Hattenとは、フラッシュムービーの創成期に登場した代表的作品である。
概要
Hattenはレバノンのミュージシャンであるアーザール・ハビブの「من ما كنتي تكوني」というラブソングである。曲の発表から16年後、パトリック・ニューベリ(Patrik Nyberg)、ユーハン・グレンダール(Johan Gröndahl)、ペート・バッゲ(Pet Bagge)という謎のスウェーデン人3人組が、この曲がスウェーデン語の空耳として聞こえることを発見し、空耳歌詞が作られた。
ここから、酔っぱらいに帽子をかぶせて冷やかす歌「Hatten är din」へと発展し、フラッシュ動画が世界中を駆けめぐった。さまざまな日本語訳が試みられており、故・ミケネコさんによるミケネコ研究所「わかりやすい Hatten の話」にその多くが掲載されている。
トルコの伝統衣装を着た人々の頭を帽子が飛び交い、頭上に葬式の道案内のような指差しマークが現れるのが印象的。
9.11直後にWTCの掲示板にこのフラッシュが貼られ、追悼記帳をするなどのために訪れると、いきなりアラブ語の音楽が鳴り響くというカオスな状態になった。
日本でのHattenの登場~今に至るまで
Hattenが日本のインターネット上で周知されるのにはそれほど時間がかからなかった。
2chのモナー板ではこのフラッシュが紹介され、FLASHムービーに衝撃を受けた住民たちが「自分も作ってみたい」とFLASHの自作に精を出し、有名フラッシュ職人や有名作品が生まれた。この当時はまだネット上における動画=GIF画像という認識だったため、このような時間が長く音が出るような動画が簡単に見れるということは非常に衝撃的だったのである。それにより今までは文字と写真が主流であったインターネットを「動画」という新スタイルで楽しむことができるようになり、FLASHの無限の可能性というものをインターネット住民に知らしめた。
これによりFLASHが広く知られるようになり、技術面でFLASHは動画だけに使うものではなく、ページの装飾・インターフェイス・広告などにも柔軟に使用できるものと理解され、より一層日本のインターネットの技術面の向上・普及が進んだ。
またFLASH動画はエンターテイメント性にも非常に優れていることが証明され、swf形式ファイル・動画の普及も急激に進み、「動画作品」というものの面白さを人々に知らしめた。(これがニコニコ・Youtubeへの布石となる。)
そして、FLASH黄金時代が終焉を迎えた現在・・・・・Youtubeやニコニコ動画などが主流になっている現在でもFLASHはインターネット世界の根幹を担っている。
ニコニコにしろYoutubeにしろ動画再生形式はswf形式であるし、動画のプレイヤーもFLASH、ニコニコに至っては命とも言えるコメントが流れるのもFLASHなのである。
それ以外にも現在、FLASHを基盤としたページ・プログラムが多い。今、FLASHが使えなくなったら世界のインターネットメディアは壊滅的なダメージを受けるであろう。もちろんニコニコも使えない。
上記の事から、このHattenというFLASHは今日のインターネット生活の基盤・・・といっても過言ではない。筆者が今こうしてニコニコを視聴し、大百科に筆を執っていること自体Hattenのおかげなのかもしれない。
Hatten・・・まさしく今日を「発展」させたFLASHなのだ。
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