R-TYPEⅡとは、アイレムが1989年に発売した横スクロール型シューティングである。R-TYPEの正当な第二作にあたる。
以下、この記事では旧アイレム(現アピエス)時代の設定を取り上げる。現アイレム以降は他記事の詳細を
ストーリー
- ゲームボーイ R・TYPE II 説明書より引用
異次元空間に存在した、
全てを破壊し食い尽くす邪悪な
バイド帝国。その存在は人類
が送りだした“R-9大隊”
によって絶滅させられたはずだった。
しかしそれは生きていた。
別の次元に逃げ込み、失われ
た戦力を蓄えていたのだった。
逆襲が始まった
憎悪に荒ぶるバイド帝国は
次元の壁を引き裂き、人類に
襲いかかってきたのである。
それに対し、人類は強化型
「R-9」を送り出した。
最強兵器「フォース」とともに……
概要
今作はステージ数が前作の8面×2周制(8面クリア後、難易度が上がった1面<9面>から最終面までもう一度プレイする)構成から6面×2構成へと減った反面、1面毎の難易度が上がった。敵の出現数や弾量の増加に加え耐久力も強化されて、さらに恒例の初見殺しの凶悪化された。
そのためゲーム中ミスするとステージ中の復活ポイントに戻される“戻り復活”であるため、前作同様完全な攻略パターンを構築する必要がある。
搭乗機体は前作R-9の後継機にあたる“つきぬける最強”R-9customである。
前機と大幅に異なるのは、BEAMゲージを2ループ溜める事により広範囲の対象に威力を発揮する、強力な“拡散波動砲”が搭載されている点である。
しかし、BEAMゲージをMAXまで維持できる時間が短いためタイミングがシビアである。そのため使いこなすにはそれなりの練習が必要である。また、波動砲の集束点を対象に上手く当てないと通常の波動砲より威力が低くなる
また今回のフォースには新たに二つにレーザーとミサイルが加わった
- 緑→サーチレーザー:敵に反応して45度で曲がるレーザー。連射性、威力がやや低い
- 灰色→ショットガンレーザー:カプセル形態で射出後、炸裂するレーザー。高威力だが射程が短い
- 対地ミサイル:前方下方向に発射され、着弾すると一定範囲を連続して爆破させるミサイル
6ステージクリア後にはボーナスゲーム(2周目)が用意されているがそれは後述を参照
その他 ~時代背景やおまけ~
R-9改(custom)について
R-9改は、第2次バイド戦役において、超高機動と超極悪環境下における作戦行動を可能にするため、前戦役の戦闘データをもとに、素材レベルからの再設計がおこなわれ、R-9と名付けられているものの、それをはるかに凌ぐポテンシャルを秘めた怪物マシーンとなった。
この機体は作戦遂行を第一目的としたため、パイロットは四肢を切断され、実に脳だけになりながら、生体ユニット(UNIT UNCANNY)として搭載されたという非人道的な機体でもあった。(もちろん、このことは公開されておらず、後に軍の広報用に使用された写真は、前作戦時のR-9のものだったという)
難易度やSTG衰退期という時代背景
R-TYPEⅡは前作の影響もあり期待された人気タイトルであったが、グラディウスⅢと同じく、序盤ステージからのSTGの高難易度化に一役買ってしまった。
元々アイレムのSTGはどれも操作性が特殊で、慣れるまでに非常に時間のかかるものであった。その上ステージ数短縮のために2面から高難易度となってしまい、この取っつきにくさからプレーヤー離れを引き起こしてしまった。そのため前作で人気タイトルであったばっかりに、皮肉にも高難易度ゲームとして良くも悪くもの評価されてしまった。
時代背景として、家庭用ゲーム機の普及や対戦格闘ゲームの登場、RPGなどの新ジャンルのメジャー化など様々な要因が絡み合ってしまったのが原因だと思われる。
また、当時アーケードゲームを専門に扱っていて攻略記事などを意欲的に掲載していた「ゲーメスト」にX-マルチプライやR-TYPEIIなどの情報がほとんど記載されていなかったという。じつは、この時代にはロケテスト荒らしや、「攻略情報の公開のせいでゲームセンターのインカムが落ちてしまう」ため禁止して欲しいなどといった様々な話が飛び交っていた。その為か、アイレムは意図的に情報規制をかけゲームの紹介を封印していたという話である。また、アイレムとゲーメストとの仲が悪かったという噂も。
そのため、1989年以降のアイレムのゲームはどれも注目が薄くなり、R-TYPEIIは特に期待とは裏腹に短期で誰も手を付けずに撤去されるという現象に見舞われてしまった。ハイスコアの集計も2周ALL以降の更新がめっきり停滞してしまう。
グラフィックやギミックなど大幅な正当進化を遂げたばかりに惜しい作品である。近年ではプレイヤーの動画投稿やブログ記事などのおかげか、ゲーム性そのものからの見直しもされるようになってきた。
スルメゲーとして再評価され、また1周目から極悪難易度というレッテルも解消されてきたようである(もちろん簡単という意味ではないので注意して欲しい)
2周目について
前作のR-TYPE同様にこの作品も“ボーナススゲーム”として、1周目をより高難易度にした2周目が存在する。
2周目の特徴として
- 敵の移動速度・弾量・弾速・強度の大幅な強化
- 一部の敵が弾を撃つようになる
という仕様変更のみである。
ただ、これだけなのだが前作以上の難易度に仕上がってしまった。このゲームの性質上、撃ち返し弾などを付けるのは厳しかったのか敵がひたすらに硬くなっている。そのため、パターン通りが少しでも崩れてしまうと地獄を見ることになる。
また前作のベルメイトのように、ランダム要素がボス戦や道中に見られるため、世間で言われるような単純に“覚えゲー”では済まない。この手のゲームでは覚えれば簡単などといった迷信が飛び交うことが多いが、そのような情報に惑わされないで欲しい
ちなみに、見事に2周ALLを達成すると2周目専用の「真エンディング」を見る事が出来る。また、PS版のR-TYPESには2周目クリアで追加ムービー+スタッフロールが出現する。是非遊びつくして感動を味わって欲しい。
もう一つの「第二次バイドミッション」
本作発売から2年後の1991年にSFCのみで発売された「SUPER R-TYPE」という作品が存在する。
この作品は「R-TYPEII」を参考にはしているものの、容量と仕様の関係上で大幅なアレンジが加えられており移植作品というよりはもはや別物となっている。(本作が「R-TYPEII」というタイトルを冠していないのもこのためである。)
しかし、R-TYPEIIで高すぎると評された難易度はかなり緩和されているほか、差し替えられたステージも程よいバランスとなっている為かファンからの評価は決して悪くない。
また、本作の登場機体も"R-9custom(R-9改)"であり、当初はR-TYPEIIの機体と同一扱いとなっていたが、一部の仕様が変更されている為か、現在ではR-9Cの量産機体「R-9K」と見る説が有力となっている。
(R-9Cは先述したとおり、パイロットの四肢切断を行った上で、「ANGEL PAC」というサイバーコネクトシステムに「パッケージング」されている「らしい」のだが、SUPERではパイロットが出撃前に搭乗する描写があり、設定上の矛盾が発生している為だと思われる。)
こちらは現在Wiiのバーチャルコンソールにて配信されているので一度遊んでみてはいかがだろうか。
R-TYPEIIから変更された点
ステージ関連
R-TYPEIIは全6面で構成されていたが、SUPER R-TYPEでは新規にステージが追加され全7面構成となっている。
ステージの変更点などを以下に列挙する。
ステージNo | IIからの変更点 | ボス |
1 | オリジナルステージ「宇宙空間」を追加。 | イルミネーター |
2 | 敵キャラなどの細かい表現の変更。BGMアレンジ。 | ザブトム |
3 | 水中表現のカット。間欠泉追加。敵キャラの大幅な差し替え。 BGM差し替え。 |
バラカス→インエグゼズ |
4 | 超巨大戦艦戦ステージへと差し替え。 | コルベルト→プリズナー |
5 | IIの4面から構成変更は無し。BGM差し替え。 | ライオス |
6 | バイド兵器の廃棄・再生工場へとステージ差し替え。 | ブレンドア→リサイクラー |
7 | ステージ構成の変更。一部敵キャラ差し替え、追加。 BGM差し替え。 |
ウーム |
その他変更点
- 初心者向け難易度の設定。
本作では初心者向けの措置としてアウトになっても装備が無くならない「KIDS」難度を設定している。
しかし、スピードも初期化されないので「初心者向けという名の罠」と化しているのが現状である。
なお、KIDSでプレイした場合は1周クリアした時点でゲームオーバーになる。(戦闘訓練という設定になっている為。) - 途中復活の廃止
R-TYPEシリーズは通例として途中復活ポイントが設定されているが、本作はアウトになるとステージの最初からやり直しとなっている。これは、シリーズにありがちな途中復活だと「詰み」に近いほどの高難度となってしまう場面がない、という事も意味している。そういう観点では良心的な配慮ではある。 - 一部の装備変更
本作では緑レーザーがサーチレーザーL45からスプリットレーザーへ変更されている。 - 既存面のBGM差し替え、アレンジ。
R-TYPEIIからほぼそのまま移植されているステージに関してもオリジナル曲への差し替えやアレンジされたものへと変更されている。また、IIの4面BGMにアレンジを加えてコンティニュー時のBGMとして採用している。
なお、この曲は16分という暴挙としか思えないような長さを誇る。
ゲームボーイ移植版
R-TYPESやDimensionsを除き、唯一「R-TYPE II」の名を冠して家庭用に移植された作品。1992年発売。
前作同様、GB初期の作品であるためROM容量の関係でかなり削られたり変更されたりした要素があるが、
それでも原作の雰囲気をそれなりに醸すかなり頑張った移植となっている。
R-9Cの「パイロットの四肢切断」という設定は、この作品の説明書の記述が初出。
しかしゲームのOPでは「SUPER」同様にパイロットがR-9Cに乗り込んで出撃する描写があったりと矛盾している。
以下は本作の特色や原作との相違点。
- ステージは全5面。原作における4面は削除されている。1周クリアで終了し、2週目はない。
- サーチレーザーやショットガンレーザーはない。ミサイルは対地ミサイルのみ。
- 対空レーザー装備時にビットから補助レーザーが出なくなった。
- 自機の通常弾で敵の小弾を打ち消すことが出来る。
- ステージBGMが原作のステージ1、2の二種類しかなく、その2つを交互に流している(前作も同様)。
関連動画
関連商品
関連項目
- R-TYPE関連の記事一覧
- R-TYPEⅢ
- R-TYPE TACTICS
- R's MUSEUM:-R戦闘機の一覧-
- Rの戦歴
- アイレム
- バイド
- シューティングゲーム
- STG
- STGのタイトル一覧
- ゲームのタイトル一覧
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