SCP-2295とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
概要
SCP-2295は、つぎはぎの布で作られた (パッチワーク) テディベアであり、高さ0.46mで合成繊維と綿が詰まっている。首にはリボン、胸元には解剖学的に正確な心臓を模したイラストのピンが取り付けられている。
このテディベアは、臓器に大きく損傷を負った人間が2m以内にいると活性化状態に入る。活性化範囲に2名以上条件を満たす人がいた場合はその中の最年少の対象が選ばれる。SCP-2295はハサミ、白い糸、縫針や鉤針編み用のフックを口から取り出して、周辺の生地や詰め物を利用して、そのヒトの臓器のパッチワーク模倣したものを作り出す。このあと、作られた臓器はその人の損傷した臓器と入れ替わる。元の臓器の行方はわかっていない。その臓器は、性質上生物学的・化学的・医学的な互換性がないのにもかかわらず正常に機能し合併症も起こさない。近くに材料がない場合、自分の布と詰め物を使って生成する。詰め物は毎日少しずつ再生するが、生地は提供されないと自己補修できない。
今までに生成した布製の臓器は肺、心臓、皮膚など。ただし流石に脳味噌はどうにもならないらしく、助けられないことを嘆いてか目から生理食塩水を流して、その人の右足首にすがりついていた。
このテディベアは大破した郵便配送車両内部で発見された。どうやらある女性が自身の孫・トミーのために贈ろうとしていたらしい。これによればSCP-2295の名前は「クマのカイロスくん」。冒頭が付属していた手紙の引用なのだが、手紙の内容は身体的な傷というよりむしろ心の傷を癒やすためにカイロスくんを贈ろうとしていたようにも思える。
SCP-1048との関係
しばしば、ヒトの臓器を使って自分の友だちを作ろうとするビルダー・ベア、あるいはキチクマことSCP-1048と「キチクマじゃないほう」と呼ばれがちなSCP-2295は対比される事が多い。
財団もこの2体のテディベアの類似性と対極的な性質について疑問視しているらしく、共通の起源を突き止める試みをしていることがSCP-1048の報告書に記載されている。
もしかすると、SCP-1048の臓器を奪って友達を作り出す異常性によって、トミーは身体の大部分を損傷したのかもしれない。そのトミーを再生し、本当のテディベアの友人としてあてがわれたのがSCP-2295であったのだろうか。もしそうだった場合、トミーのもとにSCP-2295はたどり着けなかったため、トミーはSCP-1048の異常により障害を負ったままか、あるいは亡くなっている可能性もある。なんとも想像したくない、グロテスクで切ない話である。
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