1990年代とは、1990年から1999年のこと、またその時期を代表する事柄である。
概要
世界ではソ連が崩壊し、アメリカの一人勝ち時代に。また、90年代後半からはIT化とインターネットの爆発的普及により現在のようなネット社会の時代が始まりを告げようとしていた。一方、日本では90年代を「失われた10年」と表現することもある。この言葉を広めたのは作家の村上龍。
それぞれの年の記事も参照。1990年 - 1991年 - 1992年 - 1993年 - 1994年 - 1995年 - 1996年 - 1997年 - 1998年 - 1999年。
日本における1990年代
日本における1990年代は「失われた10年」として評されることが多い。
経済面
経済面では、1980年代末期から続いていたバブル経済が1990年~1991年に破綻。バブルの原動力となった株価と不動産価格の暴落により、まず金融機関に多額の不良債権が発生し、それをなんとかして取り戻そうと企業融資の見直しを行い貸し渋り・貸し剥しが横行した。それによって通常の不況であったら淘汰されなくてもよい企業まで倒産が大量に発生。金融機関自体も多く破綻した。
また、バブル時代はどんぶり勘定感覚の経営や仕事をしていた企業も少なくなかったため、それらのバブル時代の放蕩三昧のツケをバブル崩壊後に一気に払うハメとなった企業も多い。
その弊害として、日本の人口で2番目にあたるボリュームゾーンである団塊ジュニアが就職する時期にこの大不況が重なり、就職氷河期を迎え多くの派遣労働者やニートが発生してしまう事態に陥ってしまった。この問題は現在進行形で日本の課題となっている。
バブル時代の「消費こそ美徳」という価値観がこの不況をもたらしたとして、バブル時代を否定的に捉える見方が多くなり、バブル時代を反面教師としたためか、バブル崩壊後の90年代は国内の個人消費が著しく低下したため(価格破壊という言葉がこの当時流行った位、国民は低価格の物を求める傾向が強まった)、皮肉なことにこれもこの不況の原因となったと考える者も少なくない。
社会面
社会的には1995年に阪神大震災が発生。また同時期にオウム真理教による一連の事件(松本サリン事件、地下鉄サリン事件等)が起こり、不景気と重なり社会不安が日本を覆った。未成年による凶悪事件も90年代後半から多発し、少年法の厳罰化も行われた。
またストーカーやDV、飲酒運転や喫煙といった1990年以前には見過ごされていたような社会問題や倫理問題も議論されるようになり、いい意味では「世の中が良くなった」とも言える。
が、悪い意味では「規制だらけで息苦しくなってきた時代」の始まりとも言えよう。
文化面
文化面では、90年代前半に音楽面やファッション面で1970年代の流行がリバイバル。特に音楽ではピチカートファイヴ、フリッパーズギター(小山田圭吾、小沢健二)ら「渋谷系」とよばれたアーティスト達によりその時期の音楽を意識した楽曲が大きな影響を与えた。また、90年代半ばにはヒップホップ も本格的に定着。一定の人気を保ちつつ現在に至っている。90年代後半は小室哲哉がプロデュースした楽曲が次々とヒットを飛ばし、ミリオン(100万枚)、ダブルミリオン(200万枚)が連発するというCDバブル時代となった。
アニメでは、1995年に放送開始された「新世紀エヴァンゲリオン」が「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」以来の社会的大ヒットを記録。これによってアニメブームが起こり、現在のアニメ量産時代に繋がっていく。
コンピュータでは、1995年にマイクロソフトから「Windows 95」がリリースされ大ヒット。同時に一般家庭にまでパソコンが普及し、90年代後半以降インターネットも浸透していった。2ちゃんねるの登場も1999年である。
テレビ業界では日本テレビが「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」「マジカル頭脳パワー!!」「進め!電波少年」「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」な どバラエティー番組を中心にヒット番組を連発し、視聴率四冠王を10年近く達成する黄金時代となった。しかし、この頃からフライングスタートやテロップの氾濫が同局を発信源として広まり、露骨な視聴率稼ぎのための姑息な手段が常態化していく。また、それまで比較的エロや暴力描写に寛容だったテレビ番組が 90年代末から次第に自主規制が強化され始める。
日本国民に携帯電話が普及し始めたのもこの90年代半ばころからである。ただし、当時の携帯電話は今のように中学生からパートのおばちゃんまでもが気楽に持てるようなツールではなく、90年代の若者はポケベル、PHS(通称ピッチ)などを使い、それ以外の携帯を持てない層は公衆電話か家電話を使っていた。
スポーツ面
スポーツ面では、1993年にJリーグが開幕。それまでの日本国内のメインストリームであったプロスポーツといえばプロ野球であったが、そのプロ野球一辺倒の時代に風穴を開けた形となり、これ以降プロ野球界も時代の荒波に揉まれるようになっていく。
平成不況と社会不安の一方、ポップカルチャーでは現在の形にほぼ完成された時代となった。
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