概要
1988年3月13日にデビューした車両で、国鉄民営化後初の新設計車両でもある(開発自体は国鉄末期から)。
愛称は「ハイパーサルーン」。
車両中央に乗降ドアを設けることで、1両を2区画に分けた構造が特徴。2区画に分けることで、グリーン席や普通席、指定席、自由席、喫煙席、禁煙席など、座席を細かく設定することが可能になった。しかし、この特殊構造のため、客室から乗降デッキに出たつもりが、車端部のトイレに出てしまい混乱する初心者は多い(実は、赤色の自動ドアがデッキに繋がっている・・・のだが車内でそうした案内は行われない)。
民営化後初の新設計車両であったが、エクステリアはそれまでの国鉄型車両のイメージからかけ離れたものとなった。(流線型の先頭形状、車両中央の乗降ドア、大型窓とステンレス車体の組み合わせ等)
また接客面でも、大きな前面展望窓、全面カーペット敷き仕様、LED式の客室案内、オーディオサービス(現在廃止)、客室乗務員の乗務(現在廃止)など意欲的な面が多い。デビュー当時は、新生JRの象徴に近い存在となっていた。
なお787系登場後の大規模リニューアルに加え、佐世保線特急「みどり」「ハウステンボス」転用時には塗色変更等の小規模リニューアルも行われた。都合、短期間で2度のリニューアルが行われる希有な例ともなっている。
この転用に際しては先頭車が不足。そのため、後付け感ただよう貫通型の運転台を取り付けて先頭車に改造。「みどり」「ハウステンボス」は併結して運転される事が多いため、両列車の間に貫通型の運転席が入るようにしている。ただ予備車が少ない為、乗ってみるとあんまり通り抜けが出来ない。
また、暖房容量の不足が問題視され、2002年頃から一部普通車座席を485系廃車発生品のシートに交換している。783系オリジナル座席と異なり、座席下が空いていないなど、長時間乗車には辛め。
さらに最近では、ハウステンボス編成のみ大規模リニューアルが行われている。内装、外装のデザインはいつもの水戸岡先生が設計。外装はすべてオレンジ色一色に塗装。内装は木目調で、座席はカラフルな柄付きのモケットに変更されている。登場から約30年。JR九州はまだまだ使い倒すようである。
歴史
運用開始時はまず鹿児島本線特急「有明」から投入され、その中でも西鹿児島発着便には「スーパー」を冠した速達便を設定。「スーパー」を冠する特急名の先駆けともなった。
また、当時非電化だった豊肥本線には、ディーゼル機関車牽引の上で水前寺駅まで乗り入れていた。
その後、長崎本線特急「かもめ」にも投入され、こちらも好評を博す。
・・・が、1992年には鹿児島本線特急の一部に豪華特急787系が投入される(あわせて西鹿児島発着便は「つばめ」へ改称)。
登場時は新鮮だった783系であったが、同区間を走る787系に比べると見劣りするため、デビューから6年で大規模なリニューアル工事が行われることに。
その後は787系の増備により鹿児島本線からは完全撤退。
リニューアルを受けた783系は長崎本線特急「かもめ」の主力に抜擢される・・・も、2000年ダイヤ改正では振り子電車885系が「かもめ」に投入され、またもや見劣りする車両に。
その後は老朽化していた485系を置き換える為、九州各地に転用。華々しい登場とは裏腹に、流浪の車両、不運の車両と言われる所以である。
885系登場以降、2011年3月11日までは、長崎・佐世保方面の「かもめ・みどり・ハウステンボス」、大分・宮崎方面の「にちりん」「ひゅうが」等が運用の中心となる。
「かもめ・みどり・ハウステンボス」は博多~肥前山口間を13両編成で運転。ただし、運行時間帯、シーズンや曜日によって両数は頻繁に変わる。編成によって停車位置は異なるため、「ホームの何処に何号車が来るか」は常に謎であった。
2011年春のダイヤ改正をもって、「かもめ」運用から783系「かもめ」編成は完全撤退(短距離便のみ「みどり」編成での運行は残る)。「かもめ」編成の後継には、九州新幹線開業により不要となった元鹿児島本線787系が転用される。またか。
783系の旧「かもめ」編成は、2011年ダイヤ改正からは日豊本線に転用され、今度は宮崎を経由して鹿児島中央まで乗り入れる事に。流浪の旅は続く。
また日豊本線では2011年3月ダイヤ改正まで「にちりん」「にちりんシーガイア」のほか、短距離特急「ひゅうが」夜行特急「ドリームにちりん」でも運行されていた。これらの旧「にちりん」編成は、なぜか「かもめ」編成よりもKAMOMEロゴが多く使用されていたのが特徴。また、今時珍しい、昼行夜行を織り交ぜたハードな運用も特徴だった。
2011年3月12日のダイヤ改正に伴い、夜行特急「ドリームにちりん」が廃止される一方で「きりしま」 でも運行を始めた。ただし、現在の「にちりん」「きりしま」等には、2011年3月まで「かもめ」を勤めた編成が転用されている。
この他、2011年3月ダイヤ改正では、783系が初投入された「有明」運用に2往復が復帰・・・したものの、2018年3月の大減便で有明の運用から撤退した。
他にも通勤時間帯のみだが「きらめき・かいおう」にも充当されている。
昼夜問わず使用された旧「にちりん」編成だが、現在はこれらの短距離特急や予備車として細々と走っている。
スペック
運用
- かいおう(直方~博多)
- かもめ(佐賀→吉塚)
- きらめき(門司港・小倉~博多)
- きりしま(宮崎~鹿児島中央)
- にちりん(大分~南宮崎・宮崎空港)
- にちりんシーガイア(博多~宮崎空港)
- ハウステンボス(博多~ハウステンボス、みどりと併結して運転)
- ひゅうが(延岡~宮崎空港)
- みどり(博多~佐世保、一部ハウステンボスと併結して運転)
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関連項目
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- 0pt
https://dic.nicovideo.jp/t/a/783%E7%B3%BB