ゲームセンターでは、足でプレイすることで注目を浴びた『Dance Dance Revolution』の第2作『2ndMIX』が稼働し、社会現象ともいうべき大ブームを生み出していた最中。
その数あるプレイ楽曲の中でも、高速で各楽曲からチョイスされた難関を次々と駆け抜ける『PARANOiA』と『PARANOiA MAX ~DIRTY MIX~』はゲーム面で大きな存在感を放ち、多くのプレイヤーの超えるべき壁として立ち塞がっていた。
そんな中、突如新たな敵が現れる。
PARANOiAの倍を誇る超高速スクロール。
譜面停止・速度変化ギミック。
そして、まるで"見たことのない"苛烈極まりない配置。
MANIAC譜面に冠せられた未知の難度、足10 "REVOLUTIONARY"。
まさにこの時代にとっては規格外の存在。
それは2012年から遡り挑戦してきた、13年間の難関の集大成だった。
過去を脅かす未来、その名は『PARANOiA Revolution』。
この強敵に、2ndMIXの舞台で果敢に立ち向かう者達がいた。
『PARANOiA Revolution』の手の内を「過去」として知る、同じく2012年からやってきた13年後のDDRer達である。
もう1つの1999年を舞台に、世代を超えたダンスバトルはCLIMAXを迎える。
PARANOiA Revolutionとは、音楽ゲーム『Dance Dance Revolution』のプレイ用楽曲である。
ジャケット | |||||
アーティスト | CLIMAX of MAXX 360 | ||||
収録 | Dance Dance Revolution X3 VS 2ndMIX | ||||
BPM | 180~360 | ||||
難易度 | BEGINNER | BASIC | DIFFICULT (ANOTHER) |
EXPERT (MANIAC) |
CHALLENGE |
Single | 6 | 9(7) | 14(8) | 18(10) | 19 |
Double | 10(7) | 14(8) | 18 | 19 |
概要
『Dance Dance Revolution X3 VS 2ndMIX』にて、2012年6月20日のタイトルアップデートで追加されたプレイ用楽曲の1つ。CLIMAX of MAXX 360はTAGの別名義(KAC2012の決勝生放送にて公表)。
当初は2ndMIXモード限定のFINAL STAGE専用曲であり、8月2日より開始されたイベント「CROSSOVER DDR」でのEXTRA STAGE限定解禁を経て、現在は無制限に選曲できるようになっている。
DDR黎明期よりボス曲として君臨してきた、PARANOiAシリーズ4年ぶりの新曲。
ジャケットや背景にはお馴染み鉄心の若々しい姿が描かれ、専用ムービーや2ndMIXシステムSE、更には過去作品に登場した譜面の引用など、演出面でも往年のファンへのサービスがふんだんに盛り込まれている。
一方360BPMの超高速シーケンス、ソフラン・譜面停止といった現代のギミックを搭載した本楽曲は、MANIAC譜面に当時の規格にない足10 "REVOLUTIONARY"が与えられ、「2ndMIXの新曲」でありながら当時の基準を遥かに凌駕する存在となっている。
また前述のイベント「CROSSOVER DDR」にて、SP・DP共に足19のCHALLENGE譜面が追加。前作の『Dance Dance Revolution X2』の「Valkyrie Dimension」(DPは「POSSESSION」も)に続く、新たな足19譜面となり、PARANOiAは再びDDR最難関の一角を担うこととなった。
懐古と新鋭。2つの側面を併せ持った新たなるPARANOiAは、『X3 VS 2ndMIX』を象徴する楽曲の一つと言える。
譜面構成
ボス曲の代表格"PARANOiA"の名を継ぐだけあり、全譜面難度を通して高水準な難度を備えている。
過去作品の楽曲から譜面を引用している点も踏襲しており、特にMANIAC(EXPERT)では全編にわたって取り入れられている。
どの難度でもプレイヤーのチャレンジ精神を刺激すること請け合いな構成なので、自分に合ったレベルで挑戦してみよう。
BEGINNER
最も易しい難度であるBEGINNERでも勿論ボス級……ではあるものの、その中では比較的良心的なレベルの足6。
後述するBASICを更にシンプルにしたような内容で、360BPMの全音符・2分(180BPMの2分と4分) を主体に、曲に忠実にリズムを刻んでいく。2連続で踏む部分がやや目立つほか、終盤の2分が休みなく続くエリア等BEGINNERながら後の難度の片鱗を感じさせる要素がちらほら。
そしてなにより360BPMのスクロールスピードと208ノートの物量は、挑戦レベルのプレイヤーには十分なプレッシャーとなるだろう。一応他難度では殺る気溢れるラストはフリーズアローにジャンプと、それなりの手心もあります。
この譜面をクリアできれば、大半のBASICの譜面とも十分渡り合える実力がついているはず。BEGINNERからBASICに足を踏み出せるか不安な人は、こいつに背中を押して貰おう。
BASIC
配置は360BPMの2分~4分(180BPMの4分と8分)主体で、楽しく取り組める譜面。難易度自体は中級者向けであるが、終盤の4分の滝(実質180BPMの8分23連打に相当)はBASICとしては十分すぎるほどの歯応え。ちなみにSINGLE譜面はBASICでありながら総コンボ数はPARANOiA MAXのEXPERT(MANIAC)譜面に、譜面密度(忙しさ)は同曲のDIFFICULT(ANOTHER)譜面にそれぞれ匹敵する数値である。
DPはSPに比べやや緩やかだが、横移動が加わる分20段階表記ではSPより1レベル上昇。多少の横向きや渡りを備えているので、DPならではの動きが体になじんできているかチェックしておこう。
PARANOiAとPARANOiA MAX中盤の、ドラムパートをなぞる変則リズム地帯が引用されている。
SPでは1セットごとにPARANOiA [BASIC]→PARANOiA [DIFFICULT]→PARANOiA [EXPERT]→PARANOiA MAX [EXPERT]と遷移する。
DPではPARANOiA MAX [BASIC]と同様の配置。
なお、COUPLE譜面は他の難度帯では2PがMIRROR配置になっているだけのものだが、BASICに限り専用のものが用意されていた。
DIFFICULT(ANOTHER)
ひねりや縦連も搭載する360BPMの4分の滝に、8分の連打が時折混じるという忙しい構成。 DPでは若干滝が短くなるものの性格としては同じ(難度評価はDPの方が上)。スタミナも含め準上級者向けの総合譜面。
総合的な難度ではPARANOIA ~HADES~のDIFFICULT譜面には及ばないものの、SPの総ステップ数はHADESを上回る500オーバー(矢印オブジェ数は同時押しの数の差でHADESが上回る)。
ANOTHER譜面だけに、8分エリアの矢印が総じて見切りやすい配置である点が救いと言えば救いかもしれない。
本来ならば旧難度評価足9最上級~足10下級クラスに匹敵する高難度譜面であるが、足8扱い。新難度評価でもSINGLEは足13にしては難しいのでは、との声が高く、案の定次回作『Dance Dance Revolution』(新)で14に格上げとなった。
引用されているのはPARANOiA MAX後半のラッシュ地帯。
SPではMANIACの8分61連(GET UP'N MOVEのアレ)、DPではANOTHERの8分3連ラッシュが待ち構えるが
実は360BPMの4分(180BPMの8分)と元ネタのPARANOiA MAX(190BPM)より遅いため若干楽になっている。
EXPERT(MANIAC)
「全ての過去が譜面になった」
ある意味「PARANOiAの原点回帰」というべき、全編において歴代のPARANOiAシリーズとDDRMAXからDDRX2までのボス曲に使われた代表的な譜面を引用した構成になっている。足18相当の譜面も引用されており、その難度は現代においても超上級。
2ndMIXモードで挑戦した場合は、強制ノーマルスピード・FLAT(矢印ごとの色の変化がない=タァイミングがはかりづらい)が強制され、なおかつミスした際のゲージの減少がDDRX3モードよりも段違いに大きいため、ただでさえ手強い譜面のクリア難度が更に強化されている。
一方X3モードで挑戦する場合は、2ndMIX時代には存在しなかったフリーズアローが顔を見せることとなる。
なお2ndMIXモードではDPへの挑戦はできない(2ndMIX当時にはDP-MANIACがなかったため)。
EXPERTの引用リスト (*BEMANIWiki 2ndの記事より引用させていただきました)
CHALLENGE
ゲームセンターでは、世紀の境をステップで超え、新しい佇まいを手にした「Dance Dance Revolution」のアーケード13作目(1)『X3 VS 2ndMIX』が稼働し、かつての名曲と10年代モードの夢の競演が為される最中。
過去に牙を剥く強敵とそれを追った未来のDDRer達は、もう1つの1999年で激突。
かつて在った者たちの歴史を手に、再び現代へと舞い戻ってきた。
在るべき時代に戻り、リミッターを解除した『PARANOiA Revolution』。
それは「はじめて見る」ような、とめどなく押し寄せ勇者をなぎ倒すアローの荒波。
在るべき時代に戻り、「過去」を乗り越える力を得た者。
それは「はじめて見る」ものにも膝をつかない、飽くなき挑戦の心。
過去と現代をCROSSOVERした2つの力。CLIMAXを超え、最後に立つのは……。
イベント「CROSSOVER DDR」により解禁される追加譜面。
現行難度最高の足19に相応しく、EXPERT以上に苛烈な譜面が待ち受ける。
SINGLE PLAY
- 序盤から超高速ピボット(捻り入り)
- BPM360で8分捻り多発、8分回転や縦連打も当然のように出現
- その合間合間に同時踏み投入
- 低速地帯にシンセに合わせた16分や8分同時滝が追加
- 低速前とラス滝にしれっと混ざってくるBPM360の16分(最大5連)
- X3最多ノート数の753ノーツ(2014年度時点では歴代4位)
高速8分地帯を交互に踏もうとすると、逆足・回転・軸足入れ替え等のオンパレードであり、プレイヤーの体を捩じ切らんばかりの配置をふんだんに取り入れている。
16分や縦連はDPよりも多めで、16分は配置自体はさほど難解ではないものの、過去のどの譜面をも超越している速度のため、分かっていても踏めない配置が延々と続き、じわじわとゲージと体力を奪い去っていく。
しかし人類は攻略を進め、Aランク、AAランクと着々と上げて行き、そして2014年3月にAAAまで出現。2015年6月にはついに緑フルコンが達成された。到達者は4thKACで無類の強さを振るった人類最強の足神、FEFEMZ。若き彼によりDDR史にまた一つ歴史が生み出された。
そしてなんと2022年4月21日、日本時間12時過ぎ。アメリカの覇者CHRS4LFE氏によってついにPFCされた。(なんでPFC出来るの…?)
DOUBLE PLAY
- 低速地帯の音合わせ16分は健在、しかもそのままぶん回し
- ただでさえ激しいのに低速後さらに激しくなる8分振り回し
- 前代未聞の速度で飛んでくるトラボルタ配置
- 終盤の滝に当然のように混ざってくる縦連打
- 最後の最後にしれっと置いてあるBPM360の16分
- X3時点でDP最多ノート数となる735ノーツ(DP当時唯一の700超、2014年時点歴代4位)
DP譜面はSPと比べると縦連打や16分は控えめなものの、遠配置や発狂を交えながら殆ど休みなく左右に振られまくる。かのPOSSESSION(DP鬼)で散々恐れられたような部分がずっと続く、遠心分離機みたいな譜面。スンゴイ。
また、DP事実上全一のTAKASKE-は、低速地帯後半からの鬼畜さについて以下のようにまとめている。
- 上軸・下軸渡り往復
- 85小節から鬼Triggerの12地帯
- 87小節辺りの難所はMAX300(X-Special)
- 次に鬼ヴァルキリーのラスト
- 91小節辺りの難所はArrabbiata
- そこから96小節までThe legend of MAXのラスト
- 〆にPARANOiA ~HADES~鬼の一部
……以上のようなとんでもない配置が延々と続き、これを氏は「振り回しスペシャル」と名付けている。
その遠心分離器のようなスンゴイ配置に対しての感想は「物理のお勉強が必要ですね」とのこと。
それゆえ当初は筐体後方にあるバーを両手で掴んでバランスを取るプレイスタイルでないとクリア不可能と考えられていたが、2014年7月5日、遂にノンバークリアを達成した者の動画がアップされた(実際に達成したのはその3ヵ月前らしい)。足2本で出来るんだこれ。
共通点
- 最多アロー数更新
- 低速地帯後半、シンセ地帯の音合わせ16分譜面
- 頻出するBPM360の8分縦連
-
高速8分譜面の中にしれっと混ざるBPM360の16分
- 瞬間的とはいえ、毎秒24パァーノゥというValkyrie dimension(SP鬼)の毎秒16パァーノゥの実に1.5倍の速度。
もはや忙しいなどという生易しい言葉では言い表せず、一周回ってお茶目な要素とすら化している。ちなみに、コレが出る一ヶ月前にとある他社の太鼓ゲームでBPM240の24分(秒速24打、あちらでは歴代史上最高密度)というBPM360の16分と同じ速度で叩かす曲が現れている。人類は一体どこまで行くのやら…… - ちなみに過去最速はΔMAX(SP鬼)のBPM530付近の8分3連=BPM265の16分相当。
ただしスキップを含めるとPluto RelinquishのSP激・SP鬼(いずれも修正前)と、Fascination 〜eternal love mix〜のDP激(未修正)に、BPM40016分2連(またはBPM200の32分2連)が存在する。
Valkyrie dimension(SP鬼)の序盤のアレ(BPM480の8分=BPM240の16分相当)と比較すると、長さと速さが対極的である。
- 瞬間的とはいえ、毎秒24パァーノゥというValkyrie dimension(SP鬼)の毎秒16パァーノゥの実に1.5倍の速度。
- 低速地帯前半でのPARANOiA譜面の引用(CHALLENGE以外は低速終了直後)
- A20から開始した段位認定モードではSPDP両方で十段ボスを務める。十段を取得しないと皆伝の受験資格が得られないため、皆伝受験の足切りとしての側面も持つ。と言ってもボスに来る前には足18の中でも上位に入る譜面たちを3曲抜けてくる必要があるため、通常プレイよりも体力・精神力が削られた状態で挑戦することになる。
最上級プレイヤー以外は門前払いな、DDR屈指の超難関。
それでも挑戦する貴方こそ、次に突破するDDRerかもしれない……?
注釈
(1)...メインシリーズのメジャーナンバリングということで……(1st - 2ndMIX - 3rdMIX - 4thMIX - 5thMIX - DDRMAX[6] - DDRMAX2[7] - EXTREME[8] - SuperNOVA[9] - SuperNOVA2[10] - X[11] - X2[12] - X3 VS 2ndMIX[13])
関連動画
BASIC、DIFFICULTの譜面。この時点で既に、2ndMIX当時なら文句なしのラスボス級。
BASICで2ndMIXのPARANOiA MAX(DIRTY MIX)のDIFFICULT(当時のANOTHER)とほぼ同等の譜面密度であり、曲が20秒近く長いためコンボ数ではEXPERT(当時のMANIAC)をも2つ上回っている。そしてDIFFICULTですら当時のどの譜面をも超越する規格外の譜面であることがお分かりいただけるであろう。
そのボス達よりたいへん。スンゴイ。
その他MAD
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関連リンク
れっきとした新作である『Dance Dance Revolution X3』において、いわば「過去作品」の象徴ともいえるPARANOiA(と多分企画的にはTRIP MACHINEも)の復活を為すべきか、という葛藤があったことを赤裸々に語る内容。その結果がどうであったかはプレイヤーの判断に委ねられるところだが、編曲者としては納得のいく結果となったようだ。
関連項目
- Dance Dance Revolution
- 音楽ゲームのボス曲一覧
- どうしようもないもの
- PARANOiA
この曲の原曲。DDR1作目の最難関であり、後のシリーズでもしばしばアレンジされ高難度曲として登場する。
但し現行バージョンでは、SINGLEのEXPERTのみMAKE IT BETTERの方が高い難度なのはナイショ。
原曲含めいくつかのバージョンでは、他曲の代表的な譜面パターンを取り入れ、高速化しているという特徴がある。 - TRIP MACHINE
PARANOiAと並び、初期シリーズでボスポジションに位置付けられた曲。こちらもアレンジ多数。
EXTREME以降は、PARANOiAといつも一緒にやってくるマブダチ。 - TRIP MACHINE EVOLUTION
↑のX3バージョン。こっちも十分難しい。
I'm so impressed I could cry. Thank you very much for your best dance!
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