Mr.インクレディブルとは、ピクサー・アニメーション・スタジオ制作の長編アニメーション映画である。原題は「The Incredibles」。
続編の「インクレディブル・ファミリー」についても本項で解説。
概要
日本では2004年12月4日に公開。ピクサーの長編アニメーション映画としては6作目に当たる。それまでのピクサー映画との大きな違いは、「人間社会で暮らす人々を描いた作品」であり「悪役などが明確に死ぬ描写がある」ということ。これは監督のブラッド・バードがこだわった点でもある。
2018年8月1日には、ピクサーの長編アニメーション映画の20作目及び続編に当たる「インクレディブル・ファミリー」が公開。「家事!育児!世界の危機!」のキャッチコピーの通り、「女性の社会進出」と「男性の育児」の二つがテーマとなっており、声優陣もほぼ続投している。今作の始まりが前作の終わりと繋がっているだけでなく、作中には前作を観た人へのファンサービスが至る所に取り入れられているため、鑑賞前に前作を見直すことをおすすめする。
世界的に高い評価を受け、アカデミー長編アニメ映画賞、アカデミー音響編集賞、アニー賞全10部門、第31回サターン賞アニメ映画賞など、数多くの賞を受賞。続編の「インクレディブル・ファミリー」も、公開3日間で興行収入約1億8000万ドルを突破し、わずか24日間で5億ドルの興行収入を記録。これは2018年現在、アニメーション映画では歴代1位の記録である。
あらすじ
Mr.インクレディブル
Mr.インクレディブルことボブ・パーと妻のヘレンは、かつて世の中の平和を乱す悪と闘い、人々を危機から救い出す大活躍をしていた。ところが、15年前のスーパー・ヒーロー制度廃止を機に、夫妻は一般市民として暮らすことを余儀なくされ、3人の子供たちヴァイオレット、ダッシュ、ジャック・ジャックと共に、“普通”の家族生活を送ろうと努力していた。再び世界を救うことを夢見続けるボブの元に、ある日、謎の手紙が届く。それは、彼と彼の愛する家族にとって、想像を絶する冒険の始まりだった…。
出典:公式サイトより
インクレディブル・ファミリー
悪と戦い、人々を守ってきたヒーローたち。だが、その驚異的なパワーに非難の声が高まり、彼らはその活動を禁じられていた------。 そんなある日、かつてヒーロー界のスターだったボブとその家族のもとに、復活をかけたミッションが舞い込む。だがミッションを任されたのは――なんと妻のヘレンだった!留守を預かることになった伝説の元ヒーロー、ボブは、慣れない家事・育児に悪戦苦闘。しかも、赤ちゃんジャック・ジャックの驚きのスーパーパワーが覚醒し・・・。 一方、ミッション遂行中のヘレンは“ある事件”と遭遇する。そこには、全世界を恐怖に陥れる陰謀が!ヘレンの身にも危険が迫る!果たして、ボブたちヒーロー家族と世界の運命は!?
出典:公式サイトより
主な登場人物
- Mr.インクレディブル
- 本作の主人公で、本名はボブ・パー。屈強な肉体と怪力の持ち主で、その力は電車を止めたり、車程度の重さなら難なく持ち上げてしまうほど。また、頭も良く、オムニロイドとの戦闘の際にその実力を伺い知ることができる。スーパーヒーロー引退後は保険会社に勤め、地味ながらも人助けをしようと尽力するが、上司にストレスをぶつけてしまい会社を解雇される。フロゾンとは古くからの仲で、引退後も二人でこっそり人助けをしていた。続編の「インクレディブル・ファミリー」では育児に奮闘。吹き替えは三浦友和。
- イラスティガール
- 本名はヘレン・パー。ボブの妻であり、彼女も元々はスーパーヒーローの一人。ゴムのように伸縮自在に伸びる体が特徴で、自身をパラシュートやグライダーのように変形させることも可能。また、ジェット機など乗り物の操縦も得意。夫のボブとは対照的に、率先して社会に溶け込もうと努力しているが、子どもに対しては過保護な一面も。続編の「インクレディブル・ファミリー」では、ヒーロー復活のため、ボブに家庭を任せてヒーロー活動に取り組む。吹き替えは黒木瞳。
- ヴァイオレット
- パー家の長女。自らを透明化したり、バリアを貼って防御することが可能。自身の能力がコンプレックスになっていたが、孤島での活躍がきっかけで自信を取り戻していく。同じ学校のトニーという男の子が気になっているが、続編の「インクレディブル・ファミリー」では……。吹き替えは綾瀬はるか。
- ダッシュ
- パー家の長男。その名の通り、時速300キロという超スピードで走ることができ、その速さはビデオカメラでも映らず、水面でも走れてしまうほど。少々やんちゃで、先生のイスに画鋲を仕掛けるなどいたずらをすることも。ヴァイオレットとは対照的に、自分の能力をもっと使いたくてうずうずしている。数学が苦手らしく、続編の「インクレディブル・ファミリー」でボブに教えてもらっている。吹き替えは「Mr.インクレディブル」では海鋒拓也、「インクレディブル・ファミリー」では山崎智史。
- ジャック・ジャック
- パー家の次男。赤ん坊ながら様々な能力を内に秘めており、「目からレーザービーム」「分身」「デーモンに変身」「全身を炎に包む」「四次元へワープ」「重力操作」「物体すり抜け」「念力」など、パー家で一番多くの能力を持つが、赤ん坊のため上手くコントロールできていない。続編のインクレディブル・ファミリーではこれらの能力を用いて立派に活躍している。
- シンドローム
- 「Mr.インクレディブル」における敵。少年の頃はMr.インクレディブルに憧れを抱いており、相棒になろうと必死でアピールするが、本人から断られてしまう。そのことがきっかけで人間不信になってしまい、引退したヒーローを殺害し、自らが唯一のスーパーヒーローになろうと企てる。特別な能力があるわけではないが、ロケットブーツやオムニロイドなどを開発した天才であり、それらを用いてヒーローを名乗ろうとする。最後は飛行機のエンジンにマントが巻き込まれるという無惨な死を遂げる。
- ミラージュ
- シンドロームの秘書を務める美人。引退したMr.インクレディブルに、再びヒーロー稼業に戻らないかと誘う。
- オムニロイド
- シンドロームが開発した高性能戦闘ロボット。高度な人工知能を有しており、シンドロームの持つリモコンで操作可能。シンドロームはこれを敵役にし、倒すことでスーパーヒーローになろうとした。
- フロズン
- ボブの古くからの友人で、パー家とは家族ぐるみの付き合い。こちらも元スーパーヒーローで、空中の水分を一瞬で凍らせ、その上をスケートのように滑ることができるが、火事現場など水分の無い場所では役に立たない。ヒーロー引退後もボブと共に人助けをしていた。妻には頭が上がらない様子。
- エドナ・モード
- 世界的な天才デザイナーで、特にヒーロー達の特殊な衣装を作るのが得意。マントをつけていたヒーローは大体碌な目に会わないと言い、自身のデザインにマントを付けようとしない(実はこれがシンドロームの死の伏線にもなっている)。続編の「インクレディブル・ファミリー」では、イラスティガールの衣装を他のデザイナーに作られたことでだいぶ憤っている。
- リック・ディッカー
- Mr.インクレディブルの昔馴染みの一人。政府組織・NSA (National Supers Agency) のメンバーで主にパー一家の手助けをしている。ヒーローの正体を知ってしまった人の記憶消去、損害賠償、引っ越しの手配など様々な仕事を受け持つ。
- ウィンストン・ディヴァー
- 「インクレディブル・ファミリー」にて登場。大手通信会社デブテックを経営する実業家。元々はリック・ディッカーの部下だったが、父が強盗にあって亡くなったため、父の会社を相続したという経緯を持つ。そのことからスーパーヒーローは社会とって必要な存在であると考えるようになり、ヒーロー復活のためにMr.インクレディブル達に力を貸し、スーパーヒーローの必要性を世論に訴えかける。
- イヴリン・ディヴァー
- 「インクレディブル・ファミリー」にて登場。ウィンストンの妹で、デブテックの技術部門を担当している。技術者特有の悩みを持っているようで、その悩みをヘレンに打ち明けたことからスーパーヒーローとして活躍する彼女と次第に打ち解けていく。
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関連項目
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