AFCチャンピオンズリーグとは、毎年アジアで開催されるサッカーのクラブチームによる大陸別選手権大会である。略称は「ACL」。UEFAチャンピオンズリーグと区別するために「アジアチャンピオンズリーグ」とも呼ばれる。
概要
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アジアサッカー連盟(AFC)に所属する各国リーの上位クラブが競う大会である。アジアサッカー連盟という枠組みで行われるため、2006年にアジアサッカー連盟に加盟したオーストラリアのチームも参加する。
1967年12月にアジアチャンピオンクラブズトーナメントとして第1回大会が開かれ以後1969年1月、1970年4月、1971年4月と4度開催された。1985-86年にアジアクラブ選手権として再開され、1年に1回アジアNo.1を決める大会として定着するようになる。
かつては各国リーグ戦(日本の場合はJリーグ)上位チームによるアジアクラブ選手権の他に各国カップ戦(日本の場合は天皇杯)優勝チームによるアジアカップウィナーズカップ、そしてこれら2つの大会の優勝チームが争うアジアスーパーカップが並存していたが、2002年に3つの大会がが統合されAFCアジアチャンピオンズリーグとなった。
AFCチャンピオンズリーグに大会名を改めてから日本勢は、2007年の浦和レッズと、2008年のガンバ大阪の2大会で優勝している。前身となる大会を含めると、日本勢初の優勝は1986-87シーズンの古河電工(現:ジェフユナイテッド市原・千葉)まで遡る。
開催時期はJリーグと同じく年度ごとの春秋制となっていたが、2023-24年大会より秋春制に移行することが決定している。
大会結果
シーズン | 優勝 | 準優勝 | 最優秀選手 |
---|---|---|---|
アジアチャンピオンクラブズトーナメント | |||
1967 | ハポエル・テルアビブ | セランゴール | - |
1969 | マッカビ・テルアビブ | 陽地 | - |
1970 | タージ | ハポエル・テルアビブ | - |
1971 | マッカビ・テルアビブ | アル・ショルタ | - |
アジアクラブ選手権 | |||
1985-86 | 大宇ロイヤルズ | アル・アハリ | - |
1986 | 古河電工 | アル・ヒラル | - |
1987 | 読売クラブ | アル・ヒラル | - |
1988-89 | アル・サッド | アル・ラシード | - |
1989-90 | 遼寧東葯 | 日産自動車 | - |
1990-91 | エステグラル | 遼寧東葯 | - |
1991 | アル・ヒラル | エステグラル | - |
1992-93 | パース・テヘランFC | アル・シャバブ | - |
1993-94 | タイ・ファーマーズ・バンク | オマーン・クラブ | - |
1994-95 | タイ・ファーマーズ・バンク | アル・アラビ | - |
1995 | 一和天馬 | アル・ナスル | - |
1996-97 | 浦項スティーラース | 天安一和天馬 | - |
1997-98 | 浦項スティーラース | 大連万達 | - |
1998-99 | ジュビロ磐田 | エステグラル | - |
1999-00 | アル・ヒラル | ジュビロ磐田 | - |
2000-01 | 水原三星ブルーウィングス | ジュビロ磐田 | - |
2001-02 | 水原三星ブルーウィングス | 安養LGチータース | - |
AFCチャンピオンズリーグ | |||
2002-03 | アル・アイン | BECテロ・サーサナ | - |
2004 | アル・イテハド | 城南一和天馬 | - |
2005 | アル・イテハド | アル・アイン | - |
2006 | 全北現代モータース | アル・カラーマ | - |
2007 | 浦和レッズ | セババン | 永井雄一郎(浦和) |
2008 | ガンバ大阪 | アデレード・ユナイテッド | 遠藤保仁(G大阪) |
2009 | 浦項スティーラース | アル・イテハド | 盧炳俊(浦頂) |
2010 | 城南一和天馬 | ゾブ・アハン | |
2011 | アル・サッド | 全北現代モータース | 李東国(全北現代) |
2012 | 蔚山現代 | アル・アハリ | 李根鎬(蔚山現代) |
2013 | 広州恒大 | FCソウル | ムリキ(広州恒大) |
2014 | ウェスタン・シドニー | アル・ヒラル | アンテ・コヴィッチ(W・シドニー) |
2015 | 広州恒大 | アル・アハリ | リカルド・グラール(広州恒大) |
2016 | 全北現代モータース | アル・アイン | オマル・アブドゥッラフマーン(アル・アイン) |
2017 | 浦和レッズ | アル・ヒラル | 柏木陽介(浦和) |
2018 | 鹿島アントラーズ | ペルセポリス | 鈴木優磨(鹿島) |
2019 | アル・ヒラル | 浦和レッズ | バフェティンビ・ゴミス(アル・ヒラル) |
2020 | 蔚山現代 | ペルセポリス | 尹ビッカラム(蔚山現代) |
2021 | アル・ヒラル | 浦項スティーラース | サレム・アル・ドサリ(アル・ヒラル) |
2022 | 浦和レッズ | アル・ヒラル | 酒井宏樹(浦和) |
記録
クラブ別優勝回数
順位 | チーム | 回数 | 優勝年度 |
---|---|---|---|
1位 | アル・ヒラル | 4 | 1992,2000,2019,2021 |
2位 | 浦頂スティーラーズ | 3 | 1997,1998,2009 |
浦和レッズ | 3 | 2007,2017,2022 | |
4位 | エステグラル | 2 | 1970,1991 |
城南FC | 2 | 1996,2010 | |
アル・イテハド | 2 | 2004,2005 | |
全北現代モータース | 2 | 2006,2016 | |
マッカビ・テルアビブ | 2 | 1969,1971 | |
アル・サッド | 2 | 1989,2011 | |
タイ・ファーマーズバンク | 2 | 1994,1995 | |
水原三星ブルーウィンクス | 2 | 2001,2002 | |
蔚山現代 | 2 | 2012,2020 | |
広州恒大 | 2 | 2013,2015 |
国別優勝回数
順位 | 国名 | 優勝回数 | 準優勝回数 | 優勝チーム |
---|---|---|---|---|
1位 | 韓国 | 12 | 7 | 大宇ロイヤルズ 城南FC 浦項スティーラース 水原三星ブルーウィングス 全北現代モータース 蔚山現代 |
2位 | 日本 | 8 | 4 | 古河電工 読売クラブ ジュビロ磐田 浦和レッズ ガンバ大阪 鹿島アントラーズ |
3位 | サウジアラビア | 6 | 10 | アル・ヒラル アル・イテハド |
4位 | イラン | 3 | 6 | エステグラル パース・テヘランFC |
中国 | 3 | 2 | 遼寧東葯 広州恒大 |
|
イスラエル | 3 | 1 | ハポエル・テルアビブ マッカビ・テルアビブ |
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7位 | カタール | 2 | 1 | アル・サッド |
タイ | 2 | 1 | タイ・ファーマーズバンク | |
9位 | UAE | 1 | 3 | アル・アイン |
オーストラリア | 1 | 1 | ウェスタン・シドニー |
日本勢の成績
Jリーグでは2009年以降、Jリーグの上位3チームと天皇杯優勝チームの4チームに参加資格が与えられる。なお天皇杯優勝チームがJリーグで3位以内に入った場合はJリーグ4位のチームが繰り上げ出場となる。
※は繰り上げ出場。
「アジアで勝てない日本」
日本勢の優勝は2008年が最後で、それ以降、決勝に行くことすら出来ていない。2009年の名古屋など、ベスト4まで行くのが限界で、年によってはベスト16で全滅してしまっていた。
このことに関し、Jリーグはアジアで勝てない、弱いと批判を受けることが多い。
その理由としては多くのことが叫ばれるが、代表的なものとして以下があるだろうか。
- ACLに対するモチベーションが低い…ACLはリーグ戦の合間に行われ、近いところでも韓国、遠くではオーストラリアまで遠征することを要求される。このことにより、ターンオーバーをするにしても選手の疲労の蓄積具合は非常に痛いものである。それだけでなく、中韓の反日思想や、東南アジア系の未熟さ故のラフプレーによる負傷のリスクが、良くも悪くもフェアプレー精神が強いJリーガーには大きなストレスとなる。それでいて、優勝賞金はたったの2億2000万(AFCから1億8000万、JFAから4000万)。2017年以降のJ1優勝賞金の5分の1である。
一応、2018年以降は4億5000万になるなどAFCも徐々に賞金を上げているが、GL出場で1勝でもしようものなら中小クラブの経営が一瞬で安定する…は大げさだが、クラブの規模によっては運命を変えてしまうほどの莫大な収入のあるUCLとは天地の差である。 - ACLで勝つための補強をする余裕がない…日本ではスポーツビジネスという考え方が認知されておらず、広告に対してリターンを求める思考があり(野球のような特別な税制優遇はない)、大金を出してくれるスポンサーが見つかりにくい環境となっている。また、日本人は全体的にスポーツに対する関心が低いため、浦和など一部クラブを除けば観客動員も恵まれているとは言えない。結果としてクラブ収入が増加することが少なく、ACL行きが決まっても客足が伸びるわけでもないため、ACLでも活躍できそうな選手だったり、バックアップ要員だったりを補強しにくい状況である。
- 諸外国クラブの圧倒的な資金力…上記のようにJリーグは予算的余裕がない。その一方、昨今のアジアのリーグでは、ビジネスで成功したビッグオーナーが私財をつぎ込んで大規模補強を敢行してくる。中国Cリーグの広州恒大がそのいい例で、年間予算だけでもJ1チームをいくつ運営できるか?というほど。欧州や南米フル代表の主力を確保できるだけの金があるわけで、そりゃあ破格の戦力が揃うというわけだ。その資金は当然設備投資にも使われるわけで、Jリーグより遥かに恵まれた環境で選手のトレーニングを行えるので、レベルアップも早いだろう。東南アジアのクラブでもその傾向がみられる。
これらに対してJFAは指を咥えて眺めているだけ、というわけではない。日程面で優遇したり、ACLでの賞金をJFAが追加で出したりしている。それでも中々ACLで勝つことが出来ないでいるのが現状だろう。
2017年以降はJリーグ機構がDAZNと結んだ10年2000億円超という巨額の放映権収入を背景にJ1優勝賞金が10億超えとなるなど大幅に増加、
さらに2019年からは外国人枠も3+1から5に拡大されて積極補強を見せるクラブが大きく増加している。
このDAZNマネーを当て込んだ強化が実ったのか、浦和レッズと鹿島アントラーズが2017、2018のACLを勝ち取っている。
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