2020年クラシック世代とは、2017年に生まれ、2020年にクラシック競走を走った競走馬の世代のことである。Pixivでは20世代で大百科の記事が作られている。
概要
2025年現在8歳世代。まだ現役の活躍馬もそれなりにいるので、もう少し評価が変わる馬もいるかもしれない。以下は2024年終了段階での記述である。
この世代はなんといっても史上初となる牡馬牝馬両方で無敗の三冠馬が出た世代である(無敗でなくても初)。その2頭、コントレイルとデアリングタクトが世代前半の代表。2020年ジャパンカップでは、2歳上の牝馬三冠馬アーモンドアイとの三冠馬3頭による3強対決が大きな話題となった。
その一方、三冠馬の出た世代にありがちなことだが、クラシック有力馬が総じて伸び悩んでいる。朝日杯馬で皐月賞・ダービー2着のサリオスはその後マイル路線に進んだものの、勝ったのは1800mの毎日王冠(2勝)のみで真の適性距離がどこだったのかよくわからないまま引退。体重ネタで人気を集めた阪神JF馬レシステンシアも短距離~マイルGⅠで2着5回と好走を続けたがその後GⅠには惜しくも届かなかった。NHKマイルカップ馬ラウダシオン、菊花賞でコントレイルを追いつめたアリストテレスもその後は重賞1勝に留まった。
クラシック組の苦難は三冠馬2頭も例外ではなく、コントレイルは古馬となってから連敗と故障で何かと言われたものの、引退レースのジャパンカップを制して無敗三冠馬の威信を保ってターフを去った。一方デアリングタクトは故障で1年以上の長期休養を余儀なくされ、6歳まで現役続行したものの結局三冠達成後は勝利を挙げられずにターフを去ることになった。
苦戦や苦難の続くクラシック組に代わり、古馬となってから台頭してきた馬が目立つ。
世代後半となる古馬台頭組の代表は、超ハイペースの大逃げで「令和のツインターボ」と話題になり、2022年ドバイターフと2023年サウジカップを勝って「世界のパンサラッサ」となった稀代の個性派逃げ馬パンサラッサと、5歳4月まで芝の3勝クラスで燻っていたところからダート転向で一気に覚醒、ドバイワールドカップで世界のダートの頂点に立ち、獲得賞金歴代1位へ上り詰めたウシュバテソーロ。
ほか、芝の古馬台頭組では、2021年大阪杯で無敗のままコントレイルとグランアレグリアを撃破した牝馬レイパパレ、2021年エリザベス女王杯を10番人気で穴を開けたアカはアカでもアカイイト、善戦マンから2022年大阪杯で前年の年度代表馬エフフォーリアらを破った良血馬ポタジェ、更に2020年のフローラS勝利、優駿牝馬2着のあと肘の故障による浮き沈みを経て2022年の香港ヴァーズで悲願のGⅠ制覇を果たしたウインマリリンなど。
ダートは前述のウシュバテソーロを筆頭に多士済々の黄金世代となっており、2021年のチャンピオンズカップを圧勝したテーオーケインズ、史上初の帝王賞連覇を果たしたメイショウハリオ、フェブラリーSを連覇し南部杯を勝ったワンターン左回りダート1600の鬼カフェファラオがそれぞれGⅠ級3勝を挙げている。7歳となった2024年には、中央から川崎に移籍したライトウォーリアが川崎記念を逃げ切り、重賞未勝利の末脚芸人だったタガノビューティーがJBCスプリントでタガノ軍団初GⅠ級制覇を果たした。
牝馬ではショウナンナデシコが2022年かしわ記念でサンビスタ以来7年ぶり史上6頭目の牝馬による古馬牡馬混合GⅠ級勝利を挙げた。
世代全体ではJBCレディスクラシックのみ勝てなかったので、ダートGⅠ完全制覇は逃している。
ほか、世代GⅠ級勝ち馬に、全日本2歳優駿を勝った川崎のヴァケーションと、JDDを勝ったワイドファラオがいる。
また、5歳シーズンの2022年秋から、芝からダート、ダートから芝にそれぞれ転向してGⅠを勝った馬が立て続けに出現した。前述のウシュバテソーロに加え、怪我に悩まされながらダートから芝に転向して2022年OP昇格→京都大賞典→ジャパンカップと一気に駆け上がった不屈のシンデレラボーイヴェラアズール、逆に芝からダートへ転向してチャンピオンズカップを勝ったジュンライトボルトがおり、2023年春には障害に転向後4戦で中山グランドジャンプを制して九州産馬初のGⅠホースとなり翌年も連覇を果たしたイロゴトシと、舞台を移して覚醒した面々も忘れてはならない。
他、GⅠ未勝利の面々を挙げていくと、芝中長距離ではフランスでフォワ賞を勝ち天皇賞(春)3年連続2着でGⅠ未勝利馬の歴代賞金王となったディープボンド、府中で重賞5戦3勝2着2回の府中巧者オーソリティ、屈腱炎での長期離脱から中495日での重賞制覇を果たしたヴェルトライゼンデ、「バ」の愛称で親しまれる逃げ馬バビット、ステイヤーズSにて2021年は芦毛包囲網で泡を吹き2023年は幻惑大逃げを決めたアイアンバローズなど。
芝短距離では活躍したせいでなかなか嫁入りしなかったゴルシの許嫁ロータスランドのほか、ウインカーネリアン・ウイングレイテストのウイン軍団スクリーンヒーロー産駒コンビ、現役のまま心不全で急逝したタイセイビジョンなど。
ダートでは武蔵野Sでレモンポップに土をつけフェブラリーSでの幻となった対決が惜しまれ続ける牝馬ギルデッドミラー、江田照男との「捲り逃げ」戦法でレースを引っかき回した個性派タフネス牝馬テリオスベルが人気を博したほか、中距離路線ではハギアレグリアス、短距離ではテイエムサウスダンなどがいる。
地方競馬では金沢競馬場生え抜きのハクサンアマゾネスが重賞25勝を達成し、平地重賞最多勝記録を塗り替えた。獲得賞金では短距離で活躍する船橋のスマイルウィが世代最多。また中央時代にアイアムハヤスギルとの会話が成立する珍名馬券で話題となったオヌシナニモノが金沢に移籍して活躍している。
GⅠ勝利馬一覧
世代別GI
競走名 | 2019年(2歳) | 2020年(3歳) |
---|---|---|
朝日杯フューチュリティステークス | サリオス | |
阪神ジュベナイルフィリーズ | レシステンシア | |
ホープフルステークス | コントレイル | |
皐月賞 | コントレイル | |
東京優駿(日本ダービー) | コントレイル | |
菊花賞 | コントレイル | |
桜花賞 | デアリングタクト | |
優駿牝馬(オークス) | デアリングタクト | |
秋華賞 | デアリングタクト | |
NHKマイルカップ | ラウダシオン |
古馬GI
競走名 | 2020年(3歳) | 2021年(4歳) | 2022年(5歳) | 2023年(6歳) | 2024年(7歳) |
---|---|---|---|---|---|
フェブラリーステークス | カフェファラオ | カフェファラオ | |||
高松宮記念 | |||||
大阪杯 | レイパパレ | ポタジェ | |||
天皇賞(春) | |||||
ヴィクトリアマイル | |||||
安田記念 | |||||
宝塚記念 | |||||
スプリンターズステークス | |||||
天皇賞(秋) | |||||
エリザベス女王杯 | アカイイト | ||||
マイルチャンピオンシップ | |||||
ジャパンカップ | コントレイル | ヴェラアズール | |||
チャンピオンズカップ | テーオーケインズ | ジュンライトボルト | |||
有馬記念 |
中央障害重賞
競走名 | 2020年(3歳) | 2021年(4歳) | 2022年(5歳) | 2023年(6歳) | 2024年(7歳) |
---|---|---|---|---|---|
阪神スプリングジャンプ | |||||
中山グランドジャンプ | イロゴトシ | イロゴトシ | |||
京都ハイジャンプ | |||||
東京ジャンプステークス | スマートアペックス | ||||
新潟ジャンプステークス | サクセッション | ||||
小倉サマージャンプ | テーオーソクラテス | ||||
阪神ジャンプステークス | |||||
東京ハイジャンプ | ゼノヴァース | ||||
京都ジャンプステークス | |||||
中山大障害 |
地方ダートグレード競走GI級
世代別
競走名 | 2019年(2歳) | 2020年(3歳) |
---|---|---|
全日本2歳優駿 | ヴァケーション | |
ジャパンダートダービー | ダノンファラオ |
古馬GI
競走名 | 2020年(3歳) | 2021年(4歳) | 2022年(5歳) | 2023年(6歳) | 2024年(7歳) |
---|---|---|---|---|---|
川崎記念 | ウシュバテソーロ | ライトウォーリア | |||
かしわ記念 | ショウナンナデシコ | メイショウハリオ | |||
さきたま杯 | 2024年よりJpnI昇格 | ||||
帝王賞 | テーオーケインズ | メイショウハリオ | メイショウハリオ | ||
マイルチャンピオンシップ南部杯 | カフェファラオ | ||||
JBCレディスクラシック | |||||
JBCスプリント | タガノビューティー | ||||
JBCクラシック | テーオーケインズ | ||||
東京大賞典 | ウシュバテソーロ | ウシュバテソーロ |
海外平地GI
競走名 | 2020年(3歳) | 2021年(4歳) | 2022年(5歳) | 2023年(6歳) | 2024年(7歳) |
---|---|---|---|---|---|
サウジカップ (كأس السعودية) (Saudi Cup) |
パンサラッサ | ||||
ドバイターフ ( دبي تيرف) (Dubai Turf) |
COVID-19により 開催中止 |
パンサラッサ | |||
ドバイワールドカップ ( كأس دبي العالمي) (Dubai World Cup) |
COVID-19により 開催中止 |
ウシュバテソーロ | |||
香港ヴァーズ (香港瓶) (Hong Kong Vase) |
ウインマリリン |
記事のある2020年クラシック世代の競走馬
日本調教馬
- アカイイト(競走馬)
- アリストテレス(競走馬)
- イズジョーノキセキ
- イロゴトシ ※現役
- ウインマリリン
- ヴェラアズール
- ヴェルトライゼンデ ※現役
- ウシュバテソーロ ※現役
- オーソリティ(競走馬)
- オヌシナニモノ ※現役
- カフェファラオ
- ギルデッドミラー
- コントレイル
- サリオス
- ジュンライトボルト
- ショウナンナデシコ
- タガノビューティー ※現役
- ダノンファラオ
- デアリングタクト
- ディープボンド
- テーオーケインズ
- テリオスベル
- ハクサンアマゾネス
- バビット ※現役
- パンサラッサ
- ブラックホール(競走馬)
- フルフラット(競走馬)
- プロミストウォリア
- ポタジェ ※現役
- メイショウハリオ ※現役
- ライトウォーリア ※現役
- ラウダシオン
- レイパパレ
- レシステンシア
- レッドベルジュール
- ロータスランド
海外調教馬
- アルピニスタ(イギリス)
- カントリーグラマー(アメリカ合衆国)
- ゴールドトリップ(オーストラリア)
- サーペンタイン(アイルランド)
- シスキン(アイルランド)
- シャールズスパイト(カナダ)
- ストラクター(アメリカ合衆国)
- トルカータータッソ(ドイツ)
- ナダル(競走馬)(アメリカ合衆国)
- パイルドライヴァー(イギリス)
- バスト(2017年生の牝馬)(アメリカ合衆国)
- フォーウィールドライブ(アメリカ合衆国)
- フクム(イギリス)
- ミシュリフ(イギリス)
- ラヴ(競走馬)(アイルランド)
関連動画
関連リンク
関連項目
前世代 | 当記事 | 後世代 |
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