IRいしかわ鉄道とは、JR西日本から経営分離された石川県内の北陸本線の運営を行っている鉄道事業者である。2013年7月までの社名は「石川県並行在来線株式会社」。
概要
2015年3月14日の北陸新幹線(長野駅~金沢駅間)開業に伴い、同区間での並行在来線の経営分離が行われることになった。このうち、石川県区間の運営を行う事業者として、2012年に「石川県並行在来線株式会社」が設立された。IRは「石川・レールウェイ」の略で、「愛がある」、「JRの一歩先を行く」サービスを目指すの意味。
路線は、北陸新幹線の西端である金沢駅から富山県との県境に近い倶利伽羅駅までの17.8kmで、旅客駅は5駅のみとなっている。これは新幹線建設に伴いJRから分離された並行在来線としては、青い森鉄道の当初開業時(目時駅~八戸駅、25.9km、7駅)を下回る最短・最少数である。
北陸新幹線の敦賀延伸時は金沢駅〜大聖寺駅間もIRいしかわ鉄道に引き継がれる予定である。
東に隣接するあいの風とやま鉄道とは、JR当時を踏襲する形で相互直通運転をしており、金沢駅~富山駅・泊駅の列車が設定される(1日1往復のみ、さらに先のえちごトキめき鉄道・糸魚川駅まで直通)。
あいの風とやま鉄道と直通する快速「あいの風ライナー」が平日のみ運転されるが、300円のライナー券が必要で、IRいしかわ鉄道線内は金沢駅以外は無停車となる。
JR七尾線とも直通運転が行われる。特急は七尾線直通の8往復→7往復(「サンダーバード」1往復、「能登かがり火」5往復→4往復、観光特急「花嫁のれん」2往復)のみが運行されるため、金沢~津幡駅間のみ特急が乗り入れる。普通列車は、521系(開業当初は413系・415系)が特急と同様に乗り入れ、IRいしかわ鉄道線(金沢駅~津端駅間)、七尾線の各駅に停車する。北陸本線・北陸新幹線と七尾線をIRいしかわ鉄道経由で乗車する場合は通過連絡が適用され、JR部分の運賃は通算される。
JR線、あいの風とやま鉄道と所定の区間内で乗り継ぐ場合は乗継割引が設定される。
敦賀延伸時に西に隣接することになるハピラインふくいについても、現行と同様に直通運転が実施される。
使用車両は521系で、JR西日本から5編成譲渡された。また七尾線用100番台を3編成保有する。2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸により、JRより521系が追加譲渡されている。
年間の運賃収入が10億を越えたため、通年で黒字が予想されている。
JR西日本・IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道の3社は2017年4月15日から「石川・富山ICOCA」として利用エリアを一体化したうえでICカード「ICOCA」のサービス提供を開始する。
駅一覧
以下の駅一覧は経営分離後のものである。2015年3月13日までの路線図は「北陸本線」を参照のこと。
駅名 | 快速 | ■乗り換え路線 | 所在地 |
---|---|---|---|
倶利伽羅駅 | | | ■あいの風とやま鉄道 あいの風とやま鉄道線 (えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン 糸魚川駅まで直通運転) |
河北郡 津幡町 |
津幡駅 | | | ■JR西日本 七尾線(和倉温泉駅まで直通運転) | |
森本駅 | | | 金沢市 | |
東金沢駅 | | | ||
金沢貨物ターミナル駅 | | | ※旅客列車は通過 | |
金沢駅 | ● | ■JR西日本 北陸新幹線・北陸本線 ■北陸鉄道 浅野川線(北鉄金沢駅) |
2024年移管区間
以下は2024年3月16日にIRいしかわ鉄道に転換された区間。移管前については「北陸本線」を参照。
駅名 | ■乗り換え路線 | 所在地 |
---|---|---|
金沢駅 | (上記参照) | 金沢市 |
西金沢駅 | ■北陸鉄道 石川線(新西金沢駅) | |
野々市駅 | 野々市市 | |
松任駅 | 白山市 | |
西松任駅 | ※2024年3月16日開業 | |
加賀笠間駅 | ||
美川駅 | ||
小舞子駅 | ||
能美根上駅 | 能美市 | |
明峰駅 | 小松市 | |
小松駅 | ■JR西日本 北陸新幹線(2024年3月16日開業) | |
粟津駅 | ||
動橋駅 | 加賀市 | |
加賀温泉駅 | ■JR西日本 北陸新幹線(2024年3月16日開業) | |
大聖寺駅 | ■ハピラインふくい ハピライン(敦賀駅まで直通運転) |
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
並行在来線会社一覧 |
東北・北海道:IGRいわて銀河(岩手) - 青い森(青森) - 道南いさりび(北海道) |
北陸:しなの(長野) - えちごトキめき(新潟) - あいの風とやま(富山) - IRいしかわ(石川) |
九州:肥薩おれんじ(熊本・鹿児島) |
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