New Wave Of British Heavy Metal(ニュー・ウェーブ・オブ・ブリテッシュ・ヘヴィ・メタル/NWOBHM)とは、1970年代末期から80年代にイギリスで巻き起こったヘヴィメタルの一大ムーブメントである。
概要
NWOBHMとはメロディやサウンドなど特定の音楽の様式を指すものではなく、パンク・ムーブメント終息後に出現したヘヴィメタルバンドのことを指すカテゴライズである。Iron MaidenやSaxonなどが代表格だが、Judas PriestやUFOなど、このムーブメントより以前から活躍していたバンドも含まれる場合がある。音楽評論家のジェフ・バートンがこれら新しいバンドをこの名で表現したのが最初とされる。後に誕生する数多くのサブジャンルに属するバンド達と比較してこれらのバンドは「正統派メタル」と称されることが多い。
Judas PriestやIron Maidenなどのバンドのアメリカでの成功は、後のヘヴィメタルの爆発的ヒットに大きく貢献したが、本格的なヘヴィメタルブームが巻き起こると、これらのバンドは多勢の中で少しずつ商業的に苦戦を強いられていくようになる。そして90年代に入ってオルタナティブ・ロックやヒップホップにキッズたちの嗜好が移り変わると、ヘヴィメタルシーンそのものが氷河期に入り、NWOBHMのバンド達はいよいよ行き詰まり、ほとんどのバンドが解散やインディーズでの活動を余儀なくされた。解散したバンドの中には2000年代になって再結成するバンドもあったが、この時期でも解散や活動縮小の憂き目に遭うことなく精力的な活動を続けていたのはIron MaidenやJudas Priestなど、ごく少数のスタジアム・ロック化したバンドのみであった。
現在、NWOBHMのバンドの音楽性と精神性は2000年代末に巻き起こったNew Wave Of Traditional Heavy Metal(NWOTHM)という正統派メタルのムーブメントに乗って現れたバンド達に引き継がれている。
関連動画
関連商品
関連項目
- 1
- 0pt