醜とは、醜いということをいう語、漢字である。また中国語圏に醜という名前がある。
漢字として
- 意味
- 悪い、みにくい、臭い、汚い、恥じる、(儔と通じて)類、等しい、(州・尻と通じて)ケツの穴、という意味がある。
- 日本語では醜(しこ)と読んで、醜いもの、強いもの、恐るべきものという意味で接頭辞的に使われる。
- 〔説文解字・巻九〕には「惡(にく)むべきなり」とある。
- 字形
- 酉+鬼の会意。
- 金文に、亞の中央に醜を書く亞醜形というものがある。白川静によると、そこでの醜の右側は鬼ではなく、礼冠をつけた人の姿であり、儀礼に使う酒を酌む字であるという。また卜辞に、醜の儀礼で邑への災いを祓うという記述があり、醜は本来そうした儀礼を表す字だという。儀礼を示す字がなぜ醜悪の意味を持つようになったのかは不明。
- 音訓
- 音読みはシュウ(漢音)、シュ(呉音)、訓読みは、みにくい、わるい、はじる、たぐい、しこ。名のりに、むね、がある。
- 規格・区分
- 醜は常用漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 語彙
- 醜悪・醜怪・醜漢・醜業・醜行・醜女・醜状・醜声・醜態・醜聞・醜類・醜穢
異体字
- 魗は、〔詩経〕の疏に「魗と醜と、古今の字なり」とある異体字。JIS X 0212補助漢字。
- 𣤫は、〔釈文〕に魗の本字とある字。
- 𩳺は、〔字彙補〕に魗と同じとある異体字。
- 𨢄は、〔集韻〕の本字。
- 𣫐は、〔釈文〕に魗の異体とある字。〔説文〕には別の字として載っている。
- 媿は鬼女、ではなくて〔集韻〕に醜の古文とある字。ただ〔説文〕には愧の本字として載っている。
- 𥆞は、目の周りという字であるが、〔集韻〕に醜の古文とある。
- 簡体字は丑。
関連項目
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