Hey Jude(ヘイ・ジュード)とは、The Beatlesが1968年に発表した楽曲である。
概要
メイン・ソングライターはポール・マッカートニー。The Beatlesが1968年8月にリリースした18thシングルA面曲(B面はジョン・レノン作の"Revolution")。
バンドが設立したアップル・レコーズからの初シングルにして英米ともにヒットチャート1位を獲得した。
同バンドを代表する楽曲のひとつであり、後半部のリフレインパートは合唱歌として特にこの曲を有名たらしめている。数多くのアーティストにもカバーされスタンダード・ナンバーとしての地位を築いた。
収録アルバム
元はシングルのA面曲として発表されたが、後に以下の編集盤に収録された。
- Hey Jude:1970年発売。アメリカでの配給レーベル、キャピトル・レコーズが編集(現在は廃盤)。
- The Beatles 1967~1970(通称:青盤):1973年発売の初の公式ベスト盤。ジョージ・ハリスンが選曲。
- Past Masters Vol.2:1988年、バンドの全楽曲カタログCD化に際してオリジナルアルバム未収録集として発売。
- 1:2000年発売、米英ヒットチャートでの1位獲得曲という括りで編集されたベスト盤。
エピソード
- この曲で歌われている"Jude"(ジュード)とはジョン・レノンの息子であるジュリアン・レノンのこと。父ジョンがオノ・ヨーコとの交際を始め母であるシンシアと離婚、という不遇な立場にあったジュリアンに作者であるポールが彼を励まそうとして作曲したという経緯があった。
- ポール曰く、「ジュリアン(Julian)に"Hey, Jules"(ヘイ・ジュールズ)と呼びかけようと思ったが発音し辛いので"Jude"(ジュード)に変えた」とのこと。また、歌詞の中の"The movement you need is on your shoulder"(「動き出すかどうかは君の肩に架かってる」)という一節が気に入らないので修正しようと考えていたが、ジョンに曲を聴かせると「そんなことするな、そこが歌詞の中で一番いいとこじゃないか」とアドバイスされ思い直したことを述懐し、「今でもそこを歌う時感傷に浸ることがある」という。
- なお"Jude"とはドイツ語で『ユダヤ人』を意味するが、それを知らなかったポールはシングル発売と同時期にアップル事業の一環として開店させるブティック・ショップの窓に宣伝も兼ねて"Hey Jude / Revolution"と落書きをした。すると翌朝、窓ガラスは割られ抗議の電凸が相次ぎ、その対応に苦慮する…という事件に見舞われた。
- 曲の長さはアナログレコード時代のシングルとしては異例の7分超を誇っているが、これはポールが「何故シングル盤の曲はみんな2〜3分なのか?」とエンジニアに問うた素朴な疑問に対して「(技術的には)特に意味はない」と返答されたので「じゃあ入れられるだけ入れてやろうぜ!」と言ってそれを実行してしまったためである。発売前に曲を聞かされたThe Rolling Stonesのミック・ジャガーは「長すぎワロタw(後半部の)リフレインだけでシングルになるぜ!」と驚いたという。
カバー/オマージュ
- この曲が発表された1968年、チェコスロヴァキアの女性歌手marta kubišováが民主化運動「プラハの春」に対するソ連軍の侵攻に抗議するプロテストソングとして歌詞を書き換えカバー。その後のビロード革命の際には聖歌として祭り上げられた。この顛末は"Another Hey Jude"と冠され高校英語Ⅱの教科書で紹介された。
- 1969年、サザン・ソウルの帝王Wilson Pickettがカバーしたバージョンがミリオン・セラーとなり全米23位まで上昇するヒットとなった。このレコーディングには下積み時代のDuane Allmanがギタリストとして参加しており、同ヒットによって名を上げたことが後のThe Allman Brothers Bandの成功、Eric Claptonとの共演へと繋がっていくことになる布石となった。
- 1997年の映画『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』のクライマックスで挿入される劇中歌、"Komm, süsser Tod"(甘き死よ、来たれ)は後半で延々とコーダされるコーラス・リフレインがこの曲のそれとよく似ている、と指摘されることがある(これは作詞を担当した庵野秀明監督の意向に因るもの、ともいわれている)。
- 2012年、Youtubeにアップされた、声優の豊崎愛生さんのカバーした「Hey Jude」の動画が炎上(本人や関係者によるアップロードではなく、第三者によるアップロード)。ちなみにこのシーンは、コンサートツアーのDVD「love your live」に収録されているものである。
- 漫画『FAIRY TAIL』(真島ヒロ作)に登場するヒロインの父 “ジュード・ハートフィリア” の由来はこの曲から。因みにヒロインであるルーシィ・ハートフィリアはルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ、義理の妹ミッシェル・ロブスター(アニメのみ)はミッシェル、母親のレイラ・ハートフィリアはデレク・アンド・ザ・ドミノスのいとしのレイラが元ネタ。いとしのレイラはクラプトンがジョージの妻に惚れたことで(しかも後に本当に結婚)生まれた曲なのだが、深い事は考えないでおこう。
関連動画
Paul McCartney
カバー
関連コミュニティ
関連項目
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