COCOM(Coordinating Committee for Multilateral Export Controls : 対共産圏輸出統制委員会)とは、冷戦期に西側諸国で実施された先端技術の輸出規制である。「CoCom」と小文字混じりで表記される場合もある。
概要[1]
ソ連に対し特定の性能を超える軍事技術物資の輸出を禁止するもので、各国は制限品目をその性能とともに事項の法律に明記し、これを超えるものを輸出する場合は各国政府の許可取得を義務付けた。
1982年には東芝機械が制限を超える性能の工作機械をソ連に輸出し、問題になった。
チャイナに対しても同様のチンコム(CHINCOM)という国際合意が作られた。
今はココムもチンコムも無いが、輸出管理令の別表は残っており、ここに列挙されたものを輸出する場合は経済産業大臣の許可がいる。
また、現在のアメリカはココムやチンコムといった面倒な国際合意を無理に作り出す必要性を感じていない。自国の規制を強化し、それに違反した企業はたとえ外国企業であっても制裁措置を課すことができるし、アメリカ国内でビジネスをしていない企業であっても、米国の銀行との取引を禁止すればドル決済ができなくなり、その企業は海外との取引が不可能になるからである。
東芝機械[2]
東芝機械(株)がソ連に密輸出した多軸制御NCマシンによって作られたスキュードプロペラによってソ連原潜がとても静かになり、アメリカ海軍が探知に苦労している…というスキャンダルであったが、ソ連潜水艦の静粛性が改善されたのは、1985年に逮捕されたウォーカー一家の米軍情報持ち出しによるものであることがずっと後になって判明している。
また、実際にはアメリカ海軍はソ連原潜の探知に少しも苦労していなかった。同じ東芝機械のNCマシンで作ったスクリューを装備した海上自衛隊の潜水艦を、アメリカ海軍のP-3Cはリムパック合同演習で簡単に探知していたのである。
関連リンク
関連項目
脚注
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