J-10単語

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J-10(中国側名称『殲撃10』)とは、中国人民解放軍が所有する戦闘機である。

歴史

「なんかF-16っぽい」「イスラエルの試作戦闘機ラビっぽい」とよく言われるが実はこれらの戦闘機劣化コピーパクったということはなく、少なくとも外見はオリジナル中国独自技術による戦闘機

開発歴史を紐解くとなんと1965年開発開始の『J-9』(中国側名称『殲撃9』)から始まる。

1960年代にソ連と仲が悪くなった中国はそれまでのソ連飛行機ノックダウン生産やOEM生産ができなくなり、自オリジナル飛行機開発を余儀なくされてしまう。 中国は製造に際し一部部品を輸入に頼っていたMig-21全自国生産するべく部品の内製化に務める一方、そのMig-21の後継機の開発を決定する。こうして計画されたのがJ-9で、このときの計画で既に先尾翼デルタの原が作られていた(ただし空気取り入れ口は胴体横)。J-9は何度か中断しちゃ開発を繰り返し1970年代後半まで開発を続けていたが、結局エンジン開発に失敗し頓挫した。

もうひとつ、1970年代より開発が始まった『J-13』(中国側名称『殲撃13』)が存在する。Mig-19の後継として開発が進められ、形状はF-16そっくりのプランサイドインテークプランが検討されたが、こちらもエンジン開発に失敗。また当時Mig-21を双発エンジンにする計画(後のJ-8とJ-8II)が進んでおりそちらの開発を優先するためこの計画も破棄された。

言うまでもなく、この開発の際得られたデータこそ後のJ-10開発に生かされるのである。

1984年。さすがにMig-21や19ではフランカーやらファルクラムやらイーグルやらに勝てないと考えた中国は何度かの新戦闘機開発示する。中国開発は上記のJ-9やJ-13の開発データを元に開発を始めるが、やっぱりエンジン技術がネックとなってきた上第4世代戦闘機の肝であるフライバイワイヤの技術が中国には全くなかったのである。そしてお約束の頓挫……になるはずだったのだが転機が訪れたのは1990年代ソ連が崩壊しエンジンロシアから売ってもらえるようになった事。そしてアメリカチャチャ入れのせいで開発が中止したイスラエル戦闘機ラビ』の技術者の招聘に成功[1]したことにより一気に開発が進んだのである。 こうして1998年、J-10は初飛行。2003年ついに実戦配備にこぎつけた。

概要

サイズ的にはF-16と同等の第4世代戦闘機。武装搭載量は5.5トンとこちらもF-16と同等。但し航続距離は3,000kmといわれており、ずいぶん短い。お値段は2,800ドル(約25億円)でF-16(1,800ドル)より高め。現在人民解放軍空軍及び海軍航空隊に配備されている。

初期F-16Aと同等らしい……え日本韓国にいるのは最新F-16C/Dですよ?

( `ハ´)<わ、わかってるアル! だからレーダーエンジンを強化したJ-10Bを鋭意開発中ある!

…というわけで、くも2009年頃にはであるJ-10Bの飛行試験が始まっている。

J-10B

J-10とJ-10Bの外見上の最大の相違点は空気取り入れ口のDSIダイバータレススーパーソニックインレット)化である。DSIアメリカF-35などにも採用されている技術であるが、界層分離をなくして空気取り入れ口を固定化し、音速域での高速性をやや犠牲にする代わりにシステムの軽量化、高信頼性化及びRCSの軽減を図るものである。中国はこのDSI技術を輸出用戦闘機開発を通じて独自に取得したと考えられている。

その他、電子学/赤外線による捜索追尾装置の搭載、電子戦機材の追加に伴う垂直尾翼の形状変更、レーダー更新などが行われていると考えられるが、具体的な搭載レーダーとその性などはまだ不明である。エンジンに関しては試作5号機からロシア製のAL-31FNに換えて産のWA-10Aエンジンを搭載しての試験が行われている。なお、試作5号機ではエンジンの換装に合わせてかエアフレームにも若干の変更が加えられている模様。

今後の配備状況は今のところまだ不透明だが、人民解放軍が急ピッチで技術の産化を進めていることは明らかであり、今後もJ-10Bの開発状況は注されるであろう。

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  1. *公式には否定している。

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36 ななしのよっしん
2019/03/03(日) 16:49:23 ID: vDIcWnkWw3
イスラエルったラビの設計者を中国が呼んで作った機体
と長らく覚えてたので、ラビベースじゃないというというのに
ちょっと衝撃を受けた。
まぁ、コピーじゃなくて、良とかされてるんだろうな
見たF-16というよりタイフーンぽいしという
感じだったんだけど、そもそも土台じゃないんだ……
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37 ななしのよっしん
2019/03/10(日) 16:42:32 ID: VSiHN2jF72
西側という言葉が古いかもしれないけどこっち側の情報べてあっち側の情報は予想が、いつのまにかマニアの間で事実みたいになっていることが多々
原因の1つが中国兵器コピーばかりという偏見が専門の間でも多いこと
似た事は過去内、外では現代も続く、自衛隊兵器に対する評価
一部の技術や機材の出所が実際にコピー元とされてしまう兵器だったりするのが複雑な錯綜を生む
J-10戦闘機でも誤情報に一部の正しさが混じっている話が多い
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38 ななしのよっしん
2019/05/11(土) 19:23:00 ID: qHvaT8T7kz
エンジン単発だけどタイフーンそっくりですよね。
中国は進歩がどうなってるんだと思うぐらいい。
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39 ななしのよっしん
2019/05/12(日) 11:51:00 ID: kl8R4uDCEo
>>38
デザインそのものは1970年代にはもう確定してたんやで。エンジンの問題でずっと漬けになってたけどな。
1990年代になってロシアイスラエルに技術が入ってようやく実現できたんや。
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40 ななしのよっしん
2019/08/16(金) 20:42:56 ID: 4tbXQtDfMB
70-90年代の中国エンジンが原因で戦闘機開発が停滞しているように見えて、
その間「エンジンさえあればこんな飛行機が...」という形状レイアウト試行錯誤はずっと続けてたのよね。やり尽くすくらいの勢いで

J-20に似たレイアウトもJ-9計画にある事を考えると、この停滞期の蓄積は中国資産になってると思う
よく揶揄されるように「試行錯誤せずパクリに飛びついた」のではなく、そこらのより余程泥臭い、表に出てこない試行錯誤の蓄積が2000年代ロシアエンジンを得て一気に実を結んだ
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41 ななしのよっしん
2020/02/14(金) 16:18:18 ID: FObrF9qaTZ
DSIってこぶの反対側を突き出した形にしなきゃいけないけど、J-10の配置だと高迎え時に空気の流れ遮りそうで怖いなぁ。
この辺大丈夫なのかね。
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42 ななしのよっしん
2020/03/04(水) 21:40:45 ID: tybEWI+tM9
>>39
>>40
そうした、ボツ墓場を掘り起こすのも中華戦闘機の楽しみ方な気がしてならない
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43 ななしのよっしん
2020/03/08(日) 18:07:42 ID: GDs3593pFz
よく考えたら単発機でコブラ機動をやったのはこの機体が初めてかもしれないと気づいた(ほかにやれる機体があるとしたらF-16F-35でやったことあるんか・・・?ていう)
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44 ななしのよっしん
2020/03/08(日) 18:09:57 ID: GDs3593pFz
あ、X-31があったか(あいつならやってても全然おかしくない)
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45 ななしのよっしん
2022/09/06(火) 17:54:01 ID: dCMG5WGS1e
J-10Aの四エアインテークすごい好きだったのにB型クソダサいダイバータレスインテークにしやがった。
中国テメーたちのかわいいJ-10Aを返せ。
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