A400Mは、エアバス社によって開発された軍用輸送機である。
概要
NATO諸国では1960年代より米国製C-130やドイツとフランスが共同開発したC-160といった輸送機を運用していたが、1980年代にはこれらの次の世代の中型輸送機を共同開発する『FIMA[1]』計画が持ち上がった。1983年にはすでに仏アエロスパシアル社、英BAE社、独MBB社、米ロッキード社により共同開発の覚書を交わしている。が、1989年に「欧州専用輸送機にしようぜー」って話になり計画名は『ユーロフラッグ』に変更。その後1990年代にソ連が崩壊してまた仕様とかころころ変わり、結局開発は1995年にエアバスが設立したエアバス・ミリタリー社、現在のエアバス・ディフェンス・アンド・スペース社が主体となって開発を進めることとなった。この時にA400Mと命名されている。その後も各国間のの調整が長引き、計画が実際にスタートしたのは2003年、計画を言いだしてから実に20年後の話であった。
2009年に試作1号機が初飛行、2013年に量産型1号機がフランス空軍に引き渡された。
とりあえず性能諸元と機体解説
A400M | (参考)C-2 | |
全長 | 45.1m | 43.9m |
全幅 | 42.4m | 44.4m |
全高 | 14.7m | 14.2m |
空虚重量 | 60.8t | 60.8t |
最大離陸重量 | 136.5t | 141t |
エンジン | ユーロプロップ・インターナショナル TP400K×4 |
GE CF6-80C2K1F×2 |
巡航速度 | 780km/h | 890km/h |
航続距離 | 6,390km (貨物20トン積載時) |
7,600km (貨20トン積載時) |
機体の基本デザインは高翼にT字型尾翼、胴体の両側にバルジを設けて主脚を収納、胴体後部にランプ付きカーゴドアという軍用輸送機としては標準的なものになっている。エンジンはターボプロップ4発で、8枚ブレードのプロペラは内外で逆回転してトルクを打ち消すようになっている。
実際のところどうよ
大絶賛炎上中。
仕様がころころ変わったというのは先にも述べたが主に要求搭載量がどんどこ増えてしまったのである。そのため増えるたびに構造計算をやり直す⇒強度不足で設計やり直し⇒機体重量増⇒エンジン出力足りないんで軽量化のため設計やり直し⇒強度不足で(ryを延々繰り返し、試作機が飛んだあとでも強度不足に悩まされた。おまけにエンジンのTP400Kが要求する出力が出ずにこちらも開発が遅れ、2009年配備予定が2009年初飛行という体たらくとなってしまった。2013年にようやく量産初号機がフランス空軍に納品され、現在各国へ徐々に引き渡されつつある。
しかし2015年にスペインで完成したばっかりの機体がエンジンの制御プログラムのバグにより墜落、乗員4人死亡という惨事が発生。さらに2016年には要求されていたはずの不整地滑走路での離着陸能力が実はなかったことが判明したとかエンジンがなんとたった20時間動かしただけでオーバーホールしないといけないことをすっぱ抜かれたりとか不都合がばれまくり、とうとうドイツ空軍は「A400M買うのやめる!」と言い出してしまった……いやこの不都合、元はと言えばあんたらが要求性能上げまくった[2]せいでしょうが。
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関連項目・外部リンク
脚注
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