概要
初代ブルートレインとして成功を収めた20系寝台客車の後継として、客室設備と安全性の両面を向上させた特急型寝台客車。1973年に第一陣が登場・営業開始して以来、系列全体で498両が製造された。寝台列車が次々と消滅する中、寝台特急としては2015年の「北斗星」廃止まで走り続けた。その後はJR最後の定期急行列車「はまなす」のみで運用されていたが、それも2016年3月に廃止され、24系はこれをもって定期運用を失った。
本系列は客室設備が製造途中で変更され、形式名に24形を名乗るグループと25形を中心に名乗るグループとに大きく分けられる。さらに25形では番台区分が存在し、趣味的にはこれも別に扱うことが一般的である。
24形
20系の陳腐化に伴い登場した14系寝台客車は、幅の拡大や電動昇降などの新しい3段寝台設備によって居住性の向上を果たし人気を得た。しかし同車の製造中に発生した事故によって、床下に搭載された小型ディーゼル発電機が問題視されたため、急遽製造を取りやめることとなった。
代わりに製造されたのが14系から小型発電機を取っ払い、電源車を別に用意した24系である。
14系と全く同一の設備を持つ、開放式A寝台・3段式B寝台・食堂車が用意された。電源車には14系のものの倍近い430PSディーゼル発電機を2台搭載し、1両で編成全体の電力を供給する。
1973年に1次製造分が登場しているが、次回からは25形に移行したため118両のみの新造に終わっている。
25形
当時の列車B寝台で最も要望されていた高さを改善するため、24形を2段寝台へと改良したグループが25形である。
24系の一員であることから一般に「24系25形」と呼ばれている(相対に本家24形は「24系24形」と呼ばれる)。また番台区分変更前のグループを特に0番台と区別することがある。
当時B寝台をA寝台と同一の2段にしたことは歓迎されたが、国鉄側としては定員減を少しでも埋めるための車内レイアウトに苦労したという。また居住性の向上を理由にA寝台が、24形から転用するため食堂車がそれぞれ不要と判断され、共に製造されていない。
給電方法は24形と同一であるが、車体飾り帯が白塗装からステンレス帯に代えられたこともあって荷物室つきの新しい電源車が一緒に登場している。
1974年から2次にわたる製造で、151両が製造された。以後は番台区分が変更された100番台に移行している。
25形100番台
25形0番台をマイナーチェンジしたグループ。省力化と個室需要に応え、B寝台車が新たに100番台とされた。
25形に存在したB寝台上段の電動昇降装置が不要と判断されたことから、固定しそのぶん窓を縮小した。また東京発九州方面の花形列車に個室を復活させるため、1人用を14室備えた個室寝台車が登場している。
電源車は0番台のものを引き続き製造。個室つき新造編成に24形の食堂車を挿入し、100番台最初の製造分が1976年から運行を開始した。
その後荷物室を拡大した100番台電源車の登場や、余剰となった14系食堂車の改造編入などと共に数を増やし、24系の決定版となる。最終的な100番台の製造は229両であった。
変化
24系の登場以来、夜行列車を取り巻く情勢がめまぐるしく変化したことから、落成後比較的早い時期から改造を受けた車両が多い。また保守・保全を目的とした改造は、長い間活躍を続けている車両の各所に施されている。
また現代における高い個室の要望に伴い、JR化後に様々な形態へと個室化改造が行われた。初版編集者の手元にある資料によれば個室化改造車はとてつもない種類が存在し、気力が持たないのでここでは割愛する。そういうのは列車名記事で列車ごとの設備として書いた方が良いかもしれない。
運用
かつて日本全国を結んでいた寝台特急の多くに使用された。有名な例を挙げれば、はやぶさ号・富士号・あさかぜ号・出雲号・あかつき号・彗星号・なは号・つるぎ号など。
時代の変化と共に寝台列車は減少し、寝台特急としては晩年は北斗星号・トワイライトエクスプレス号の2列車で運用されていた。それらが廃止された後も急行列車「はまなす」の寝台車としての運用が残っていた。
客車は動力装置を持たないため比較的長生きできる鉄道車両だが、寝台列車を取り巻く社会的情勢の変化には抗えず、2016年の「はまなす」廃止によって定期運用がなくなった。
その後は老朽化の進行で運用が無いまま廃車、解体が進み、現在JR上で車籍を残しているのは3両のみ。うち1両は純粋な食堂車として製造されたオシ24のトップナンバーかつ最後まで残った車両であり、塗装の劣化が激しいうえに頻繁に入換がなされていることなどから今後の動向が注目されている。(これ以外に保存されている24系の食堂車は京都鉄道博物館ほかのスシ24があるが、これは元々485系、489系からの改造車で純粋な24系食堂車ではなく、現状純24系食堂車で生き残っているのはオシ24 701のみ。)
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関連項目
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