Gフォース(G-Force)とは、ゴジラシリーズに登場する架空の軍事組織である。
概要
『ゴジラvsメカゴジラ』、『ゴジラvsスペースゴジラ』、『ゴジラvsデストロイア』の3作品に登場。
相次ぐゴジラの襲撃に対抗するため、これまで自衛隊はスーパーXシリーズやメーサーなどのを超兵器を開発してきた。しかし諸外国から見れば日本の姿勢は軍備増強にしか見えず熾烈な非難を招いてしまう。これを解消するべく、1992年、日本政府は国連G対策センターとその軍事部門Gフォースを発足させ、茨城県つくば市にある筑波山の麓に本部を設置。国連主導でゴジラの対処を試みた。
ゴジラの抹殺を第一義とし、世界中の軍隊や専門家から優秀な人員を招集。指折りの人材が集った事でGフォースは「世界最強の軍隊」とまで言われていたという。また自衛隊からも相当な人数がGフォースに出向している。一般職員たちはゴジラ打倒のため日夜厳しい訓練や座学に臨み、科学者たちは叡智を結集して対G兵器の開発に注力。多国籍軍ながら兵器の規格を統一して整備面や補給面を考慮、更に人的被害を抑えるためか遠隔操作で動く戦車を導入しており、潤沢な予算や規模とは裏腹にコストカットに力を入れている様子が窺える。権限も各国の軍隊より上で、時には自衛隊をも指揮下に収める。
公用語は英語。ただ本部が日本にあるからか時々日本語も混ざる。
主な設定は、のちに『ゴジラ×メガギラス』や『ゴジラ×メカゴジラ』の監督を務める手塚昌明氏が担当。アメリカ軍横田基地へ取材に行き、通訳を通してパイロットから色々と聞いたという。
作中では
初登場作品となった『ゴジラvsメカゴジラ』では、対G兵器1号機として戦闘機ガルーダを試作。高い機動力を持っていたが攻撃力不足が露呈してしまい見学者向けの展示品と化してしまった。2号機の開発を迫られたGフォースは、前作『ゴジラvsキングギドラ』にて23世紀の技術で造られたメカキングギドラを徹底解析し、これまでの対G兵器のノウハウを加えて対ゴジラ用戦闘マシーン・メカゴジラを設計。アメリカ主導で完成させた。 人型巨大ロボットという未知の兵器であるためか艦船扱いとなっている。
三重県四日市市に奇襲上陸したゴジラは鈴鹿を通過後、京都に向けて進撃を開始。これを受けてGフォースはメカゴジラを出撃させ、鈴鹿山脈にて対決。圧倒的な火力でゴジラを追いつめ、ゴジラからの熱線は人工ダイヤモンドコーティングで防ぐなど攻守ともに優勢に立つ。トドメを刺すべくショックアンカーを撃ち込むところまでは良かったが、エネルギーが逆流するトラブルに見舞われて行動不能に陥り、そのままゴジラ押し倒されて敗北。その後、ゴジラの京都侵攻を防ぐためF-16と無人戦車部隊、メーサー隊が出撃。大津市近郊で猛攻を浴びせたものの敢え無く壊滅し、京都市への侵入を許してしまっている。
メカゴジラの修理を完了させたGフォースはベビーゴジラを囮に使い、ゴジラを横浜に誘導。そこへメカゴジラを投入し、二度目の対決が行われる……と思いきや先にラドンが襲来。左目を潰され、通信機能を喪失する損害を受けるも、かろうじて撃破に成功。その後、ゴジラが上陸。損耗した状態での戦闘を強いられ、苦戦。投げ飛ばされ、尻尾で打ち据えられるなど蹂躙される。しかしそこにガルーダが到着、一瞬の隙を突いて合体し、スーパーメカゴジラ化。ここからは逆襲に転じ、ゴジラを猛攻。事前にベビーゴジラを研究した結果ゴジラの腰部にあるとされる「第二の脳」をGクラッシャーで破壊し、ついに戦意を喪失させる。ゴジラを後一歩のところまで追い詰めたが、ラドンの生命エネルギーを吸ったゴジラの逆襲を受けスーパーメカゴジラは大破炎上。パイロットは全員無事であったが、使い物にならなくなってしまった。
メカゴジラの喪失に伴い、続編の『ゴジラvsスペースゴジラ』では後継機のMOGERAを開発。こちらはロシア主導で造られた。宇宙空間での航行能力を持ち、スペースゴジラ迎撃に使われたが大敗している。鹿児島へと上陸しようとするゴジラにイージス艦とGフォース仕様の攻撃ヘリを派遣し攻撃を加えたが上陸の阻止に失敗している。福岡での決戦では、スペースゴジラ撃破を優先したため本来倒すべき敵であるゴジラと共闘 する事になった。しかしスペースゴジラ・ゴジラ双方の攻撃を受け続けたため最終的にはMOGERAを喪失した。
MOGERA喪失後、組織の規模が縮小されたらしい。一説によると巨大ロボット技術を手にした米露が「用無し」と判断して手を引いたからだと言われている。また日本政府は自衛隊員をGフォースに出向させる事で防衛費の削減をしていたとされており、各国に散々利用されまくっていた。MOGERA以降の対G兵器が登場しなかったのは、このような経緯があったとか。
『ゴジラvsデストロイア』にも登場はしていたが、ゴジラ迎撃の役目は殆ど自衛隊に取られてしまっていた。Gフォースの兵器ではゴジラの核爆発を誘引してしまうため手が出せなかったのである。一応ゴジラの監視・作戦の立案には参加している。デストロイアにトドメを刺したのは自衛隊、ゴジラがメルトダウンする瞬間に冷凍攻撃をしていたのも自衛隊と、立つ瀬なしのGフォースであった。踏んだり蹴ったりである。
ゴジラ列島震撼では
本編では何かと恵まれない組織であったが、セガサターン専用ソフト「ゴジラ列島震撼」では主人公が所属する組織として全編に渡って登場。自衛隊の役割を根こそぎ奪い、対怪獣の全権を委ねられている。このため原作では実現しなかった怪獣(アンギラス、キングギドラ、バトラ、ビオランテ等)との対決が見られる。ちなみに本作ではメカキングギドラが登場しないため、ブラックホール第三惑星人の初代メカゴジラを解析して平成メカゴジラを造ったという独自設定が挿入されている。Gフォースが誇るスーパーメカゴジラも登場するが、友軍扱いで操作不能。しかも他の怪獣と比べると能力が若干低く、殴り合いさせられない。スターファルコンとランドモゲラーが登場するステージがあるが、何故か分離・合体が出来ないので、MOGERAは登場しない。
日本国内に天つ風航空基地、野分航空基地、群雲航空基地、時雨航空基地を保有しており、航空支援を要請可能。他にも航空母艦ゆうぎりを運用している。本編よりも規模が拡大しているようだ。
ゴジラvsでは
劇中世界の60年前に発生したゴジラ襲来がきっかけで創設した設定となっており、日本政府の直轄にある。原作と違い、ゴジラ専門ではなく他の怪獣も排除の対象にしている。ゴジラは自然災害の扱いらしく、出動の際は災害派遣の名目になる。ゆえに作中に登場する兵器は全てGフォース所属。平成メカゴジラは勿論の事、三式機龍改もGフォース所属に変更された。
戦闘機、メーサー、護衛艦、メーサーヘリ、攻撃ヘリ、戦車等を保有していて、人類と敵対する怪獣を操作している場合は攻撃を受ける。逆に機龍やメカゴジラなど人類側の怪獣を操作していると味方として登場する。ただ怪獣の前では微々たる存在で、メーサーですらまともなダメージにならない。交戦を開始したり、兵器を破壊するとGフォース隊員の通信が聞こえてくる仕様。
星のドラゴンクエストでは
2020年8月4日から8月17日にかけて行われたコラボイベント『ゴジラ大決戦!! -大怪獣総進撃編-』にて登場(?)。日本各地で暴れるバーニングゴジラ(!?)、ビオランテ、ファイヤーラドン、モスラ、キングギドラと戦うイベントなのだが、初心者向けの相手としてプレゼントコンテナという怪獣が用意された。
見た目は黒い箱のミミックだが、よく見るとGフォースのマークが書かれている。何故コンテナが怪獣化しているのか謎である。ちなみにイベントの参加賞であるアーミー装備は、自衛隊の迷彩服を模している。ファンタジーの世界に迷彩服なのでかなりシュール。
小話
- 国連G対策センター本部は、東京工科大学がロケ地。
- Gフォースの設定が出来た経緯は「ゴジラVSビオランテ」で特殊戦略作戦室を自衛隊広報の許可なく設定したことが発端となり、前々作「ゴジラvsキングギドラ」で航空自衛隊を怒らせてしまって協力を得られなくなった事に因る。その後、再び協力が得られる「ゴジラvsデストロイア」までの間はGフォースが自衛隊の代わりとなった。
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