250セーブとは、日本プロ野球名球会の入会条件のひとつ。リリーフ投手の入会条件。
概要
当初、名球会の入会条件は200勝と2000本安打だけだったが、投手分業制の浸透でリリーフ投手の評価が上がったことにより条件が改定され導入された。他の条件と同様、日米通算でも入会可能。
導入されたのが比較的最近で達成者が少ないため、200勝や2000本安打ほどには知られていない。
200勝、2000本安打ともにまず15年以上は一線で活躍し続けることが必要な数字であるのに対し、抑え投手の年間セーブ数はおよそ20~30セーブ台、多ければ40前後まで届くため、250セーブに必要な年数はおおよそ10年前後といえる。しかし、必要な年数が少ないから簡単というわけでは決してない。むしろ、達成難易度は200勝に匹敵する難しさかもしれない。
何しろ抑えを任されセーブ数を稼げる投手というのは通常チームに1人である。つまり、チーム内で最高のリリーフ投手という立場を10年守り続けなければならないのだ。一度でも怪我や不調でクローザーの地位を剥奪され、その間に他のクローザーが台頭した場合、復帰しても元の地位に返り咲くのは困難である。しかも年間50試合以上の登板を続けるリリーフは負担が大きいため通常先発投手よりも寿命が短い。酷使に耐え続ける、大きな故障をしないタフな身体と精神力も必要不可欠である。若くしてクローザーに抜擢されれば達成する可能性が高いかというとそうでもなく、若く有望な投手の場合はチーム事情や負担への考慮などにより先発に配置転換されることも多い。現代野球においてクローザー1本で10年続けるというのは並大抵のことではない。そもそも長い日本プロ野球の歴史において10年連続50試合登板を達成した選手は岩瀬仁紀と宮西尚生の2名しかいない。(岩瀬はさておき、宮西もNPB最多ホールド記録を持つ豪腕である)
かつて00年代には、永川勝浩が抑えとしては安定感に欠けるにもかかわらずハイペース(2003年~2009年の7年間で163セーブ)でセーブを稼いでいたため、特にネット上では250セーブは200勝に比べて達成難易度が低い基準と見なされ、「永川でも入れる名球会」と半ば揶揄される形で語られていた。
しかし当の永川自身は2010年以降故障等が影響して抑えの座を失い、通算165セーブで引退。永川だけでなく、小林雅英(日米通算234セーブ)、馬原孝浩(182セーブ)、藤川球児(日米通算245セーブ)、デニス・サファテ(234セーブ)など、250セーブが達成可能と思われた抑え投手が岩瀬仁紀以外ことごとく250セーブに届かず引退したため、現在は非常に達成難易度の高い基準(藤川でもサファテでも入れない名球会)として評価が見直された経緯がある。
これほど達成難易度が高い理由は野手は勝敗に関わらず1試合で最大5安打程度積み上げれることに対し投手の勝利とセーブはチームが勝利しないと積み上げることができない上1試合で1つしか積み上げることができないこと(特にセーブは僅差で勝利しないといけない点)が要因である。
なお、先発と抑えを兼任した投手の場合、勝利数とセーブ数は合算されない。そのため、大野豊(148勝138セーブ)、佐々岡真司(138勝106セーブ)、斉藤明夫(128勝133セーブ)、上原浩治(134勝128セーブ)などの「100勝100セーブ」達成者は206勝(193セーブ)の江夏豊を除いて名球会入りの資格を得られていない。
さらに言えばMLBですら250セーブ達成者は37名しかいないことから、いかに250セーブが難しいかがわかる。
250セーブ達成者(達成順)
(2023年終了時点、シーズン中の達成者はシーズン終了まで2**表記。)
太字は現役選手
- 佐々木主浩(381セーブ) - 日米通算(NPB252セーブ/MLB129セーブ)。
- 高津臣吾(313セーブ) - 日米通算(NPB286セーブ/MLB27セーブ)。
- 岩瀬仁紀(407セーブ) - NPBのみ。
- 平野佳寿(250セーブ) - 日米通算(NPB242セーブ/MLB8セーブ)。
通算150セーブ以上の現役選手
(2023年終了時点)
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関連項目
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