CapsLockとは、小文字と大文字を逆転させるキーボードロックである。
概要
CapsLockキーを押すとCapsLockがオンになる。この時、アルファベットを入力すると通常小文字になるところが大文字で入力され、Shiftキーを押しながら入力すると通常大文字になるところが小文字で入力される。CapsとはCapital letters(大文字)のことである。
タイプライター時代からの歴史的背景
CapsLockキーが生まれたのはタイプライターの時代である。
タイプライターは電力ではなくキーを押下する力で動作するので、全大文字と小文字を入れ替えるShiftキーは機構的に大きな力を必要とした。そのため連続して大文字を打つ時に小指にかかる負担が大きく、大文字小文字の入れ替え機構をロックする仕組みが求められるようになった。そこで登場したのがCapsLockキーである。
PCの時代になってからはキーを押すのに力は不要になり使用者は減ったが、過去との互換性の関係でキーボード上に残ったまま現在に至っている。
似たようなタイプライター時代からの遺産にQWERTY配列がある。
PC時代の問題
PC時代になりタイプライター時代にはなかった問題が頻発するようになった。パスワード誤入力問題である。
CapsLockを間違って押しても次に入力するまではPC画面上では変化がない。しかし、たとえ本人は意識することができなくてもCapsLockはオンになったままである。この状態でパスワード入力すると、正しいキーを押しているはずなのに「パスワードが違います」と言われるのである。
パスワード入力は文字がマスクされるので本人は気づくことができないが、大文字と小文字が入れ替わっているのだから正しい順番でキーを押してもパスワードが合うはずがない。にもかかわらず当人はCapsLockに気づいていないので、「打ち間違えたかな」とか「別のパスワードだったかな」と過ちを繰り返すことになる。そうこうしているうちに「パスワードの間違いが規定回数を越えアカウントがロックされました」という事態に陥るのだ。
かなり頻度が多いらしく、親切なシステムでは「パスワードが違います。CapsLockがオンになっていないか確認して下さい」と、わざわざCapsLockを名指しで指摘してくれる。ノートPCのキーボードでNumLockがオンになっていた場合や、NumLockオフの状態でテンキーを使ってパスワードを入力した場合でも同様の問題が起きるため、「CapsLockとNumLockの状態を確認して下さい」とあわせて指摘されることも多い。
CapsLockキー不要論
Windows系のキー配列では使用頻度が高めの「A」キーの左にCapsLockキーがあるため間違って触ってしまいやすい(Macではキーボード左下の隅にある)。その上、Shiftキーで代替が効くのでCapsLockキーを全く使わないユーザーも多い。無くても困らないくせにパスワード入力以外でも誤入力の原因になるということで、日本だけでなく英語圏でもCapsLockキー不要論というものが古くから存在し、「CapsLockキー + 無効化」などで検索すると様々な方法がヒットする。それでも廃止されないということは少ないながらも使用者がそれなりにいるということかもしれない。
スマホ時代?
スマホの入力はスクリーンキーボードだが、CapsLockキーがない代わりに「大文字入力モード」や「Shiftキーを2回連続で押すとShiftキーがロックされる」といった機構を備えているものが多い。
参考リンク
関連項目
- キーボード / タイプライター / PC / QWERTY配列
- アルファベット / パスワード / 何もしてないのに壊れた
- レガシー / いらない子 / 負の遺産
- Shift / Ctrl / Alt
- あ(Windows10)
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