JT8Dとは、プラット&ホイットニーが開発した低バイパス比ターボファンエンジンである。
概要
J52ターボジェットエンジンを元とした、低バイパス比ターボファンエンジン。
ボーイング727やDC-9などのエンジンとして採用されたことで有名な機種である。
低バイパス比エンジンは騒音や燃費などの面で現代の旅客機では一般的な高バイパス比エンジンとくらべて不利であるが、これは意図的に低バイパス比としたのではなく、単純に「当時の技術の限界」である。
そりゃ今どきのエンジンと比べるから見劣りするだけであり、当時としてはターボジェットエンジンなんかよりはよほど静かで燃費が良くて推力も大きかった。
ちなみにアフターバーナーを追加したタイプがサーブ社の戦闘機・J37ビゲンにも搭載されている。
仕様
- 形態:低バイパス比ターボファンエンジン
- 構造:二軸式
- ファン:1段
- 低圧圧縮機:軸流式 6段
- 高圧圧縮機:軸流式 7段
- 低圧タービン:軸流式 3段
- 高圧タービン:軸流式 1段
- 推力:12500lbf(5,557kg)~17400lbf(7,893kg) ※推力の異なる8モデルあり
採用機
民間機
- ボーイング727(そもそもこの機体のために開発されたエンジンこそがJT8Dである)
- ボーイング737(-100、-200型。-300型以降はCFMインターナショナル・CFM56に変更されている)
- ダグラス DC-9
- マクドネル・ダグラス MD-8xシリーズ
- シュド・カラベル
- ダッソー・メルキュール
軍用機
その他
日本では
日本ではかつて「This is ジェット旅客機」状態だったボーイング727のエンジンとして採用されたために、各地でJT8Dの爆音を耳にすることができた。
…しかし騒音規制が厳しくなるにつれ、同じくJT8Dを搭載したDC-9と共に徐々に国内線から姿を消していった。
現在ではC-1のエンジンとして現役で使われており、自衛隊の基地周辺ではうまく行けばJT8Dの音を聞くことができる。
関連動画
関連項目
- プラット&ホイットニー
- エンジン
- 航空機
- C-1
- ボーイング727
- ボーイング737
- DC-9
- シュド・カラベル
- ダッソー メルキュール
- アエロトラン
- J52(元ネタ)
- CFM56(実質的な後継機その1)
- IAE V2500(実質的な後継機その2)
- ロールス・ロイス テイ(同クラスと書いて競合製品と読む)
- 爆音
- 排気音シリーズ
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