ER緊急救命室とは、アメリカ製作の医療ドラマシリーズである。原題は「ER」のみ。
概要
アメリカ国内においては1994年から2009年まで、日本においてはNHKのBS放送にて1996年から2011年3月10日の15年間・全311話にわたり放映され、世界各国において人気番組である。
シカゴにあるカウンティ病院の救急救命室(Emergency Room 通称ER)という架空の病院の救命病棟における出来事を中心に扱う。比較的描写の多い人物(例えばジョン・カーター)はいても、固定された主人公は存在しないのが特徴。
また単なる病院における治療だけでなく、各医師や患者、患者の家族など様々な人間の家庭や、仕事の悩み、恋愛、安楽死、目の前の同僚の死など、幅広く取り扱うのも人気の秘訣ともいえよう。
それぞれのキャラクターも没個性ではなく、個性が強く描かれている。なお、2chにおいては壮絶な事故死を遂げるロバート・ロマノ(通称、ロケット・ロマノ)医師の人気が高い。また予告終了時の「でーでで」という効果音もネタにされる。
アメリカの医師制度
作中においてはレジデントだの、日本人にはよくわからない医師の制度が出てくるので簡略に述べる。
アメリカにおいては、医師になるために「メディカル・スクール」という教育機関が存在する。このメディカル・スクールに入るためには文理問わず、4年制大学(ただし、たとえば法律を主専攻とするならば、副専攻は生理学、生物学など基礎科学の要素の履修を必要とする)を卒業する必要がある。つまり、メディカル・スクールとは医師育成を担う専門職大学院と考えてもらうのがよろしい。ここを卒業したものが医師免許を取得できる。
MCATという基礎科学事項の筆記試験、小論文、面接の試験を終えて、合格するとこのメディカル・スクールに入学できる。
そしてメディカル・スクールを卒業し、米国の医師の国家試験に合格した後に臨床研修(日本で言う研修医制度)が行われる。この臨床研修1年目の医師のことを、インターンシップ(インターンシップ期間中の医師は、インターンとよぶ)と呼ぶ。インターンは専門分野を問わず多くの診療科において、上司に追従しながら、学び働く。
インターンの期間を終えるとレジデンシー(レジデンシー期間中の医師は、レジデント)という内科、外科などの専門的研修期間を迎える。たとえば第1シーズンで、ERで働くスーザン・ルイス医師は一般内科外科のレジデントである。期間は専門科などによって異なるが、2~6年が妥当。カウンティ病院においてはチーフレジデントというレジデントの代表者がいる。
このレジデント期間を終えると、フェローシップ(フェローシップ期間中の医師は、フェロー)と呼ばれる専門分野(たとえば小児、心臓、胃腸など)を極めるための見習い期間が存在する。だが、レジデント期間終了後にこのフェロー期間に入るかどうかは任意である。よってフェローにならない人間も多数存在する。専門分野を極めたい人限定の道とも言える。
こういった期間を経て、最終的にドクター(作中においては、スタッフドクター)となる。ドクターは病院から開業することを認められている医師である。またER部長、診療部長といった役職もこのスタッフドクターでないと、なることが不可能である。
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