Buffalo buffalo Buffalo buffalo buffalo buffalo Buffalo buffalo(バッファローバッファローバッファローバッファローバッファローバッファローバッファローバッファロー)とは、文法的に正しく、かつ意味を持つ英文。
解説
直訳すると、
バッファローのバッファローがいじめるバッファローのバッファローは、バッファローのバッファローをいじめる。
となる。これでもまだなんだかわかりづらい。
この文では「buffalo」という言葉は、①地名、②バッファローという動物そのもの、③「いじめる」という意味の動詞の3つの意味で使われている。「いじめる」とかいう意味でbuffaloなんて単語使ってるのこの文以外で見たことないけど。それはそれとしてとりあえずこれらを文中に示すとこうなる。
Buffalo(地名)buffalo(動物)Buffalo(地名)buffalo(動物)buffalo(動詞)buffalo(動詞)Buffalo(地名)buffalo(動物).
よけいわかりにくくなった。しかし、「Buffalo(地名)buffalo(動物)」というのはつまり「バッファローのバッファロー」「バッファロー市に住んでるアメリカバイソン」ということなので、必ずひとかたまりで出てくる。というわけで「バッファローのバッファロー」を全部キリンにしてしまおう。
残ったbuffaloは2つとも「いじめる」という意味の動詞なので、
となる。
ところで、「アンドレ・ザ・ジャイアント」は「巨人のアンドレ」、「アブドーラ・ザ・ブッチャー」は「肉切り野郎アブドーラ」という意味である。このように英語では後ろから前の語を修飾することがある。The anime Bob likes(ボブの好きなアニメ)、The story she told (彼女の語った話)などのごとくである。前半3語はそんな構成になっていて、「キリン キリン いじめる」は「キリンがいじめるキリン」となる。こういう修飾をする時は関係代名詞を伴うことが多い(The anime that Bob likes)ので、「キリン that キリン いじめる」のようにした方がわかりやすい人もいるかもしれない。語順通りに訳そうとすると、「キリン(どういうキリンかっていうと、他のキリンがいじめてるやつ)」となる。文意をわかりやすくするには「他のキリンにいじめられてるやつ」としたほうがいいだろうが、それだとどうしてもbuffaloだけで文を構成することができない。そこがまたこの文のわかりにくさに拍車をかけているような気もする。
さて、ここまでが主語である。「キリン(キリンがいじめるやつ)」が主語なので、コイツが何かをするわけである。何をするかって言うと、キリンをいじめる。なんなんだこの集団は……
というわけでまた語順通りに訳そうとしてみるとこうなる。
文の構造としては「William, Emma loves, missed the train.(エマが愛するウィリアムは汽車に乗り遅れた)」みたいなのと同じである。
バッファローのバッファロー(バッファローのバッファローがいじめるやつ)は、いじめる。バッファローのバッファローを。
ここまでわかったところで元の文を眺めてみると……
Buffalo buffalo Buffalo buffalo buffalo buffalo Buffalo buffalo.
なんとなくわかった気がする!
図解
①Buffalo buffalo ②Buffalo buffalo ③buffalo ④buffalo ⑤Buffalo buffalo
⇒⇒⇒⇒ いじめる ⇒⇒⇒⇒ |
⇒⇒⇒⇒ いじめる ⇒⇒⇒⇒ |
|||
② | ③ | ① | ④ | ⑤ |
実を言うと、②と⑤が同じバッファローを指している、つまり、いじめられたバッファローがいじめ返している、という風に解釈できなくもない。さらに言えば、「いじめる」という行為が自分自身に対してもできるものである、と捉えれば、①、②、⑤すべてのバッファローが同じものであるという可能性すら出てくる。その具体的な一匹の名前がバフ太くんであるとすると、文章はこうなる。
Garden path sentence
バッファロー文のように「初見では意味不明だったり別の意味に読めたりする、文法的に正しい文」のことをgarden path sentenceという。garden pathというのは庭園の中の小道のことで、英語圏の人にとっては庭園の小道というのはいかにも人を迷わせるみたいなイメージがあるのかもしれない。日本語では「袋小路文」という訳語が当てられているが、検索結果が1,000件あまりとあまり浸透はしていないようだ。
代表的なもの、面白いものを少し紹介する。正解は下部のボックスをスクロール/スワイプで。
The old man the boat.
老人と船を並べて紹介しているわけではない。
The rat the cat the dog chased killed ate malt.
maltは大麦。殺されたのは誰?
Time flies like an arrow; fruit flies like a banana.
時は矢のように飛び、果物はバナナのように飛びます。メルヘンチック。
We painted the wall with cracks.
ヒビ(cracks)で壁を塗る。新しいことわざか何か?
Fat people eat accumulates.
まぁ太ってるなら蓄積する(accumulates)という概念だって食うだろ。
What is a word made up of 4 letters, yet is made up of 3. Although is written with 8 letters, and then with 4. Rarely consists of 6, and never is written with 5.
4文字で、でも3文字で、しかし8文字で、そんで4文字で、たまに6文字なんだけど5文字ってことは絶対ない言葉な〜んだ?
I think that that that that that man used was wrong.
どれだよ。
James while John had had had had had had had had had had had a better effect on the teacher.
ジョンどんだけいい影響持ってたんだ?
The gaps between fish and and and and and chips are unequal.
どのandもunequal(等しくない)ようには見えないぞ?
正解
The old man the boat.
→manは「人員を配置する」などの意味がある動詞。「老人たちは船に人員を配置する」
The rat the cat the dog chased killed ate malt.
→大麦を食べたネズミを殺したネコは犬に追いかけられた。
Time flies like an arrow; fruit flies like a banana.
→光陰矢の如し。ショウジョウバエ(flies)はバナナが好き。
We painted the wall with cracks.
→「wall with cracks」をpaintした、というわけで「ヒビだらけの壁を塗った。」
Fat people eat accumulates.
→Fat, people eat, accumulates.というわけで「人々が食べる脂肪は蓄積する。」
What is a word made up of 4 letters, yet is made up of 3. Although is written with 8 letters, and then with 4. Rarely consists of 6, and never is written with 5.
→"What" is a word made up of 4 letters, "yet" is made up of 3. "Although" is written with 8 letters, and "then" with 4. "Rarely" consists of 6, and "never" is written with 5.というわけで引用符でくくられた言葉の文字数を表していただけなのであった。約物の重要性がわかる文章。
I think that that that that that man used was wrong.
→I think that(~だと) that(あの) that(that) that(関係代名詞) that(あの) man used was wrong. …つまり、「あの男が使ったあのthatは間違っていたと私は思う。」
James while John had had had had had had had had had had had a better effect on the teacher.
→分かりやすくすると「James, while John had had "had", had had "had had". "Had had" had had a better effect on the teacher」
…すなわち、ジョンが「had」を使ったのに対し、ジェームズは「had had」を使った。「had had」はその教師に良い影響を与えた。となる。
The gaps between fish and and and and and chips are unequal.
→fish and chipsという言葉について、fishとand、そしてandとchipsの間の空白が等しくないことを示している。
日本語の場合
日本語にも「ぎなた読み」などいくつかこのような言葉遊び?を見つけることができる。これらがすべて袋小路文と言えるかは謎。ていうか袋小路文の定義からして謎。
あれちゃうちゃうちゃう?
「とっとっと?」「とっとっとよ」
ここではきものを脱いでください
関西人A 「なんや?」
関西人B 「なんや」
関西人A 「なんや?」
関西人B 「なんやとぉ!」
関西人A 「なんや!」
関西人B 「なんやとはなんや?」
関西人A 「なんや!」
関西人B 「なんや!」
関西の衆人 「なんやなんや?」
関西の衆人 「なんやなんや?」
関西の警官 「なんや?なんや?」
関西人A 「なんや!」
関西人B 「なんや!」
関西の警官 「なんやなんや」
関西の警官 「なんやったんや?」
関連項目
- バッファロー
- バッファロー市はアメリカのニューヨーク州に実在する。この言葉を最初に紹介した人物はバッファロー大学の准教授(当時)。
- バッフロン
- バファローベル
- バッファローマン
- ぎなた読み
- シロナガスクジラ現象
- あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
- 子子子子子子子子子子子子
- Nicolas Cage cage
関連リンク
- wikipedia同名記事 - 英語版の記事をそのままただ訳しただけみたいなクソ記事。
- 7 sentences that sound crazy but are still grammatical - The Week
- 英語 慣用句 lead down(up) the garden path 起源
- Garden Path Sentence (袋小路文) : 10penshaな日々
- 『この先生きのこる』や『暴カニ男』みたいなの探そうぜww - ゴールデンタイムズ
- Myriad Revery - ぎなた読み
- 44
- 0pt