本記事では上記2のアニメーション作品について記載する。
概要
『PUPARIA』(ピューパリア[1])とは、自主制作アニメーション作品である。約3分の短編作品で、アニメーター「玉川真吾」が2年かけて[2]自分一人だけで[3]制作した。作品中では「蛹夢」という漢字2文字でのタイトルも表示される。
明確なストーリ―は示されないものの、その背景にある物語を想像させられるような幻惑的な光景が流れる。BGMとして使用されている楽曲「Mallet Quartet I. Fast」はミニマル・ミュージックの作曲家スティーブ・ライヒ(Steve Reich)の作品であり、本作の没入感を増している。
2020年に開催されたアニメーション映画祭「第7回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」に出品された。同映画祭の「短編コンペティション」には合計2174作品が応募されていたが、その中から100作品の「ノミネート作品」に選出され、同映画祭で初めて公演された。
そして審査の結果として、特別賞「サッポロビール賞」に選出された。同賞の選出理由としては
画面に映るのはこの世のものではない風景と、こちらを見つめる人物のみ。それだけで何かが起こりそうなざわつきが作品を支配し、見る側もストーリーを組み立てずにはいられない、素晴らしい遊び場をくれました。[4]
とのコメントが発表されている。
その後同年中に、玉川真吾本人によって動画投稿サイト「YouTube」や「vimeo」において作品の全編がインターネット公開された。
作者の玉川真吾はアニメーション企業「サンライズ」にて、『ガンダム Gのレコンギスタ』などの様々な自社作品で動画・原画・作画監督などを担当していた人物。その後、自主制作作品を制作するために退社し、初めて制作した自主制作アニメーション作品が本作「PUPARIA」であるという。
玉川真吾が「どこで止めても絵として成立させる、というのが今回の目標の一つでした。」と自らのTwitterで語る通り、作品のどの時点で一時停止させても「絵」として成り立つような、瞬間瞬間の完成度が特徴的である。
玉川真吾のTwitterではこれら本作に用いられた絵や技術の解説が様々に投稿されているが、「技術的な話ばかりしているのは、作品の内容や意味などを僕から話してしまうと意味が集約されてしまうかなと思っているからです。もちろん、これは技術見せのための作品ではありません。」とも語っている。
関連商品
関連リンク
- 玉川 真吾 Shingo Tamagawa (@ShingoTamagawa) / Twitter
- SHINGO TAMAGAWA(@shingo_tamagawa) • Instagram写真と動画
本作のレビュー記事:
- アニメーター玉川真吾の自主制作アニメ『PUPARIA』 どこで止めても圧巻の密度…! - KAI-YOU.net (ポップカルチャーメディア『KAI-YOU.net』(カイユウ)に掲載された記事)
- 日本動畫|玉川真吾《蛹夢》效應 兩日破十萬view|香港01|藝文 (香港のメディア『香港01』に掲載された記事)
- Shingo Tamagawa’s anime revelation | shots (イギリスのメディア『shots』に掲載された記事)
本作には直接は関連しないものの制作者「玉川真吾」に関連するリンク:
- 玉川真吾 - 作画@wiki - アットウィキ
- NPO法人アニメーター支援機構 - 新人アニメーター大賞 (「過去の受賞者」のコーナーで受賞時のイラストが閲覧できる)
- 第一回新人アニメーター大賞優秀作品展 - NPO法人アニメーター支援機構のイラスト - pixiv
- 「第一回新人アニメーター大賞優秀作品集」委託販売始まりました!! - NPO法人アニメーター支援機構のイラスト - pixiv
関連項目
脚注
- *「”PUPARIA”の読みは「ピューパリア」。 日本語では「蛹」「蛹殻」といった意味です。」 / Twitter
- *「実際の制作には2年かかっています。 セル部分の絵としての説得力を持たす方法を模索したり、失敗を繰り返すうちにそんな時間が経ってしまいました… 3分作るのに2年というのは果てしないですが、アニメとはそんなところがあります。」 / Twitter
- *「これからまた新しい作品を作るときに、自分一人でこの方法をずっとやっていたら、とてもじゃないけど中編や長編の作品を作るのは不可能です。 でも、最初の作品は一人で全てやり切ってみるべきだと感じたので、そのようにしました。」 / Twitter
- *アワード | 第7回 新千歳空港国際アニメーション映画祭
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