R-TYPE TACTICS Ⅱとは、アイレムソフトウェアエンジニアリング制作の横視点型SLGである。
人気STG『R-TYPE』シリーズをモチーフとした作品『R-TYPE TACTICS』の続編。
サブタイトルまで含めた正式タイトルは『R-TYPE TACTICS Ⅱ -Operation BITTER CHOCOLATE-』。
タク2、ビタチョコ、ビタチョコ作戦、などと略称される。
ストーリー
かつて人類は、最後の希望と、残された僅かな兵力を若き司令官に託し、
バイド星域の奥深くへ送り込んだ。それから数ヶ月、数年が経つうちに、太陽系に現れるバイドの数は減っていった。
人類はようやく訪れた安らぎの日々に歓喜した。しかし、それは長くは続かなかった。
人類は長い戦いの間に、凶悪かつ強大なバイドに対抗するため、
バイドを人類の兵器として利用する、“フォースシステム”を開発していた。
そしてバイドとの戦いが少なくなってからも、この強力な兵器を手放すことができなかった。バイド兵器を巡って世論は二つに割れた。
未知なる敵からの侵略に備え、積極的にバイド兵器を保持・開発し続けようとするグループと、
バイド兵器を破棄すべきだと主張するグループとに。
お互いの主張は噛み合うことなく、対立は深まっていった。二つに分かれた人類は、新たな兵器を開発し続け、命を奪い合った。
戦いは泥沼化し、戦火は太陽系全域に広がっていった。
人類同士の戦いは日々その凄惨さを増している。
今、再び太陽系に迫る強大な危機に気づいている者はいない。
概要
当初発売日10月29日間際の重大なバグ発覚による延期を経て2009年12月10日に発売。
DL版は3,800円、必要容量1039MB。
『R-TYPE TACTICS』の続編だが、時系列としては前作のプレイヤー(引継無しの場合はジェイド・ロス少将)率いるバイド殲滅艦隊(正式にはバイド帝星方面艦隊)が太陽系から敵中枢向けて旅立って以降の空白期間からスタートする。
バイドの脅威が収まった地球圏ではバイドに由来する兵器の取り扱いで紛糾、火星で蜂起したグランゼーラ革命政府軍と地球連合軍とが衝突するに至った。
そんな人類が相争う情勢下でプレイヤーは両陣営のどちらかを選択し、戦いを終焉に導くべく艦隊の指揮を執ることとなる。
グランゼーラ革命軍
反バイド兵器を主張する人々が火星で決起した革命政府の軍。総司令官はキースン大将。本拠地は冥王星の外宇宙側に浮かぶ軍事基地グリトニル。 |
地球連合軍
前作でプレイヤーが所属した組織。地球連合政府の正規軍。 |
本作は様々な要素が強化され、前作の不満点の多くが払拭されている。一方で高難度過ぎるとの悲鳴も聞かれた。
ゲームシェアリングでプレイ後にセーブするとパイロットの熟練度が初期値(つまりゼロ)に戻ってしまう不具合が有る為、シェアリングプレイ後はセーブをしないように注意されたし。
- 前作で一部に止まっていた登場機種が一気に増加。全101機が登場した『R-TYPE FINAL』の多くが参戦しており、更に本作初登場の機体も複数追加。バイド側を含め、ユニット総数は前作の倍程になっている。
FINALで残念性能だったデコイ機シリーズや偵察機シリーズ、霧の人も本気を出した。海底大戦争からも驚きの参戦。 - ユニットを艦船に搭載した状態で出撃出来るようになり、配置HEXが少ない時でも戦力を確保出来る様になった。
これによりヨルムンガンド級輸送艦一辺倒だった出撃選択が改められ、HEX占有の大きい艦船も使い易く。
ただし、バランスを取る為か前作に比べ配置HEXが大分小さくなっている。
中には一部ステージ以外では出撃範囲自体が足りない大型艦も……。 - 機体は『開発』の他に『強化』による別系統への進化も用意された。
一言で言えば既存機体の改修。最初は頼りなかった機体が最終型では強力に。 - 『鹵獲』『ジャミング』『亜空間ソナー』『基地建設』といった新機能追加でゲーム性も更に深化しており、前作そのままのプレイでは通用しない局面も少なくない。プロデューサー曰く「騙し合い」が肝の、駆け引きが楽しめるゲームである。
それらを念頭に置かないとすぐに窮地に陥るような物量と難度に調整されており、前作より難易度が高い。
索敵の重要性は相変わらず。 - 戦闘時以外でもユニット行動時にアニメーションが挿入され、POWアーマーの補給シーンなど知られざる実態が明らかになった。 戦闘・コマンドアニメはメニューから全画面・小画面・ランダム・オフと切替可能。
「SFを格好良く魅せる」というプロデューサーの言もあり、一度は全画面表示でその演出をじっくりと眺め、スタッフの努力を労ってあげるのも良いのではないだろうか。パッと見で気付かない様な細かな部分まで丁寧に作り込んである作品だと気付ければ僥倖。でも九条司令官、「格好良過ぎるからデザインやり直し」は無いんじゃない? - ターン開始時や接敵時などにグラフィックと音声付で副官が指示を求めてくる。司令官気分を盛り上げる演出であり、ファンが本作で一番驚いた要素。これもまた音声/ボイスがそれぞれオンオフ選択可能で、更に副官のグラフィックは3種類から選べる。(最初は2種類しか選べないが、後に予想通りのCタイプが追加される。アイレムと言えばみんこさんの……)
- ステージ間の『航海日誌』がフルボイス仕様。更に選択肢によりゲーム進行が(指揮傾向も?)分岐する。
これにより進攻ステージやステージ間での入手トレジャーが変化。
選択肢自体もアイレムらしいセンスの、何か間違っている様な気がしないでもない独特のものとなっている。
ケイブ語やフロム脳の様な特異な世界観の表現技法とも。そんなことよりおなかがすいたよ。
音声オフ可能。バックグラウンド変更可能(進行により増加)。この無駄に凝った仕様、愛してるぜ、ベイビー! - プレイヤーの分身である司令官は性別・出身地・好きな色・好物・シルエットなどが設定可能。
男の場合はCV.稲田徹、女の場合はCV.前田ゆきえ、となる。
(アイレム作品ではそれぞれ『桜坂消防隊』の本条雄一郎役、『絶体絶命都市』の相沢真理役を演じている)
緊急着色だ!とにかく黒ペンキを掛けろ! うむっ、実にトロンベ。→R-E1bk、R-9B1bk
何、出身地が月面都市セレーネだと? エンディミオンFRSマークⅡでも呼んで来い! - BGMには多くのシリーズファンが待ち望んだ旧作アレンジ曲も。サウンドトラック発売はまだですか?
- プログラムやデータの見直しによるロード時間の短縮、データ先読み、メディアインストール(要880MB)の対応により前作で言われた長いロード時間は大きく改善され、特にUMDアクセスが必要無いダウンロード版では前作と別物の快適さとなった。
前作UMD>本作UMD>本作UMD先読みON>前作DL版>本作UMDインストール>本作DL版、の順にロード時間が短くなる模様。とみ~氏の高速化の努力の結実。 - ゲームシェアリングに対応するなど通信対プレイ機能も強化されており、前作でもあった通信対戦の他、通信協力プレイという要素が追加されている。当然アドホックパーティ対応。
前述の不具合が有る為、シェアリングでプレイ後はセーブをしないこと。 - 前作のクリア如何に関わらず、ギャラリー等のセーブデータ引継ぎ要素有り。
例えば前作ギャラリー画像全32枚の内、取得分が引き継げる。
加えて前作司令官の名前が使えなくなるが……つまり沈む夕陽という事だろうか?
PlayStation Portableのブラウザからアクセス出来るPSP公式ページ、PS3・PSP・PCからアクセス出来るPlayStation Store、アイレムの公式サイト、という三箇所から体験版やPV、カスタムテーマや壁紙のダウンロードが可能。
PS Storeでは『戦線拡張パック』と称されるダウンロードコンテンツが配信されており、資源や特殊機体(無料)、追加ミッション(有料)のDLC配信などが予定されている。
2010年2月が配信無しだったのは追加ミッション製作に勤しんでいるからだと思いたい。え、『本業』の仕込みが先ですか?
そして2011年1月27日になり、アイレムぶるるんデジタル版創刊号の付録として、ようやく追加DLCが発表された。
今回使用可能となったのは、地球軍側がクラン・ベリィとナーストレンド級。
バイド側がゲインズ3白兵戦型・改とノーザリー強襲揚陸型の計4ユニットである。
今後、如何言った形態で他のDLCを発表していくのか注目が集まる所。え、その前にやっぱり『本業』の仕込みが先ですか?
発売までの流れ
良作と評価された前作の出来に続編を期待するファンは少なくなかったが、その一方でプロデューサーの九条一馬氏の「やりたい事はやった」との趣旨の発言や販売数などから出ないだろうとの諦観もあった。
そんな空気の中、前作発売から約一年半以上経って突如もたらされた続編の報にファンは歓喜し、今日は四月一日ではないのかとカレンダーを凝視し、「うむっ、緊急連絡だ」が飛び交った。
7月下旬にはPS Home香港サーバーでR-9Aバスが運行した事が発覚しており、国内運行が無いことに困惑が広がっていた状況下の出来事だった。
俺の嫁や「とにかく拷問だ、拷問にかけろ!」との名言、登場ユニット数の倍増、ロード時間短縮など様々な情報が出るに従い、期待は高まっていった。
その後配信された体験版Aタイプが初代ステージ1再現、BGMもまたそのアレンジであった事に感涙したファンも。
FINAL、TACTICSと(楽曲単体の出来は悪くなかったが)BGMとして評価されなかった音楽は本作で旧作曲アレンジを盛り込む事で一転して期待を掛けられることとなる。
だが、発売日を目前に控えて重大なバグが発覚したとのことで発売延期。データがバイドに侵蝕されたのかと思われたが、12月10日、ついに発売に至った。
東京メトロ日比谷線秋葉原駅に巨大ポスターまで出現(10/26~11/1)、発売前週には本作のプロモーションの一環としてPlayStation®Homeで特設サイト『閃光煌めく宇宙空間』が開設されるなど、四月一日でもないのにアイレム本気を出し過ぎだろうという力の入れ具合を見せており、ファンにとってこの半年程は一喜一憂が続く楽しい日々であった。
公式通販サイト『アイレム横丁』で予約した人の中には発売日前日に届いたという公式フラゲもあったようだが、無事発売まで漕ぎ着けた事はとに拷喜ばしい。
初夏からの狂想曲はここで発売日という開演を迎えた。いよいよもってプレイである。そしてバイド化するがよい。
参考までにファンの多くが覗いているだろう2ちゃんねるのR-TYPE TACTICSスレの立った日を挙げておくと、
2008/11/10 (8スレ目)←6月空からオタマジャクシ事件。アイレムの関与が疑われる。続編フラグらしき情報も
2009/07/04 (9スレ目)←7月『開発者達の館』で更にフラグ増加。月末ついに続編情報到着。トレーラー公開
2009/08/08 (10スレ目)
2009/08/27 (11スレ目)
2009/09/16 (12スレ目)←体験版Aタイプ配信
2009/09/28 (13スレ目)
2009/10/04 (14スレ目)←体験版Bタイプ配信
2009/10/13 (15スレ目)
2009/10/27 (16スレ目)←巨大ポスター出現、体験版Cタイプ配信
2009/11/21 (17スレ目)←『閃光煌めく宇宙空間』開設
2009/12/07 (18スレ目)←発売!
炎上した訳でもないマイナーゲーム(残念ながら)のスレとしては⇒驚愕するべき進行速度ではないだろうか。
それより、続編の一報以降、前作分以上のスレを消費ってどういうことなの?バイドなの?
R-TYPE本スレやFINALスレまで加速させるバイドの人って……。
『R-TYPE TACTICS Ⅲ -operation AFTERNOON TEA-(仮称)』が出るまでちゃんとお布施するのよ?
提督の帰還
トレーラーを見ての通り、人類の争う戦場にバイドの影が再び迫る。
その中には彼の艦隊の旗艦であるコンバイラの姿もあった。
ファンはこれを見て“提督”が帰って来たのだと胸に込み上げるものがあったという。
新旧二人の提督の出会いは何をもたらすのか……。
ちなみに前作プレイ動画で有名な『いつでもニコニコ提督(蛍の光P)』も『どこでもニコニコ提督』として帰って来たようです。次回作があったら『まいにちニコニコ提督』になったりするんじゃあ……。
これは拷問だ、拷問にかけられた!
発売前情報からある程度難易度が高くなっている事は予想されたが、実際に発売されてプレイを始めた諸提督は早速悲鳴を上げる羽目になった。
STGの『R-TYPE Ⅱ』が『R-TYPE』から難易度を増していたように、本作もまた前作比で難易度がかなり上昇していた為。前作で例えればアイギス面が複数存在するようなもの。
特にゲイルロズ(12面)、グリトニル(23面)といった悪名高き難所は制限ターン数ギリギリに調整されており、SLG初心者は軽く詰む。 使える機能は全て駆使し、死に憶えで試行錯誤しつつ、攻略法を組み立てるべし。
そんな詰め将棋のようなストイックさ、マゾゲー的な難関、初見殺しと覚えゲー要素、とSTG作品の様な攻略法構築が求められる部分に“いつものR-TYPE”である事を感じる者も少なくない。縦穴や後方進行があってこそRである。
難所を越えるに従って自身の能力が鍛えられていく事を実感出来たら万々歳。難関突破の解放感と喜びは格別。
そして幾つもの山場を越えた先にプレイヤーを待ち受けているのは多くのR-TYPERの予想通り……
公式のスクリーンショットを「どうせ開発画面だろ」と思っていたら本当にそのままの物量で笑い狂ったTYPERは多い。
これが『最終鬼畜司令官・九条』の所業か……。
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日誌朗読と拷問大好き。 優秀なイロモノ変態集団仲間達と共に、ゆっくり提督が行く。 |
関連コミュニティ
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