友情か、
使命か?
RRR(アールアールアール)とは、2022年にインドにて公開された映画作品である。
概要
RRR | |
基本情報 | |
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監督 | S.S.ラージャマウリ |
原案 | K.V.ヴィジャエーンドラ・プラサード |
音楽 | M.M.キーラヴァーニ |
製作 | D.V.V.ダナイヤー |
オリジナル言語 | テルグ語 |
応援 | インド大使館 |
配給 | ペン・スタジオ(北インド) ツイン(日本) |
公開 | 2022年3月25日(インド) 2022年10月21日(日本) |
上映時間 | 182分 |
映画テンプレート |
『バーフバリ』2作を手掛けたS.S.ラージャマウリ監督によるアクションドラマ作品。実在のインド独立運動指導者、コムラム・ビームとアッルーリ・シータラーマ・ラージュをモチーフにしたフィクション作品であり、2人が歴史上に登場する以前の空白の時代が舞台。友情と使命の間で揺れ動く人間模様を描きつつ、イギリス領インド帝国に戦いを挑む姿を描いている。
主演に俳優、政治家を一家に持つN・T・ラーマ・ラオ・ジュニア、テルグ語映画界で最も出演料が高い俳優の1人として知られているラーム・チャランを迎え製作。音楽はバーフバリでラージャマウリと共に名を馳せたM.M.キーラヴァーニ。
インドでの公開後はバーフバリに匹敵するメガヒットを叩き出しており、制作費55億ルピー(約97億円)に対して興行収入はインド映画歴代3位の120億ルピーという数値をマーク。海外でも演出や演技、アクションやVFXなどの映像面、音楽が高く評価されており、2023年のゴールデングローブ賞、アカデミー賞にて『Naatu Naatu』が主題歌賞を受賞した。他にも数々の映画賞にその名を連ねている。
日本国内でも公開8週で4億円の興行収入を記録。『ムトゥ 踊るマハラジャ』の記録を上回り、国内公開のインド映画としては歴代1位に躍り出た。2023年には先述のゴールデングローブ賞受賞を機に一般メディアでも取り上げられる機会が増え、7月より日本語吹き替え版を新録したBlu-Ray、DVDがリリース、各VODサイトでも配信開始。
翌2024年には何と宝塚歌劇団による公演『RRR×TAK"R"AZUKA~√Bheem~』が1月から星組によって行われる。主演に礼真琴と
登場人物
- コムラム・ビーム
- 主人公のひとりでインドの森に住むゴーンド族の若者。総督夫妻に連れ去られた少女マッリを救出すべく身分を隠して仲間とともにデリーに潜伏中、互いの正体を知らぬままラーマと親友になる。
- ラーマの手助けでジェニーと仲良くなって公邸に招かれ、マッリを見つけた彼はついに襲撃を決行するが……?
演じるNTR Jr.は『Ashok』などに出演。インド映画MAD『進撃のインド人(『Gola Gola』×『紅蓮の弓矢』)』は見た事があるユーザーも多いはず。ちなみに本人も大変気に入ってるようです。 - A・ラーマ・ラージュ
- もうひとりの主人公。警官として独立デモの鎮圧などで手柄を上げるもインド人ゆえに冷遇されている。総督を狙う暗殺者を捕縛すれば昇進させると聞いて名乗りを上げるが、彼にも秘められた使命があるようで……?
ビームと親友になってからは奥手で英語も話せない彼の恋をさりげなくアシストする。
演じるラームはラージャマウリと共に『マガディーラ 勇者転生』でタッグを組んでおり、上映期間1000日越えの伝説的ヒットを記録している。
ニコニコ的にはゴリマーことチランシーヴィの息子と言えば分かる人には分かるかも。 - スコット・バクストン
- インドを支配するイギリス総督にしてブリカス1号。インド人ごときに銃弾を使う価値はないなどとのたまい、自身の命が狙われていると聞いても一笑に付す高慢な人物。
- キャサリン・バクストン
- スコットの妻でブリカス2号。「この子可愛いわね、うちに飾りたいわ(意訳)」と小銭を押しつけてマッリを連れ去ったり、拷問が手ぬるいとトゲだらけの鞭を手ずから渡したりする鬼畜。
- ジェイク
- ダンスに自信のあるブリカス3号。パーティーに招かれたインド人2人をよりにもよってダンスで挑発してしまい、ナートゥをご存じになることに。
- ジェニー
- スコットの姪で本編の前半ヒロイン。イギリス人だがブリカスではなく、インド人にも対等に接する。ビームに思いを寄せられ、ラーマの手助けもあってビームとの距離を縮めてゆく。
演じるオリヴィア・モリスは本作で劇場作品デビュー。元々は海外ドラマ出身で、「ホテル ポルトトフィーノ」などに出演している。 - シータ
- ラーマの許嫁。本編後半のヒロインかつキーパーソンであり、ビームが彼女と接触した時、インド独立に向けての大攻勢が狼煙を上げる。
演じるアーリヤ・バットはボリウッド女優としてキャリアを積んでおり、トリウッドへの出演はこれが初となる。 - ヴェンカタ・ラーマ・ラージュ
- ラーマの父親。故郷の村で民兵を率いており、英国軍に果敢に立ち向かった漢。こちらも本編後半に明らかになるラーマの過去に大きく関わっている。
余談
- タイトルのRRRはそれぞれRise(蜂起)、Roar(咆哮)、Revolt(反乱)を表しているが、企画立ち上げ当初は監督のラージャマウリ、主演のラーム、NTR Jr.の名前にあるRの文字を重ねた仮題だった。この題名がファンから好評となり、そのタイトルで公開に至っている。またインドでは地域毎に言語が異なるため、テルグ語、タミル語、カンナダ語、マラヤーラム語で怒り、戦争、血の意味を持つそれぞれの単語が現地公開時のサブタイトルに付けられている。
- モデルとなったビーム、ラーマの2人は先述通りインド独立運動の英雄として知られているが、史実上では実際に出会った事は無かった。本作はこの二人が出会ったらどうなったか、というifストーリーとして製作されており、ラージャマウリが過去作にも取り入れた神話『ラーマーヤナ』のイメージを登場人物にそれぞれ重ねている。
- 撮影は2018年11月に始まったが、コロナ禍のロックダウンの影響で終了したのは2021年8月までずれ込んだ。その為製作費も当初の約69億円から28億引き上げられており、最終的にインド映画最高額を記録する事になった。
- 『Naatu Naatu』のダンスシーンはロシア侵攻前のウクライナ・キーウにて2021年に撮影されている。この5か月後にロシア軍が攻め入ったため、ラージャマウリも終戦後はまたウクライナを訪れたい、と語っている。
主な受賞・ノミネート
- 第47回サターン賞:インターナショナル映画賞受賞、他2部門ノミネート
- 第88回ニューヨーク映画批評家協会賞:監督賞受賞
- 第80回ゴールデングローブ賞:主題歌賞受賞、外国語映画賞ノミネート
- 第46回日本アカデミー賞:優秀外国作品賞受賞
- 第95回アカデミー賞:歌曲賞受賞
関連動画
ニコニコ動画では公式チャンネルを展開している他、YouTubeのT-series公式チャンネルでは劇中歌が視聴できる。ジュークボックスではテルグ語の他にヒンディー語、タミル語、カンナダ語、マラヤーラム語の劇中歌が聴ける。言語ごとに楽曲タイトルも異なっていたりするので聞き比べして観るとよいだろう。
関連リンク
関連項目
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