Enya(エンヤ)とは、アイルランド出身の女性ミュージシャンである。
概要
本名、Eithne Patricia Ní Bhraonáin(エンヤ・パトリシア・ニ・ブレナン)。Patriciaが洗礼名、Níが女性であることの表示となっており、「ブレナン家の娘エンヤ」という意味になる。
当初はEithne名義での活動を考えていたが、英語圏ではこのつづりをエンヤと読める人が居らず、エシナまたはエイジアと呼ばれてしまうため、Enya名義で活動している。母語はゲール語であるが、現在はほぼ英語で活動している。
1961年、アイルランド北西部のドニゴール県グウィドーに、9人兄弟の5番目、三女として生まれた。父はショウバンドを率いる傍らで居酒屋を経営、母は地元の学校で音楽教師をしていたという。家族揃って音楽に親しんで育ち、11歳で修道院の寄宿学校に入学、音楽や美術に親しんだ。
1969年、父親が経営する居酒屋で兄弟や親戚が演奏を始めたのをきっかけに、音楽グループ「クラナド(Clannad)」を結成した。国内外で高く評価されたこのグループに、1980年、19歳でキーボード・コーラスとして参加する。2年後に脱退、プロデューサーのライアン夫妻と共に音楽家としてのキャリアを開始。ケルト音楽、クラシック音楽、教会音楽などを取り入れた独自の音楽を手掛ける事となる。
1985年に映画『The Frog Prince』、1986年にドキュメンタリー番組『The Celts』に楽曲を提供。『The Celts』のサウンドトラックは評判となり、アイルランドのアルバムヒットチャート2位を記録した。これをきっかけとして製作された1988年の『ウォーターマーク』も記録的なヒットとなり、シングル「オリノコ・フロウ」は世界各国のチャートにランキング入りした。
その後も精力的にアルバムをリリースし続け、2005年の『アマランタイン』以後は休止するが2012年に復帰、2015年『ダーク・スカイ・アイランド』を発売している。
一度聞けばすぐ彼女の曲だと解るほど特徴があり、透明感あるサウンドと、自身の声を繰り返し録音して重ねる事で生まれるエコーが有名。「visible(情景が浮かぶ)」と評される曲調で、古い神話や伝承を想起させる作品が多い。
J・R・R・トールキンを愛好しており、中つ国に由来する楽曲を発表している。2001年の映画『ロード・オブ・ザ・リング』に「メイ・イット・ビー」を提供。クウェンヤ(エルフ語)を使用したこの作品は、同年のアカデミー賞歌曲賞にノミネートされている。
歌詞は基本的に英語だが、ゲール語やラテン語などの曲もある。また『アマランタイン』には日本語の曲「菫草」が収録されている。
その神秘性を象徴するように、コンサートツアーを行った事がない。
アイルランドではU2に次いで2番目に売れたアーティストで、グラミー賞を始めとした様々な栄誉にも輝いている。
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