RDRAM(Rambus DRAM)とは、米Rumbus社が発売していたシンクロナスDRAMの一種である。RDRAMと、その後継であるDirect RDRAMが存在する。
概要
Rumbus社独自の高速インターフェース「Rumbus」を採用したメモリで、DDR(ダブルデータレート)を採用し、バス幅は8bit。通常のDDR SDRAMと違い、RASやCASなどの制御線を用いず全てRumbus上をパケット形式でやり取りしていた。
通常はRIMM(Rambus Inline Memory Module)という独自規格の基盤に載せて使用するが、通常のDIMM基盤に載せることも少数ながらあったようだ。
RIMMの場合は最大3枚まで搭載することが出来、メモリを載せない空スロットには配線端による信号反射を防ぐため「Continuity RIMM」と呼ばれる終端抵抗を装着しなければならなかった。
帯域が広くて速度も高速だが反面ランダムアクセスに弱いという問題があり、普通に使うとノーマルのSDRAMと大差ない性能、というかむしろ負けるケースも多々あった。
パーソナルコンピュータにおけるRDRAM
Direct RDRAMはPC800(実働周波数400MHz)では1.6GB/sの転送速度を実現しており、これは当時の対抗馬だったPC133 SDRAMの1.06GB/sと600MB/sもの差を付けていた。
PC用CPUを制覇していたIntelは次にDRAMも支配しようと考え、RAMBUS社の筆頭株主となった上で、Pentium4向けのi850チップセットにRDRAMインターフェースを搭載し、標準委員会のJEDECにおいてRDRAMを次期標準インターフェースにするべく政治的に動き回ったが、結局うまくいかなかった。[1]
同時期にライバルであるAMD社が安価だが転送速度で劣るDDR SDRAMを支持することで市場での存在感を増してきた為、IntelはDirect RDRAMの普及を諦めて自身もDDR SDRAMへと移行していく。
ゲーム機におけるRDRAM
Nintendo64では512KBのRDRAMを9組搭載し、合計4.5MBで9Byte×1ch×233MHz×2(DDR)=524MB/sの転送速度であった。1チップ8bitというRDRAMの単純なインターフェースと狭いバス幅は信号線の取り回しを容易にし、基盤を低コストで製造することが出来た。その代わりレイテンシが超ひどい。解析サイトによるとreadの待ちが640nsもあったとか・・・。
SONYのPlayStation2はは8MBのRDRAMを4組搭載し、合計32MBで8Byte×4ch×400MHz×2(DDR)=3200MB/sもの高い転送速度を実現した。
関連項目
脚注
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