例にはいくつか意味があるので、例を挙げて説明しよう。
- 例示の意
- 説明するために、似たような事柄からとくに取り上げもののこと。良い例、悪い例、極端な例、ありがちな例、身近な例、が例としてよく挙げられる。
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- 例
- 慣例の意
- 長年の慣習、しきたりのこと。
- 恒例の意
- いつもどおり、普段どおりのもののこと。「例によって」という形で使われることが多い。関連する表現に「例の」という連体詞がある。こちらはいつもどおりの、という意味の他に、話してと聞き手の間で共通認識がある、話題になっている、という意味がある。
- 事例の意
- 過去に起きた・現在に起きている事柄のうち、標準、基準となるもののこと。この意味では「ためし」とも読む。
漢字として
- 意味
- 。日本語では、喩える、たとえば、いつもの、という意味がある。
- 〔説文解字・巻八〕には「比なり」とあり、例を挙げる・比べる意味としている。
- 字形
- 形声。声符は𠛱(列)。白川静は、例は、斬首を並べて呪禁とする字で、遮る意味が本来であり、例示や慣例の意味は転義とする。後に、遮る意味は迾が使われ、例示、慣例の意味で使われるようになったという。
- 音訓
- 音読みは1.の場合、レイ(漢音)、2.の場合、レツ(漢音)。訓読みは、たとえる、ためし。名のりに、ただ・つね・とも・みち、がある。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校4年で習う教育漢字である。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。JIS X 0213第一水準。
- 語彙
- 例会・例外・例祭・例示・例証・例題・例年・例文
異体字
- 5
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