Big Rigsとは、アメリカのStellar Stoneが開発、アクティビジョンが2003年に販売したWindows向けカーゲーム(?)である(断じてレースゲームではない)。トラックゲームを狙った可能性もあるが定かではない。
あまりの酷さにジョーク好きのアメリカ人でさえ筆舌に尽くしがたいクソゲーと言わしめている。
概要
世にクソゲーと呼ばれる作品は山のようにあるが、これよりもひどいゲームは無いと言わしめるほどにひどいゲームである。
内容を考えれば「商品未満」とさえ言えるだろう。
さて、肝心の内容としてはプレイヤーは使用する車を選択し、コースを選択して走ると言う至って普通のレースゲームである。設定によると、「AI操作の敵トラックとカーチェイスをしつつ、パトカーから逃げ切って指定された場所に荷物を届ける」という事。この事を頭に入れて以下の文章を読んで頂きたい。
・・・というひどい仕上がりとなっている。その後、パッチが公開されて以下の項目は修正された。
- 敵トラックが動かない現象が改善。しかし敵トラックはゴールの手前で止まるためプレイヤーが必ず勝つ様になる。
- サウンドエフェクトが再生されるようになった。ただしレース中はエンジン音くらいしか鳴らない。
- 選ぶと必ずクラッシュするコースが差し替えられた。ただしそのコースは既存のコースの逆走版である(いかにも夜の街中と言うサムネだが、見事にサムネ詐欺である)。
- 「YOU'RE WINNER」が「YOU WIN」に直っている。
・・・もっと他に直すべき所が沢山あると思うんだ。
とにかくゲーム性・操作性・BGM無しなど全方面でスキがないクソゲーであり、本当に2003年に発売された商業ゲームなのかと疑うゲームクオリティである。一応、グラフィックだけは辛うじて標準といえるレベルなのがせめてもの救いか。
興味深いのは個人製作のゲームではなく、ゲームソフト開発・販売会社のアクティビジョンから発売した点である。
評価
あまりにも堂々としたクソゲーゆえに、「世界最悪のクソゲー」と呼ばれており、gamespotなどでの北米系ゲーム評価サイトでは10点満点中堂々の1点を獲得している。
ユーザーレビューでも散々な評価で『1点を付けるのすらイヤだ。』、『ユーザーレビューの方がゲームよりよっぽど面白い。』、『ゲーム以外の視野を大きく広げる事が出来た。』と言われる程であった。またMorgan Webbではなんと採点を放棄する事態にまで発展した。
当初の販売価格が5ドル前後の低価格と考えれば、安物買いの銭失いといった感じであろう。マイナーな作品であったが、後年ネットで最悪の出来であると話題になり、2010年代前半では米amazonのプレミア価格で60ドル~80ドル前後の価格になっている。
なお、この作品のプロデューサーであるSergey Titov氏は問題ありの人物であり、9年後の2012年にゾンビ物のアクションFPSの「Infestation: Survivor Stories(旧称:The WarZ)」のエグゼクティブマネージャーとして就任するのだが、当初実装予定だった要素を実装させなかった等の問題を起こしてSteamでは返金騒動が発生、Gamespotなどの各大手ゲームレビューサイトでは軒並み不評を買うなど散々な結果となった(Gamespotで10点満点中2点)。
開発元のStellar Stone(2000~2006)自体はアメリカ・カリフォルニアのゲーム会社であったが、このゲームの戦犯リスト開発者の名前は何故かロシア系ばかりである。プロデューサーの名前自体ロシア系。海外ファンによるとこれ程ひどいのは内部争いや社員の恨みがあったのでは?と推測されているが、いずれも噂レベルである。
後年メガドライブ用の「CRAZYBUS」なるゲーム(?)が発掘された。2004年頃にベネズエラでテスト用に作られたデモ作品(体験版)であるとされ、不快にさせるタイトルBGMから始まり、背景の画像とタイマーを見つつ、左右の方向キーを押してバスが通過するのを楽しむという2Dミニゲーム(?)作品である。
行動不能バグの有無と3Dと2Dの作品の比較の対象が違えど、CRAZYBUSを最低最悪のゲームとする評価がある・・・が、そもそもCRAZYBUSは販売を意図して作られたゲームではなく、本来はただのテストプログラムであるため、比べるのはお門違いなのかもしれない(詳しくは記事「CRAZYBUS」を参照)。
今後「Big Rigs」を超える最悪なゲームの発掘が期待・・・待たれる。
関連動画
一応パッチがあるらしいのだが・・・
関連項目
- 15
- 0pt