SCP-2959とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
概要
SCP-2959 | |
基本情報 | |
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OC | Keter-potissimi |
収容場所 | N/A |
著者 | kinchtheknifeblade |
作成日 | 2016年9月18日 |
タグ | d-con2016 keter ミーム 人間型 建造物 強制力 瞬間移動 知性 自我 視覚 記憶影響 認識災害 |
リンク | SCP-2959 |
SCPテンプレート |
多くの読者諸兄らはオブジェクトクラスを見て、おそらく首を傾げたろう。このオブジェクトクラスはサフィックスシステムというものに従っている (こちらを参照のこと) 。「最大の懸念」を示すオブジェクトクラスである。『Keter』であることにかわりはないが、最大とつくだけあってSCP-2959の影響範囲は非常に恐ろしいことになっている。
驚くなかれ、SCP-2959は全財団サイトに影響を及ぼしている。もはやSCP-2959の影響下にいない財団職員はごく僅かであり、その職員らはメッセージの大まかな意味を保ちつつミーム災害を排除するよう設計された人工知能 (LUKA-7)を介して影響下に置かれた職員たちと会話することになっている。なお、この影響下の職員を、報告書では「汚染者」と呼称している。無論、そこまで評するからには重篤な影響なのは間違いないのだが……。
改めて、SCP-2959について語ろう。SCP-2959とは、Dクラスと呼ばれている、財団職員を汚染している実体群に与えられた指定である。彼らは様々な性別、人種、年齢、過去を持つ平均的な人間集団として、ある日突然「Dクラス宿舎 (SCP-2959-Aに指定されている)」なる建物、あるいは財団施設内のそう指定されるエリア内に出現する。――平たく言えば、Dクラスとはすなわちそれそのものがアノマリーだった、ということである。その寝起きする宿舎を含めて。
しかしSCP-2959の影響下にある職員たちは、SCP-2959とSCP-2959-A、すなわちDクラスとその宿舎を、そこにあるのが当然であるかのように認識する。そんな宿舎を建てたこともないのに。そんな人員を刑務所から連れてきたこともないのに。そして彼らは一様に、様々な重大犯罪を犯し、死刑囚となったことを含めさまざまな来歴を語る。しかし、SCP-2959のDNAを調べたところ、その95%は死刑になり得ない軽犯罪者として現在収監中の人間と同じであることが判明している。残る5%に関しては対応する人物は知られていない。彼らの私生活の詳細は、投獄理由以外は概ねそのベースになった人物と同じである。基本的には、財団職員を「博士」と呼ぶこと以外普通の人間と変わらないコミュニケーションを職員相手で取ることができる。
Dクラス宿舎が供給するのはDクラス実体だけではない。毎月1日に、財団職員は彼らを「月例終了」させる (平たく言えば殺害する) のだが、そのためのガス室、または儀式的な断頭、溺殺、鞭打などの方法のための必要な道具まで用意してくれる。Dクラスの生活の世話、殺害、制御に必要なあらゆる装備はすべてそこに出現している。そして、終了されたDクラスは焼却されるが、それと同時に新たなDクラス実体がオレンジのつなぎを着てDクラス宿舎内に就寝している状態で実体化する。汚染された職員は、これらの事象の映像記録やDクラスの輸送についての矛盾点に反応することはなく、このDクラスがサイトに配送されたという偽記憶を有するようになる。なお、これを行うことを理解していながら、財団職員は奉仕期間後の解放を約束してDクラスを実験に協力させる。
SCP-2959影響は、DクラスまたはSCP-2959影響下の職員と会話することでミーム的に伝染する。それまでの人格・暴力に対する嫌悪感とは無関係に、影響下の職員はDクラスをヒト被験者とみなし、Dクラスを他のSCPオブジェクトとの相互作用を伴う実験の実施・ないし補助を行う。当然、Dクラスは死ぬか有害作用で苦しむ上、たいがいの実験は科学的利益に乏しく、SCPオブジェクトのより深い理解にはつながらない。影響下の職員はDクラスの生命や幸福を無視する傾向にあり、この傾向は長期の接触によってさらに増大する。
これだけでは終わらない。影響下の財団職員たちはやがて、2011年に財団内の懲罰として「Dクラスへの降格」を定義した。これはもちろん重大な背信行為や資金の横領などのような内容も含まれるが、慢性的な遅刻癖や、しまいには「最近制定された服装規定に従わないから」といった軽い内容の懲罰にさえ適用されるようになった。これはサイト-19からはじまり、2016年にはすべてのサイトがこれを処罰として運用するようになってしまった。
このDクラスの存在と、それに対する職員たちの非人道的な取り扱いは、「ある日」突然当たり前のようにそこに存在した。しかし、その日たまたま影響を受けなかった一部職員がいた。彼らは、SCP-2959の異常現象を目の当たりにして、CIAから派遣された尋問担当者に協力を依頼し、「政府のある秘密プロジェクトに関するヒト被験者である」というていでDクラスにインタビューを行わせた。そのうち、存命の対応人物を発見できなかった1人のインタビューが非常に奇妙なものであった。このDクラスは、相手が財団ではないと知ると異常発汗をはじめるとともに発話内容が著しくちぐはぐなものに変化していった。最後には、「彼らが何をしたか。彼らは何者だったか、博士。」というフレーズを繰り返すようになり、そのまま発汗によって脱水に陥った。そのDクラスは、財団庇護下に戻されると、理路整然としたコミュニケーションを取ることができた。
O5-5は、影響を受けなかった一部の職員のひとりだった。彼は影響を受けてしまったO5メンバーの退職を勧奨し、そして影響下の職員を救い出そうとしている。彼らはどんどん残酷になり続けている。科学の名のもとに、不必要な苦痛を与えるのが目的ではない。O5-5は影響下にない数少ない職員たちとともに、財団の目的を思い出させるため戦い続けるのだ。
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