10分耐久シリーズとは、我慢をエンターテイメントに転化した画期的なシリーズである。
概要
10分耐久シリーズのニコニコでの歴史は古く、β時代にまでさかのぼる。今では10分に限らず数十分、数時間耐久のループ動画や、動画時間が短時間でもニコスクリプトによる無限ループ動画が数多く見られるが、ループ機能もなかったニコニコ動画(β)では、間借りしていたYouTubeで投稿制限された10分間未満の動画しか視聴できなかった。この規制の中で動画を最大限に楽しもうとして自然発生したのが、この「10分耐久シリーズ」である。
耳に残る言い回しをループさせるという基本構造はβ時代当時から変わっていない。当時流行した10分耐久動画としてはヤンマーニ エンドレスVerや、とかちラーメン大盛り
などが挙げられる。
このとかちラーメン大盛りはニコマスMADの原点ともいわれ、後のMAD界、ひいてはニコニコ全体に与えた影響は大きい。
一言で言ってしまえば、この動画はアイドルマスターの「エージェント夜を往く」のサビの部分をループさせて曲を10分に引き伸ばしただけの動画である。それを面白がって挑戦する者が多数現れ、いつの間にか中毒になり、10分どころか何時間も見てしまうような人が続出した。
つまりこの動画はニコニコ動画黎明期において、これまでにない(あるいは、存在はしたが表に出てこなかった)エンターテイメントの新しい可能性を提示したのである。これは後に築き上げられるニコニコ動画“MAD文化”の礎と呼ぶことができるだろう。
とはいえこういった10分耐久動画の面白さを説明することは困難である。(筆者もこの記事を作成するにあたって、資料として動画を50回ほど視聴したが、さすがに中毒になる人の気持ちまでをも理解することはできなかった)
最近の言葉で言うなら、「誰得」的な面白さもあるのだろうし、コメントを通じてみんなと一緒に耐える一体感や、耐え切ったときの達成感など、人それぞれ感じることがあるのだろう。しかしそれも動画によってまちまちである。
とにかく他では決して味わうことのできない類のものであることは確かであろう。
現在では10分耐久動画がかつてのような盛り上がりを見せることは稀になったが、時々思い出されたように新作がうpされ、当時を懐かしむ人たちからは「β臭がする」とのコメントが寄せられる。
「謎の技術」や「振り込めない詐欺」もいいが、たまには“MADの原点”を思い出してみるのもいいかもしれない。
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関連項目
- β時代の英雄
- 10分タイマー
- 耐久
- 耐久シリーズ
- 1秒耐久シリーズ
- 1分耐久
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