「ボーン」「ボントロ」と呼ばれることもある。略記するときは「Tb」「Trb」「Tbn」「Pos(ドイツ語名Posauneより)」など。アカデミックな場面では「Tb」「Trb」だとそれぞれ「Tuba(チューバ)」「Tromba(トランペットのイタリア語名)」と混同するおそれがあるため、「Tbn」「Pos」と書かれることが多い。
概要
通常、スライドを伸び縮みさせることで音程を変える。トランペットやホルンがピストンの押下によって管の長さを調節し、音程を変化させることに対してトロンボーンはU字型の管の伸縮で音程を変化させる。
ピストンの場合、押下する・押下しないの組み合わせによって物理的な管の長さは一定に確保できるが、トロンボーンの場合は奏者が自身の感覚を頼りに管をスライドさせ、音程を確保するというアナログ的な特徴を持っている。
管は直線的で限界までスライドさせると1メートルをゆうに超えるため、前方に十分なスペースがないと吹くことができない。また、奏者の腕の長さが短い場合は、スライドしきれないポジション(第6~7ポジション)があるため、スライドと指に紐を括り付けるといった対処が必要になるなど、ある種やっかいな楽器である。
人が多い合奏などでトロンボーンの前に座るときは槍のように飛び出してくるスライドに注意する必要がある。
近年では、左手親指のレバーで操作するバルブにより、奏者の後ろ側に伸びた管を迂回させる構造のトロンボーンが普及しており、F管付き、テナーバストロンボーン等と呼ばれている。 この改良により、上記の腕が届かないという欠点が解消されるのみならず、音域が低音側に広がることとなった。
この迂回管は、他の金管楽器のように複雑なカーブを描いてコンパクトにまとめられることが多いが、使用時と未使用時の音色の差異という観点から、これを極力まっすぐに伸ばしたものも存在する。 このタイプのトロンボーンは奏者の前にだけでなく、後ろにもある程度のスペースが必要となるため、配置には注意が必要である。(前側のように伸びてくることはないが、演奏中に奏者の姿勢が変化した時や楽器を構えた時に、後ろにある物に接触することがある。)
スライド吹奏楽器としての先祖はサックバットと呼ばれるモノがある。現在のトロンボーンと比べてベルが小さく軽量であるが、基本的構造は殆ど変わらない。
サルサ音楽から野球応援まで、広いジャンルで用いられる楽器であるが、アカデミックな音楽、特にベートーベンなどのクラシック音楽ではここぞというときの役割を受け持つ。そのため、そういった音楽を演奏するオーケストラでは、数百小節、時には何楽章も出番を待ち続けるという運命を背負わされる。
例1) ベートーベン『交響曲第5番ハ短調』→トロンボーンは第4楽章のみ
例2) ラヴェル『ボレロ』→全340小節の曲中トロンボーンは冒頭から184小節もの間休符が続き、直後にソロを吹く
大半はB♭ (変ロ音) を基音とした移調楽器 (B♭管) であるが、パート譜が移調で書かれることは少なく、他の低音楽器と同じように無造作にヘ音記号で実音が書かれているのみである。
架空のトロンボーン奏者の一覧
- 綾乃倖近(ヒビキノBB)
- 出雲三成(まほちゅー!)
- 岩崎圭輔(放課後ウインド・オーケストラ)
- 遠藤汰尊(ヒビキノBB)
- 黄前麻美子(響け!ユーフォニアム)
- 金井淵涼(SOUL CATCHER(S))
- 曲山・クリストファー・晴海(SOUL CATCHER(S))
- 佐々木梓(響け!ユーフォニアム)
- 田浦愛衣(響け!ユーフォニアム)
- 塚本秀一(響け!ユーフォニアム)
- 中ノ島妙(ぶらばん!)
- 野口ヒデリ(響け!ユーフォニアム)
- 畑山辰二(放課後ウインド・オーケストラ)
- 畑山龍一(放課後ウインド・オーケストラ)
- フランシスコ・ルイス・アストルガ(サクラ大戦奏組)
- 水嶋新(金色のコルダ3)
- 由利慧(ヒビキノBB)
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関連項目
外部リンク
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