z』と同じく原作者尾田の肩書きは「総合プロデューサー」となり、例によって大量のアイデアを提供したほか、テゾーロ一味をはじめとする主要キャラクターのデザインも担当している。
ストーリーは世界最大のエンターテインメントシティ「グラン・テゾーロ」のチケットを入手した麦わらの一味がその支配人ギルド・テゾーロらの運営するカジノを舞台に繰り広げる命を懸けた駆け引きと頭脳戦、そして支配された人々を解放すべく奮闘する姿を描く。
監督は本作が映画初監督作品となるテレビ版ONE PIECE3代目ディレクターの宮元宏彰で、前2作のFILMシリーズと比べるとテレビシリーズ寄りのコミカルな演出が目立つ構成になっている。
脚本は同じく究極の心理戦をテーマとした『LIAR GAME』(因みに漫画版原作者の甲斐谷忍は尾田の師匠でもある)や近年の安楽椅子探偵ものとして高い人気を誇った『謎解きはディナーのあとで』シリーズを担当した黒岩勉が、こちらもアニメーション映画初脚本として参加している。
本作で当時のルフィ最強形態であったギア4がスクリーンに初登場となったほか、サボ、ルッチ、赤犬といった原作メンバーも劇場版に初めて顔を出している。
この映画の公開当時、製作元の一つであるフジテレビは壊滅的なまでに視聴率が低迷し、新番組、ドラマの不評、失敗が続いており、本作を社運を賭けて宣伝していた。
具体的にはこれまでのFILMシリーズで必ず製作されていた前日譚は日曜日のテレビシリーズ本編との連動だけに留まらず土曜プレミアム枠での完全新作テレビスペシャルも製作、さらにこれまで基本的にテレビにおける顔出し出演はNGとして声だけであったりした原作者が顔出しかつ長時間のインタビューに応えた特別番組を最も観客動員数の見込める関東地方限定で事前に放送したり、さらには単行本にも通常は「その時期が過ぎれば無意味と化す情報」でしかない直近番組の放送日を全て記載していたり、果てはありとあらゆる番組にルフィたちを登場させ、この映画がいかに魅力的であるかを語っていた。
テーマ曲は新鋭のロックユニット“GLIM SPANKY”が担当した。劇中曲は尾田がファンと語る小島麻由美が担当。
恒例の来場者特典はSTRONG WORLDの0巻、Zの1000巻に続き、ギャンブルをテーマに据えた事から『777巻』が入場者先着500万人に配布された。なお、これに加えさらに先着200万人には尾田描き下ろしのビジュアルを印刷したトランプも付いていた。
前作で麦わらの一味本体の活躍があまり無い、ほぼゼットの映画、という声を請けてかこの作品ではSTRONG WORLDでの基本に立ち返り、再び麦わらをメインとした王道ストーリーとなっている(ただし、サンジについてはテレビ版でもかなり登場期間が開いた為か担当の平田の演技が若干不自然となっている他、出番も少なめ)。全体的にはルフィ&フランキーチームと残りのナミ、ウソップ、チョッパー、ブルック、サンジ、ロビンチームの活躍となり、ゾロは今回終盤までテゾーロの魔の手に掛かり、あまり活躍場面は無い。キーパーソンとして登場する人物がナミの旧友という事もあり、全映画中でも特にナミの活躍にスポットが当たっている。
コラボレーションもシリーズ最大規模で、シリーズ恒例のセブンイレブンをはじめとして各種バス、鉄道会社でのラッピングはもちろんの事、カップ麺やスナック菓子などでも関連商品が非常に多く販売されている。
これもシリーズ恒例となったタレント吹き替えはキーパーソンのカリーナに同年『トットてれび』で黒柳徹子を好演した満島ひかりが起用された他、敵幹部のタナカさんには濱田岳(名前ハマダなのにタナカ演じるなよとか突っ込まないように)、バカラにはモデルの奈々緒、ダイスにはやたらゲイっぽい役が続いているケンドー・コバヤシ、終盤の一味の味方となるレイズには大御所俳優の北大路欣也がそれぞれ声を充てている。
この他にもゲスト吹き替えはシリーズ最多規模となり、中にはSTRONG WORLDで宿敵シキを演じた竹中直人が全くの別人として登場していたりもする。
思わぬ苦戦
と、このように全てがタイトルどおりの金メダル級の布陣かつ最大級のプロモーションで臨んだ本作であったが、興行的には非常に厳しい結果となった。
初日と2日目こそ興収11.5億、動員82万人とロケットスタートをきったかに見えたものの、これは前作の初2日の興収13.7億円、動員114万人を大幅に下回る数値であった。一見、それ程問題無い数字にも思えるが、前作Zが全国300スクリーンの公開で先程の数値を叩き出したのに対して、本作は739スクリーンと上映館は倍以上でありながら動員が3割程減少している事になる。これは前作、前々作が原作漫画の盛り上がりがピークに達している頃であった事も影響していると思われる(前々作は「マリンフォード頂上決戦」、前作は「新世界編の開幕」と非常に作品人気そのものが盛り上がっていたのに対し、本作公開時は2年以上もドフラミンゴとの決着戦が描かれないままドレスローザ編を続けている状況に加えてアニメ版の引き伸ばしが露骨になった他、原作そのものも本作制作の影響もあり休載の増加でストーリー進行が再び極端に鈍化して盛り上がりに欠けていた)。
この週はこの2日間の興行が高かった事で1位を記録したものの翌週以降は急降下となっている。
理由はただ一つ。今回は文字通り 相 手 が 悪 す ぎ た。
この映画の公開翌週(厳密には6日後の7月29日)に控えていた対抗馬はシリーズ12年ぶりの復活作にして久々の国産特撮怪獣映画、さらに監督があの庵野秀明という話題作『シン・ゴジラ』であった。
実はこの両作品は雑誌「エンタミクス」2016年7月20日号にて表紙を同時に飾ったのだが、ゴジラが公開されて暫くすると本作の方は欠片も話題にならなくなっていた。無論、ランキング1位もあっさり明け渡している(事実、この記事が出来たのもシン・ゴジラ関連よりずっと遅く、「ニコニコにおける関連記事の数がゴジラシリーズで最多という事を観ていただければ如何に当時のシン・ゴジラが邦画の話題を掻っ攫って行ったかがお分かりいただけるであろう。なお、初版執筆者が書いた時点では地元では既にGOLDが終映でゴジラは未だ終映未定で上映中)
そして、さらに8月26日には追い討ちをかけるかの如くスーパーギガヒット作が映画館の話題を席巻する。
新海誠監督の当時最新作にして社会現象を巻き起こした作品『君の名は。』が公開となったのである。
ジャンプ誌上ではGOLDの9月のロングラン公開を祝する記事が載っていたものの、実際のところは9月に入ると既にGOLDの上映を打ち切る館も多く出ており、『君の名は。』のヒットに危機感を募らせたのか9月3日よりさらに追加特典として「豪華キャスト15名サイン入り 尾田栄一郎描き下ろしA5版イラストカード」のプレゼントも告知されたが、既に遅きに失した感は否めず、特典については映画に行った人であればほぼ全員が貰えた計算になり、先に挙げた2作品が10月以降も上映を続ける館が多い中で本作は早くも10月にBlu-rayの12月発売を公表、その市場を切り替えている(『君の名は。』は12月以降、年を跨いでの公開もアナウンスされた)。
なお、『シン・ゴジラ』『君の名は。』は共に本作配給の東映最大のライバル東宝が配給であり、しかも両作品とも前売り券特典以外での入場者向け先着特典は“何一つ無い”という興行であったという事も付け加えておく(即ち、両作品ともほぼ口コミで、さらに映画の作品内容が評価されて大ヒットしたという事)。
最終的な興行は50億円を突破し、2作品連続の50億越えとなり、動員も380万人ほどになったが、何れもFILMシリーズでは初の前作割れとなった。前述の入場者特典の準備数を考慮すると東映側の想定ラインは動員500万人以上、興収60億は見込んでいたと思われる。なお、『シン・ゴジラ』は10月時点で動員500万人、興収77億、『君の名は。』はさらにその倍となる動員1000万人、興収154億を叩き出す場外満塁ホームラン級の桁違いの特大ヒットを飛ばしている。さらに両作品とも海外に輸出され、向こうでもヒットしている(さらにもう1作、洋画であるが、アニメ映画では日本アニメ界最大の天敵ディズニーが誇る13年ぶりの続編である「ファインディング・ドリー」もあり、小学生の夏休みが重なった事もあってこちらにも翌週ランキングで抜かれた他、興収60億強、動員500万人以上を達成している)。
また、作品内容自体も賛否両論となり、「最もワンピースらしいワンピース映画」「麦わらの一味のそれぞれの活躍が描かれて楽しい」といった好意的な意見がある一方で「話や映像で前作Zには及ばなかった」とする声もかなりあったほか、多くの人物が映画初登場となる一種のオールスター映画を指向しながらも、ストーリー構成上原作人物を上手く扱いきれていないのでは?という声も散見された。この他に登場人物に「ギルド」を名乗らせたり、チビのブサメンオヤジが主人公サイドのキーマンとなったりと、どっかの誰かさんの作品を意識しすぎではないかという声もあった。
さらにフジテレビの仕掛けた広告戦略の数々も多くが裏目に出ており「商品が多すぎる」「あまり宣伝がありすぎてうるさい」といった声もあった他、直前のスペシャル番組「ワンピース ハート・オブ・ゴールド」の仕上がりがあまりよくなかった事やファンが一番観たいであろう原作者出演番組が関東ローカル扱いで多くの地域で視聴不可であった事も不評だった(特に前者は重要キャラを演じた浜辺美波の演技に対して非常に辛辣な意見が飛び交っていた)。
そしてこれに加えて世界中で大ヒットしたNIANTICのスマートフォンアプリゲーム「Pokemon Go」が公開前日に配信スタートとなった事で主要なニュースメディアやSNSの話題が完全にそちらに持って行かれた事も追い討ちとなった。
この他にもオープニングは素晴らしいが、エンディングは今一つだ、という声もあった(前2作のFILMシリーズが共に「映画のその後の東の海を描いた映像」「七部海の幼少期の初映像化」というものだったのに対し、本作はグラン・テゾーロを去るサニー号が海を渡っている映像が延々スタッフロールと共に流れるだけだった)。
テーマ曲についても前2作がMr.Children、アヴリル・ラヴィーンと知名度、クオリティ共に高い音楽家が担当したのに対して本作のものは閃光ライオット出身という肩書きはあるものの一般的な知名度に乏しいGLIM SPANKYとコアな音楽ファンには有名だがやはり一般的知名度には欠ける小島麻由美で、特に前者については曲が「怒りをくれよ」というワンピースの「憎しみや怒りから生まれうる支配は新たな悲劇的支配しか生み得ない」という作品根幹のテーマと合っていないのではないか?という声もあった。
シリーズもの映画には「ヒット作を装飾過多とするとやりすぎてヒットしない」というジンクスがあるが、本作もその例に漏れないものとなってしまったようである。
本作オリジナルキャラクター
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ギルド・テゾーロ
CV:山路和弘
「全ては黄金に支配される!!」
船全体が独立国家にして賭博場および娯楽施設という全長10kmの豪華客船「グラン・テゾーロ」のオーナー。
世界の通貨の20%を掌握し、加えて世界貴族に対しても多大な献金をしている事から世界政府もましてや海軍でさえもそう易々とは手出しできないほどの権限を有しており、「新世界の怪物」「黄金帝」とも恐れられる。
表向きはGT全域のカジノオーナー兼シンガーとして人気を博しているが、実際には強い権威欲と拝金思考の持ち主であり、ギャンブルに負けて破産した人間を奴隷にして船の奥にある施設で強制労働に就かせて酷使するなど恐怖体制を敷き、さらにはそれで飽き足らず最終的には金の力で世界の全てを支配する事を目論んでいる。
かつてドンキホーテ・ドフラミンゴから奪った「ゴルゴルの実」の能力者で、触れた黄金を思うがままに変形させて操る事ができ、それで相手を拘束、封印できるだけでなく、自分の体にも黄金を纏わせて装甲とするなど、様々な局面でGT内に豊富に存在する金を利用した戦い方を得意としている。
777巻での記述によると金銭問題から来る家庭の崩壊、世界貴族による奴隷としての支配、そして愛する者の喪失など子供の頃より金と権力に翻弄される人生を送ってきた事が彼の人格を大きく歪める原因になったとされている。 - バカラ
CV:菜々緒
GTのVIPエリアコンシェルジュを務める女性。
英語交じりな喋りが特徴のセクシーな衣装とプロポーションが自慢の美女で、VIPエリアの客の相手を務めている。
他人の運勢を操作する「ラキラキの実」の能力を使ってその相手を不幸にできる。 - ダイス
CV:ケンドーコバヤシ
VIPエリアの丁半ゲームのディーラーをしている大男で、裏社会の元格闘会チャンピオン。
お約束通りの脳筋的な性格をしており、さらに格闘家時代の影響か打たれる程気持ちが良くなるM体質である。
悪魔の実の能力はなく、純粋な身体能力が武器であり、しかも武装色の覇気も体得している。 - タナカ
CV:濱田岳
GTの警備主任。
全身黒ずくめの格好に異様に大きな頭と常にニヤケ顔が特徴の不気味な男。
船の伝令役で、後述の能力を使って船内を自在に移動し、VIP客の案内からテゾーロへの状況報告を担っている。
悪魔の実「ヌケヌケの実」の能力の持ち主で、これで船の壁や床をすり抜ける事ができる。 - カリーナ
CV:満島ひかり
GTの歌姫でテゾーロのステージパートナー。
その正体はテゾーロの資産を狙う怪盗であり、また同じ東の海出身という事でナミとは腐れ縁の仲でもある。
テゾーロの宝を奪うため麦わらの一味に協力する。 - レイズ・マックス
CV:北大路欣也
GTの奥底にある牢獄に幽閉されていた男。
かつては無敗のギャンブラーとして名を馳せていたがテゾーロの罠にハマって監禁されてしまった。
当初はその境遇に絶望して無気力状態に陥っていた所、脱出に燃えるルフィらに触発されその脱獄を手助けした。
実はサボと同じ反乱軍に所属している。
最初に言ったでしょう? 動画見逃した方が負けなのよ。
高すぎて商品も買えねえか?
関連コミュニティの無い映画は何も手に出来ない。
one piece film goldに関するニコニコミュニティを紹介してください。
関連は、俺の大嫌いな項目にそっくりだ!!
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