本項では、2のE Ink社とその製品について述べる。
E Ink社
E Ink社は、1997年アメリカのマサチューセッツ州で創業した電子ディスプレイのメーカーである。多くの企業とパートナー契約を結び、同社の電子ペーパーが各社の製品に採用されている。
2009年、台湾のPrime View International(PVI)が米E Ink社を買収し、後にPVIからE Ink Holdingsに社名を変更した。その後ライバル企業の撤退などが続き、2013年には世界の電子ペーパー市場シェアの95%以上を占める結果となり、ほぼ独占状態にある。
製品ブランド
E Ink社が販売する電子ペーパーのブランド。同社が開発したマイクロカプセル型電気泳動方式を利用している。液晶や有機ELなどの薄型ディスプレイと違い画面の書き換え時にしか電力を消費しないので、採用製品の長時間駆動や、バッテリーの小型化による端末の薄型軽量化が可能とされている。現在はモノクロのものが主流で、カラーのE Inkはそれほど普及していない。
マイクロカプセル型電気泳動方式について簡略に説明すると、ガラス基板上に透明なマイクロカプセルを敷き詰め、カプセルの内部には帯電した白と黒の顔料とオイルを封入する。そこに電圧をかけることで顔料を移動させ、白と黒を表示している。
E Inkの世代
※右の( )内は発表年。
- Vizplex(2007)
- 従来問題とされていた書き換え速度や反射率を改善。
これ以前にも同社の電子ペーパーは存在したが、NookやKindle、koboなど各社の電子書籍端末に採用されたことから、第一世代E Inkと呼ばれることもある。 - Pearl(2010)
- コントラスト比を改善したVizplexの次の世代。
日本で発売されたものでは、Sony Reader(2010〜2013発売機種)、Kindle Paperwhite(2012)、kobo gloおよびaura等に採用された。 - Carta(2013)
- Pearlからさらにコントラスト比を改善。
Kindle Paperwhite(2013)に採用。
軽量ディスプレイ
- Mobius(2013)
- ソニーとの共同開発によるフレキシブル電子ペーパー。
従来のガラス基板からプラスチックTFTにすることで折り曲げや軽量化を実現。
Sony デジタルペーパーに採用予定。 - Fina(2013)
- ガラス基板のまま従来製品から重量・厚さを半減。
Pocket CAD Readerに採用予定。
カラーディスプレイ
- Triton(2010)
- 16階調グレースケールと4096色を表示可能。
RGBと白の4ピクセルが2x2の正方形に並んだグリッドから構成される。 - Triton 2(2012)
- 従来製品より高コントラストになり、正方形グリッドからストライプに。
Jetbook Color 2に採用。
その他
関連商品
関連項目
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