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M3サブマシンガン

M3サブマシンガンとは、第二次世界大戦においてアメリカ軍開発・運用した短機関銃である。

その形状が工具やある種の料理具に似ていたことから、兵士たちからは「グリースガン」や「ケーキデコレーター」と呼ばれた。

概要

第二次世界大戦前、アメリカ軍トンプソン・サブマシンガンM1928を購入していたが、大戦勃発によりイギリスフランスから注文が入り、またアメリカ軍も参戦こそしていないが大量の調達を図ったため需要が急増。供給が追い付かないという事態に直面した。そのため、軍向けのM1928A1が開発・量産され、また内部機構や生産方法を簡略化させるための良が始まった(後のトンプソンM1サブマシンガン)。しかし、トンプソン・サブマシンガン根本的に性重視のための削り出し加工や、切削加工の必須な木製ストックグリップなどを採用しており、どれだけ生産性をあげても限界があることは明であった。

そこで、は多少低下しても構わないので、生産性を優先してレス加工と溶接で製造する短機関銃アメリカ軍め、プレス加工と溶接技術に長けた自動車会社ゼネラルモータースに開発依頼する。ゼネラルモータースの銃器設計者ジョージハイドはこれに応え、MP40を参考にT20短機関銃を試作する。

T20はプレス加工で作った半円筒同士を溶接でくっつけたレシーバーや、リコイルスプリングを嵌めた2本の棒で保持されるボルト、整備用のを入れておけるグリップ、冷間鍛造で作られた身、安全装置を兼ねたイジェクションポートの蓋など、MP40よりも更に簡略化・合理化した設計を持ち、かつアメリカ軍の要を満たしたため、これが1942年にM3サブマシンガンとして制式採用されることとなる。

第二次世界大戦後も西側諸国にばら撒かれ、朝鮮戦争の際には30万丁ほどが追加生産された。1957年には米軍前線部隊からはほとんど下げられ、ベトナム戦争で少数が使用されたが、ベトナムの高温多湿な気により製部品が錆びる・ゴムボロボロになるなどで評価は低かった。しかし装甲車両の乗員や軍用トラックドライバーへの配備は続けられ、1991年湾岸戦争において工兵部隊の運転手がM3A1を装備していた。その後に米軍では退役したようである。

日本自衛隊も11.4mm短機関銃M3A1として採用し、9mm機関けん銃開発・採用された現在でも一部の部隊で現役である。

創作においては第二次世界大戦米軍を扱った作品でもあまり出てこない。大抵はトンプソン・サブマシンガンの方が出てくるのは、やっぱり工具っぽいのが見たに面くないからだろうか。一応、モデルガンエアガンとしては存在し、日本でもレプリカは入手可である。

性能・スペック

スペック
全長 579mm
760mm (ストック延長時)
重量 3.7kg
身長 203207mm
機構 ストレートローバック
口径・弾薬 .45 ACP (.45口径)
弾倉
有効射程 50 ~ 100m

全長は579mm、伸縮式ストックを伸ばせば760mm。重量3.7kg、使用弾薬M1911A1トンプソン・サブマシンガンと共通の.45ACPで、弾倉に30発が装填可であった。発射レートは450rpmとやや遅いが、逆に遅いが故に熟練すればきりでセミオートのように1発ずつ発できたので、兵士には好評であった。

当初、このM3サブマシンガンを支給された兵士たちは今までの短機関銃とは似ても似つかぬ形のに面食らったが、小で取り回しが良く、また汚れに強く故障しにくいM3サブマシンガンはすぐに兵士達に受け入れられた。そのコンパクトさから、M3サブマシンガンは歩兵だけでなく戦車兵の自衛用火器としても使用され、さらにソ連などにもレンリースで供与された。

とはいえ、不満がかったわけではなく、ボルト溶接されたコッキングハンドルが脆弱で折れやすいと不評であった。これを受けてコッキングハンドル省略し、を引っかけてコッキングできる凹みつきのボルトに変更し、また伸縮式ストックに整備用の工具とマガジンの弾込め具としての機を付加などの良を施したM3A1開発される。

「撃った後のボルトは熱くて触れないじゃないか」と思うかもしれないが、それに対しては手袋をすれば問題ない」ということで、むしろ部品点数が減ってより生産しやすく壊れにくいという事で前線にとっても後方にとっても嬉しい良だったらしい。

M3M3A1の両バリエーションを合わせると、大戦中のM3サブマシンガンの生産数は約64万丁にものぼった。ちなみにトンプソン・サブマシンガンM1928A1とM1合わせて約194万丁が軍に供給されている。あれれ~?

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9 ななしのよっしん
2014/01/28(火) 10:42:44 ID: DQsZ0bB+vy
グリースガンが大量に出てくる映画と言えば、「ダーティーダズン」の列車内でドイツ軍のシュマイザーと撃ち合うシーンが凄かった。
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10 ななしのよっしん
2014/02/26(水) 20:38:06 ID: NapVJhyRSd
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11 ななしのよっしん
2015/04/21(火) 20:10:43 ID: Hi3TAY58dg
生産数の項見て思わず苦笑いw
流石は物量チートのお
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12 ななしのよっしん
2015/12/13(日) 14:08:29 ID: q6/Y6Y8PaT
高価な方が圧倒的に生産数が多いのは?

余裕が有るだからこそ、死地に向かう兵士
こんなサニタリー用品みたいなの、死に装束と
して持たせらなかったのか;?

感覚的には同じ自動車会社が作った、
リベレータ簡易拳銃みたいな感じなのか;
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13 ななしのよっしん
2016/08/20(土) 12:14:16 ID: ncdY2oxZGy
>>12
トンプソンは販売開始が1921年、米軍制式採用が1928年
グリースガン米軍制式採用が1942年、即量産
どちらも1945のWW2終結とともに生産は落ち着いた
期間がぜんぜん違うんだが?
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14 荷車の騎士
2018/10/14(日) 14:38:02 ID: FdloEhNKRK
生産されたトンプソン短機関銃どは、大西洋に沈んでます。
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15 ななしのよっしん
2019/01/18(金) 04:43:52 ID: H4bmV4sWL2
職業グリースガン使ってるけど、握りを下に向けて持つと本当に似てる、びっくりするぐらい
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16 ななしのよっしん
2020/02/16(日) 22:19:06 ID: SYVV7o+yun
>>15
仕事お疲れ様です
いい加減MP5KとかG36C辺りに買い替えてあげればいいが……
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17 ななしのよっしん
2020/04/18(土) 16:50:38 ID: 4bp1qZN2wX
>>16
多分注機の方の話だと思うんですけど(名推理)
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18 ななしのよっしん
2020/04/26(日) 00:25:41 ID: nukOQEM23I
だと思うよ
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