SCP-2013とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
概要
SCP-2013はルナール(Renard)クラスのミーム媒介とされており、視覚、聴覚、触覚を媒体として流布する約72%の感染率のミームである。このミームを信じてしまうと、SCP-2013-Aという実体群が実在することを確信するようになる。
このSCP-2013-Aとは何なのかというと、アメリカ、イギリス、イラン、ロシア、北朝鮮を含む各国政府に潜入しているという地球外種族である。
SCP-2013-Aをかつては財団も信じていた。SCP-2013-Aは直立すると3mにもなるヒト型爬虫類であり、りゅう座アルファ星系に由来すると考えられていた。その肌は色を変化させることができ、最低でも2週間に1度、人間の血を接種しないと生きていけないとする。また暴力的な死亡により半径50m以内の人物の記憶喪失を引き起こす窒素系のガスが死体から発生する。
このSCP-2013-A個体群はこのままだと人間に存在がバレるので、サイズ変更を容易にするスキンスーツと、彼らの肉体の化学的性質を人間に似せるために服用されるピル、容貌の恒久的な整形改造などのテクノロジーを保有していると考えられていた。また、SCP-2013は本来であれば強い生命体であり、5Lの血液を2週間に1度摂取すれば死ぬことはない。しかし、SCP-2013が人類に気付かれるとSCP-2013-Aは小火器で射殺できる程度にまで弱体化する。
財団は2011年末 - 2012年初までにSCP-2013-Aについての情報を拡散し、人類が自分たちの支配者の統治の正当性を疑い始めたタイミングで世界同時多発的に軍事クーデターや暗殺を仕掛けようとしていた (ヘレフォード・プロトコル)。これによってSCP-2013-A群を滅多打ちにしようとしていたのだが、その矢先にSCP-2013-Aと信じられていた人物の一人が死亡して、その死体の解剖の結果その人物はただの人間であったことがわかった。そして、保管されていたSCP-2013-Aの死体とされているものも全員が人間であった。SCP-2013-Aについての報告は全て、SCP-2013影響下の人物が書いていたのだ。
こうして、SCP-2013-Aを巡る騒動は全てSCP-2013ミーム影響下であると判明し、財団はヘレフォード・プロトコルを中止。代わりに、ミームによる偽情報の拡散を世界的な記憶処理剤の散布で防ぐことにしており、現在はSCP-2013-Aの存在を信じている人は地球総人口の1%を切っている。
我々は、SCP-2013-Aが世界全土に広がっていたことに気付いた。どの点から見ても、彼らは世界を支配していた。世界全体の半数以上4分の3未満の政府は彼らの統制下にあった。
SCP-2013 - SCP財団より,2023/01/25閲覧
SCP-2013には、何者かによる文書がロックされた状態で付記されている。そう、SCP-2013のここまで語ってきた内容、「SCP-2013とは人類にSCP-2013-Aなる爬虫類人を信じ込ませるミーム」というのは、実は虚偽である。
SCP-2013-Aは実在している。資金難に陥っていた財団はとある場所で見つけた卵から爬虫類人を目覚めさせ、それを育てた。彼らが高い知能を有し、財団に協力的だったゆえに彼らを有効活用しようと財団は考えた。
財団の試みはうまく行った。ありとあらゆる分野、政治・宗教・芸術分野のいずれにおいても彼らはリーダーとしてなりかわった。イギリス女王もSCP-2013-Aに入れ替わり、家族さえ気付いていなかった。はては財団を裏切ったカオス・インサージェンシーのメンバーにすら入れ替わった。こうして財団は自分たちの活動を円滑に進めることができた。資金難をカバーし、より多くの利益を得られるようになったのだが、この活用はある日終りを迎える。彼らは貴金属を安易にうみだせるようになり、SCP-2013-Aという未知の別種族を暗躍させる必要がなくなっていたのだ。そのため財団はSCP-2013-Aを集めて全頭処分した――はずだった。
しかし財団はSCP-2013-Aを見誤っていた――彼らは世界オカルト連合にすらもはや浸潤していたのだ。更に、とある選挙で立候補者全員がSCP-2013-Aだと判明したのは、その選挙の結果がでてからである。
翻ってみれば、結局世界中のありとあらゆる組織の要人は皆SCP-2013-Aであった。しかし彼らには、彼らの正体を知る人が増えれば増えるほど弱体化するという弱点があった。財団は彼らを根絶するため、情報を広めようとしたが、O5評議会からストップがかかった。SCP-2013-Aなるものは存在しないためだ、と――つまりは、財団上層部も既にすり替わられていたのだ。
余談
- 本オブジェクトはSCP-2000コンテストの参加作品である。『SF』というテーマであり、事実種々のテクノロジーで人類にすり替わろうとするあたりはサイエンス・フィクションらしいのだが、一方でSCP-1000コンテストの『都市伝説』も意識したような作風になっている。
- 本作品における『SCP-2013-A』とは、すなわち項目名で登場したレプティリアン (爬虫類人) のこと。SCP-2013-Aの特徴は典型的な『レプティリアンの特徴』であり、レプティリアンは人類になりすまし、支配者層として我々を牛耳っていると都市伝説や陰謀論でネタになることが多い。SCP-2013は「レプティリアンは実在するが、財団の上層部を牛耳り自分たちの存在を隠匿している」という話であるわけだ。
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