Bv141単語

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Bv141とは、ドイツ軍妖怪試作偵察機である。

概要

第二次世界大戦中。
ドイツ航空省は内の飛行機メーカー

偵察機を作れと要した。
…しかしその話を受けた中には変態企業ブローム・ウント・フォス(以下B&V)が居た…これが問題だった。
後日、B&Vが提出してきた試作機に(恐らく)周囲の人間は絶句した。
一言で言うなら「あ り え ん」。

何しろ、提出されたのは左右非対称の飛行機

「視界良好」を達成するために、乗員が搭乗するのは全面ガラスりのキャビン
普通飛行機なら「胴体」に当たる部分はエンジン油圧系などの機器類のみ。
しかも"本体"とゴンドラで全長が…いやそもそも形状そのものが違う。
驚くべきことにこの驚異のフォルムにも関わらず操縦性などの基本スペックは極めて良好、安定性もさほど問題はない、見たとは裏に軽快に飛ぶ、最高速度や航続距離などにいたっては競作となったフォッケウルフFw189をもえていたということだ。
な、何を言っているのかわからないと思うが編集者にもわからない。
か本当かは知らないが、最初に離陸した時に立ち会った航空省の役人達は「なん…だと?」「マジで飛びやがったぁ!?」「ッ!だろ!?と叫んだとかなんとか

しかしエンジン油圧系に問題がある、汎用性の面で疑問がある、さらにはフォッケウルフの政治などもあって、結局採用されたのは(航空省の要を盛大に無視して双発にした)Fw189の方だった(もこのFw189も双胴機の中央にBv141と同じく、搭乗用のガラスりのキャビンをつける構造になっており、Bv141程ではないがアレな見たと言えるが)。政治とか不具合とかじゃなくてこんな気味の悪い見たの機体を採用できるかってことじゃないのかなあ…

ちなみにBv141を設計したリヒャルトフォーク博士は、Bv141以外にも左右非対称の機体をこれでもかというほど考案しているという。どうしても止めなかった。

まさかの爆撃機バージョン

姿形の時点で飛行機常識を蹴り飛ばしているBv141だが、さらには爆撃機バージョンの「Bv194」という機体も計画されていた
Bv141をベースに(当然、機体は左右非対称のまま)キャビンを始めとした機体を装甲化し、「胴体」の部分に爆弾倉を追加。
さらにダメ押しとばかりにキャビンの下に補助動として、Me262などにも搭載されたターボジェットエンジンユンカース ユモ004を搭載するという色々とな機体になる計画だったそうで。
一(見たに関して)救いようがある点と言えば、キャビンが装甲化されたことでコクピット(の防)が一般的なバブルになる予定だったことくらいか。

ただしこちらは計画のみで終わった。
フォーク博士自重してください。

…まあ、Bv141を世に送り出したB&V自体、戦闘グライダー・Bv40だの、取り付けが可変式のを持つ旅客機・Bv144だの、カタパルトでの発進が可な大水上機・Ha139だの、そういったゲテモノ独創性に富んだ機体をこれでもかというほど生み出しているわけだが。

一応、補足しておくと…

左右非対称デザインという極悪レベルインパクトのBv141だが、実は厳密に言うと一般的な飛行機微妙に左右非対称になるように設計されている
理由はエンジンで発生するトルクや、プロペラから発生した渦巻状の気流による相殺するためである。

…が、普通飛行機はあくまで「トルク等を相殺するための"微調整"のため」として、パッと見ただけでは分からない程度に僅かに左右非対称にしてあるという程度であり、Bv141のようなあからさまな形状は他に類を見ない。強いて言うなら「ルータン・ブーメランexit」くらいであろう。というかこんな飛行機、こいつら以外にあってたまるか

参照 - 三菱重工業Webサイトより。exit
ちなみにここで挙げられている「露な左右非対称の機体」は、どー見ても件のBv141とルータン・ブーメランである

Bv141の生まれ変わり?

1979年変態紳士イギリスで妙な軽飛行機が初飛行した。
OH-6などの小ヘリを思わせる全面ガラスりのキャビン。乗員数は3名。
そのキャノピーのすぐ後ろに鎮座するダクテッドファン式の推進装置。
巡航速度130km/h程度に抑え、地上観測に適した性に設定されている。

ヤツの名前エジレイ・オプティ
ジョンエジレイが「ヘリコプターの代用品となる、安価な観測機」をして設計した軽飛行機である。

地上観測に適した性、全面ガラスりで視界良好なキャビン、3人乗り、単発
何かに似ていないだろうか。
そう、この機体の特性や方向性はBv141に似通っている
ある意味Bv141を現代民間向けにアレンジした機体と言えるかもしれない。
も機体の形状は双ブーム方式であり、Bv141の競合製品となったFw189の生まれ変わりと見ることもできるかもしれないが)

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Bv141

13 ななしのよっしん
2016/04/17(日) 20:24:20 ID: L4fTaw0HwS
でも、これがすさまじい性と信頼性をたたき出してたら、
現代でも左右非対称航空機が、存命だったかもしれないだよな。
スペックだけ見れば、十分すぎる高性だし。
だけど、やはり信頼性が最重要よな。
10人なぎ倒せるけど、5割確率で不発するミサイルと、
3人しか倒せないけど、故障しないミサイルなら選ばれるのは後者だもんな。
いろんな意味で惜しい航空機だな。
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削除しました ID: St25BkxUoz
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15 ななしのよっしん
2016/12/20(火) 12:49:25 ID: OXGLEE6cdV
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16 ななしのよっしん
2017/04/08(土) 01:48:59 ID: sIV7KcjkyL
信頼性への不安もそうだけど、将来的にエンジンを換装する場合に重量や出トルクバランスが崩れて機体全体を再設計せざるを得なくなるのも不採用の理由みたい
おまけにこんなものを設計できるのもフォーク博士くらいなだしなあ
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17 ななしのよっしん
2017/11/23(木) 01:02:51 ID: eRuNiLO4xs
>>16
まぁ、そうなるな
と言うか、エンジンの出強化程度でもバランスが崩れそうな気がする。その辺当たりフォーク博士も考えていたんだろうけど、航空省の担当者は不安だろうな

これ実用性良かったらガーランドとかルーデルとか喜んで乗るような代物ナンロウか?
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18 ななしのよっしん
2017/11/25(土) 23:42:07 ID: kytF4y/WAb
尚、記事内でも紹介されているルータブーメランの設計者であるバート・ルータン氏の設計する機体もフォーク博士に負けず劣らずの曲者いでして…暇なら一度ググってみてね、絶対噴くから…
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19  
2017/12/23(土) 23:18:44 ID: VCavlPkjix
>>18
とりあえずエンテ機と双胴機が好きなのはわかった。
トルメキアガンシップみたいなのには吹いた
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20 ななしのよっしん
2018/12/20(木) 02:46:15 ID: oWSqVSrgaV
フォーク博士以外にもホルテン兄弟とリピッシュ博士も肩を並べるくらい変態設計者だけどな(バッヒェムも中々だけどな)
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21 ななしのよっしん
2019/03/07(木) 20:55:05 ID: Dg9+zHOc0q
世間では奇妙奇と言われるが、機義に極振りした姿は美しさを感じるなぁ。
特に少年漫画主人公かよって感じに左側だけ生えてる141B平尾美しい・・・。
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22 ななしのよっしん
2019/10/20(日) 23:29:03 ID: 7iT8YCQCPd
Bv141,FW189の競作機Ar198もマイナーだが変な機体
を挟んで胴体上下にキャノピーがあり、下キャノピーから脚が伸びている
なお性は三機種中一番悪かったよう
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