『007 Legends』(ダブルオーセブン レジェンド)は、スパイアクションシリーズ『007』を題材にしたゲーム作品である。
2012年、アクティヴィジョンから発売された。ただし日本未発売。
対応プラットフォームはPlayStation3、Xbox360、WiiU。
概要
007シリーズ50周年記念作品。
『ゴールデンアイ007』のWii向けリメイク版と同様にEurocomが開発を担当している。
007=ジェームズ・ボンドを主人公としたFPSで、現在のボンド俳優であるダニエル・クレイグを主演として、歴代のボンド作品を再構築している(『ゴールデンアイ007』リメイクと同様である)。
2013年に公開された『スカイフォール』冒頭で、007がイヴの誤射に倒れるシーンがあるが、今作では公開に先駆けてそのシーンを収録しており、撃たれたボンドが過去の任務の内容を走馬灯のように思い出していく。
クレイグが演じる新生ボンドが、過去に歴代ボンド映画と同様の任務に就いていたという設定になっており、原典は冷戦期の物語である『ゴールドフィンガー』なども現代風に再解釈されている(スマートフォンが登場するなど)。
舞台となるのは以下の6作である。
『ゴールデンアイ007』同様、最大4人のプレイヤーによるマルチプレイモードを搭載している。同作で人気であったオッドジョブやジョーズと言った人気キャラクターも登場する(というか彼らが登場することが作品選考の決め手になった節がある)。
体力は自動回復制となっているが、本編クリア後には「クラシックモード」が解放され、ニンテンドウ64版『ゴールデンアイ007』風の、体力ゲージと防弾チョッキのシステムに変更できる。
内容・評価
『ゴールデンアイ007』のリメイクを見事に成功させたEurocomが開発を担当していることや、歴代ボンド作品を同じように再構築するという豪華なコンセプトなどから、007ファンを中心として期待は非常に大きかったが、ぶっちゃけ結構な駄作として現在は評価されている。
海外サイトなどで挙がる主な不評点は、まず、HD機向けにも関わらずグラフィックが凡庸な点で、Wiiに出たものをリマスターしたかのようなのっぺりした印象を持たせてしまう。
演出も単調で、ボンドカーや戦車に乗ってのアクションはわずかであり、全体を通して、シューティングとムービーの繰りかえしでしかない。乗っていたヘリや車がクラッシュ→ぼやける視界という流れを何度も繰り返してエピソードを繋いでいるが、爆破などのエフェクトが地味なので、CoDシリーズの劣化版という印象しか与えられない。
システム的にも特に見るべきところはなく、むしろやたら難易度の高いステルス要素(見つかれば即ゲームオーバーのステージもあり)と、QTEで展開されるダラダラした格闘アクションの低評価だけが目立つ有様である。
何より、映画のチョイスが微妙かつ不自然である。
5作という少ない枠の中で、『ゴールドフィンガー』はともかくとしても、ファンの間ではおおむね珍作・駄作寄りの評価である『ムーンレイカー』や『ダイ・アナザー・デイ』が選ばれたのはかなり変である。
『消されたライセンス』は微妙なところだが、『ロシアより愛をこめて』や『ドクター・ノオ』のような人気作、新生ボンドによって重要な物語である『カジノ・ロワイアル』などを押しのけてまで収録すべきものであったかどうか疑問である。
そしてもっとも不自然なのは『女王陛下の007』である。
同作は「ボンドがひとりの女性を真に愛し喪う」という異色のストーリーから今も名作として人気を得ているが、クレイグのボンドの場合、『カジノ・ロワイアル』で同じような経験を既に終えている。しかも彼が成長する上で重要な要素となっている。それが、同じように再び女性を愛した過去があっては、新生ボンドのキャラクターの根幹が揺らいでしまうことになる。
また同作のエピソードには、原典通りに悪の組織スペクターのボス「ブロフェルド」が登場するが、クレイグ演じる新生ボンドは、2015年公開の最新作『スペクター』にて、同じく新生したスペクターと対決する予定である。
ゲームと映画は厳密には違う世界であると言ってしまえばそれまでだが、このように今作の『女王陛下の007』は、映画シリーズと今作が大きく矛盾し剥離する原因となってしまっているのだ。
とはいえ、過去作を新たに体験できる点は評価する声も多い。
冒頭で流れる『ゴールドフィンガー』のオープニングタイトルを忠実に再現したムービーや、原典通りのデザインがなされたオッドジョブやジョーズなどの人気敵キャラクターなど、ファンサービスは充実している。
クレイグ演じるボンドなどのキャラクターのモデリングや声も非常に良質である。
これらの点から「ファンなら楽しめる」とするレビューサイトもある(逆に「ファンへの侮辱だ」と怒っているサイトもあるが)。
関連動画
『ダイ・アナザー・デイ』 Stage07~09
その他
関連商品
関連コミュニティ
007legendsに関するニコニコミュニティを紹介してください。
関連項目
Williams, Owen (2012年4月19日). “Activision Announces 007 Legends”. Empire 2012年4月19日閲覧。
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