NNNきょうの出来事とは、1954年~2006年に放送されていた日本テレビ系のニュース番組である。通称「きょうの出来事」「きょう出来」。
概要
テレビ放送開始当初から52年間に渡って放送されていた民放テレビ番組の歴史における有数の大長寿番組。
月曜日~日曜日まで毎日放送され、日本テレビ系の最終ニュース番組として長期間に渡って深夜の顔となった番組である。
しかし次第に番組編成の都合で遅い時間に繰り下げられて行ったため、日付の変わった24時台が放送時間のほとんどを占めるようになると「きのうの出来事」と揶揄されるようになった。
歴史
1954年放送開始。開始当初は平日21時台に放送されていた、当時の日本テレビの最終番組であった。
当初は「今日の出来事」というタイトルで、東芝の一社提供であった。
その頃はまだキャスターが顔出しでニュースを伝えるスタイルではなく、アナウンサーが映像に合わせて音声のみでニュースを読むだけのスタイルだった。
1966年のNNN結成にともなって「NNNきょうの出来事」にタイトルが改められる。
1971年頃までにアナウンサーが顔出しで登場するスタイルへ、1970年代初頭までにはモノクロ放送からカラー放送へと切り替えられた。[1]
1974年に小林完吾(当時:日本テレビアナウンサー)がキャスターとして登場。1980年に櫻井よしこ(フリージャーナリスト)もキャスターとして加わった。小林の「あ~、さて~」という独特の口調や櫻井が当時異例の女性キャスターだったことが受け人気番組となる。
この番組の後にアダルト向けの人気生情報番組「11PM」が放送されていたことや、当時まだ他局が夜更けのニュース番組にあまり力を入れていなかったこともあり、ニュース番組として広く知られることとなる。
1980年~1988年までは「The Day」という英題のサブタイトルが付いていた。この頃まではシンプルなストレートニュースである。[2]
しかし、1985年に始まった「ニュースステーション」(テレビ朝日)がそれまでのニュース番組とは異なる型破りなニュースショーだったために人気番組となると、1988年に小林を番組から降板させ櫻井メインの番組に方針変換する。同時にそれまで直前番組でほぼ巨人戦のみしか取り上げていなかったスポーツニュースも取り込み充実させた「NNNきょうの出来事 Sports&News」にリニューアルされた。
この当時、1988年の昭和天皇吐血の第一報をスクープしたり、櫻井主導による薬害エイズ事件の積極取材などで硬派ニュース番組として独自色が確立されていった。
1994年にスポーツニュースが別番組として切り離されてストレートニュースに戻る。
1996年に長年に渡って番組の顔となった櫻井が番組を降板。以降は櫻井を継承し、番組終了まで中堅女子アナウンサーによる女性キャスター制となった。
2002年頃から迷走が始まる。
スポーツニュースを頻繁に組み込んだり切り離したりするなどの番組スタイルの混乱や放送時間帯を繰り下げたり戻したりの移動が目立つようになり、次第に視聴者が離れていった。
他局も同時間帯に「NEWS23」(TBSテレビ)、「ニュースJAPAN」(フジテレビ)、「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)とニュース番組に力を入れるようになり、視聴率の低下や番組のスタイルが時代に追いつけなくなっていったのが番組の寿命を縮めることとなった。
2006年9月29日に52年という歴史に幕を閉じた。後番組は「NEWS ZERO」。
関連動画
関連項目
脚注
- *日本テレビの放送番組のカラー化は1971年にほぼ100%まで達成されている。これは日本の民放テレビ局では最初。
- *スポーツニュースに関しては「きょうの出来事」の前の時間帯に5分程度の独立したミニ番組として設置されていた。主に読売ジャイアンツの試合結果を中心に報じられており、プロ野球の他球団やその他のスポーツに関してはかなり扱いは小さかった。「きょうの出来事」の枠拡大でスポーツコーナーが設置された後も「プロ野球ミニ情報」「スポーツトレイン」「スポーツアイランド」というタイトルでスポーツ情報を伝える同様の番組が続けられ、1994年まで存在していた。関東地区では丸井の一社提供番組。
- 1
- 0pt